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漫画家の漫画家による漫画家のための漫画雑誌

 漫画家と言えばベレー帽・・・・・・は幻想

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「でね」
「はい」
「浦沢先生は口には出さないけど、自分を手塚治虫の後継者だと思っているのね」
「ハハハハハハッ、先輩の妄想ですよね」
 吉田がツッコむ。
「それで俺ら、漫画をあんま読まないけど、マンベン観てる人間は浦沢先生の事を、神に一番近い漫画家だと思っているのね」
「だから・・・・」
 笑いながら吉田が言う。
「漫画読んでないのにマンベン観てんの、あんたくらいだよ」

「で、その俺が浦沢先生に言いたいのは」
「はい、先輩が言いたいのは」
「まず、ベレー帽をかぶれ」
 ハハハハハハッと吉田は大爆笑する。

「いや、これはねぇ、俺は浦沢先生だけじゃなくてねぇ、今の世の中の漫画家全てに言いたいのね」
 佐々木が手を振る。
「漫画家ならベレー帽をかぶれと」
「ハハハハハハッ、ああっおかしい、バカじゃねぇのこいつ」
「こいつとか言うな、テメェ」
「すいません」
 吉田が頭を下げる。

「昔の漫画家ってさぁ、俺らが子供の頃の漫画家って、みんなベレー帽かぶってたじゃん」
「先輩・・・・先輩の言ってることは分かります。俺らの子供の頃、漫画家と言えばベレー帽でした」
 でもね、と吉田は続ける。
「本当にベレー帽かぶってたの、手塚先生と藤子F先生だけだから」
「そんなことねぇよ」
 佐々木が首を振る。

「たとえば」
「たとえば」
「A先生・・・・かぶってない」
「そうですよね」
「石ノ森先生・・・・かぶってない」
「はい」
「松本零士先生・・・・」
「帽子はかぶってるけど、ベレー帽じゃないですよ」
「赤塚先生・・・・ハチマキ」
「ハハハハハハッ、それはパパの時です、バカボンのパパの時です」
「水島先生・・・・野球帽」
「それ野球やってる時ですね」

「・・・・・・確かにベレー帽かぶってないな」
「そうですよ」
 吉田が頷く。
「そういうイメージですけど、かぶってないです」
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