上 下
42 / 46
知識と知識が繋がる

  Bダッシュ

しおりを挟む
「で、話をまとめると」
「はい、まとめると」

「俺は子供の時に、小学生の時にタケシさんの番組を観て、知識Aを手に入れたのね」
「はいはい」
「その知識Aとは、ダヴィンチが晩年の時、フランス軍が攻めてきて、ローマ教皇が和平の為にダヴィンチを連れてフランス王に会う」
「はい」
「それでフランス王がダヴィンチを気に入って、フランスに連れて帰る」
「そうですね」
「だからモナリザは、フランスのルーブル美術館にある」
「はいはいはい、知識A」
「知識A」


「で、俺が中学の時に」
 佐々木が話を続ける。
「世界史の授業で、ルターの宗教改革を習う」
「はい」
「ルターがローマカトリックの腐敗と堕落を否定して、ヴァチカンを糾弾する」
「はいはい」
「ヴァチカン側が怒って、ルターを破門するんだけど、抵抗を続ける」
「プロテクターのプロテスとですね」
「それ、俺、習ってないから」
「まぁまぁいいじゃないですか」

「とにかく」
「はいとにかく」
「それが知識C」
「はい」

「それで二十歳過ぎた時に」
 佐々木が手を振る。
「ローマ人物語って本にハマって、その作者のルネサンスの本を読む」
「はいはいはい」
「そこに、知識Aに出てきたローマ教皇と、知識C、ルターが糾弾したローマ教皇が、同じ人物、レオ十世ことジョバンニ・デ・メディチって知るのね」


「つまり、知識Aと知識Cが、知識Bによって繋がって」
「はい、繋がって」
「新たな知識、プロテスタントとは、反カトリックではなく、反ルネサンスだっていう、知識Bダッシュになるのね」
「早く走れそうですね」
「ハハハハハハッ、なんだそれ」
 
しおりを挟む

処理中です...