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 ペルソナ0

 ペルソナ0

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「話をゲームに戻すと」
 佐々木が指を回す。
「色んな人が、色んな思惑で生きてる」
「はいはい」
「すべての人の行動に、動機がある」
「そうですね」

「その動機を聞いて、動機に対する行動を見て、納得できる、共感できるかは別として」
 佐々木は物を動かす仕草をする。
「とにかくすべての人に、すべての行動に動機がある」
「はい、なるほど」

「普通に・・・・・」
 佐々木は少し眉を寄せる。
「悪人もいるのね」
「はい?」
「つまり・・・・」
 佐々木が手を振る。
「なんか酷いこと、いじめとかなんかして、でもこのいじめっ子も家で虐待を受けてて、中学の時にいじめられててみたいな、そう言うんじゃなくて」
「はいはいはい」
「よくサスペンスとかにある、犯人も実は可哀想な人で、みたいなんじゃなく・・・・・・まぁ、そう言うのもあっていいんだけど」
 ハハハハハハハハッと吉田が笑う。


「要はこいつからの視点に立つと、ちょっとした悪ふざけで、面白がってみたいな話だけど、こっちからしたらみたいな話」
「はいはいはい」
「あくまで主観の集合」
 佐々木が手でモノを集める仕草をする。
「そういうゲーム」
「はい」
「ペルソナ0」
 ハハハハハハハハッと吉田が笑う。

「メガテンifではなく?」
「何言ってんのか、わかんない」
 佐々木が首を振る。
「俺、ゲームやらないから」
「ええっ、今更」
 苦笑しながら吉田はツッコむ。
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