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 ペルソナ0

 視点の転移

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「で、話が進んでいくと、それがどんどん広がるのね」
「広がる?・・・・広がるんですか?」
 そうそう、と佐々木が頷く。

「いろんな過去があって、それぞれのトラウマというか、悩みがあって」
「はいはい」
「それがこっちから見たらこう見えるけど、反対側から見たら違うように見える」
「なるほど」

「どんでん返しでもないし、信用できない語り部モノでもなくて、あくまで視点が違うから、そう見える、そう思えるみたいなね」
「はいはいはいはい」


「たとえばさっき言った、ギャルヤンキーの子とさぁ、地味子は友達なのね」
「はい」
「正確にいうと、小学生の時の友達、幼馴染なのね」
「はいはいはい」

「小学生の時は大親友だったんだけど、中学になってギャルヤンキーの子が少しづつ垢抜けていくのね」
「ギャルになっていくんすね」
「そうそう」

「だけど地味子の方は地味なままだから、だんだん距離が出来るのね」
「はいはい」
「で、それをギャルヤンキーの子は、私は垢抜けてイケてる友達が出来て、イケてるグループに入ってるのに、地味子が地味だから、地味子を遠ざけてる、地味子を捨てたんだっ思ってる」
 佐々木が胸の叩く。
「なんか軽い、負い目みたいなのがあるのね」
「なるほど」

「でも地味子からしたら違って」
「はい」
「そう言われればそうだけど、なんか、そんなこともない」
「ハハハハハハッと吉田は笑う。

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