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  席次

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 関東諸侯の家柄と面子には、政虎は辟易している。

 儀式の時の席次でも揉めたのだ。

 席次について政虎は、長尾憲景に一任した。
 政虎はそういう事に疎いし、知りたくもないからだ。

 流石に憲景はそう言うことに精通している。それぞれの家柄を考え、順当に席次を決めていった。
 しかし千葉胤富と小山高朝が言い争いになり、政虎と公方である足利藤氏が仲裁し、胤富を上にして、双方を引き下がらせた。

 勿論、遺恨は残る。
 高朝は露骨に、政虎や藤氏に不快な顔を見せている。

 政虎がうんざりするのは、北条と真面目に戦う気はないし、政虎を管領と認める気も、藤氏を公方と戴く気も無いのに、面子や体面だけは拘るところだ。

 力では政虎や氏康に勝てない、従うしかない、それなの面子や体面に拘る。
 或いは従うしか無いから、拘るのかもしれない。
 
 どちらしろ、政虎にすれば馬鹿馬鹿しい。

 潮時だな・・・・・。
 
 バラバラの諸侯を見回し、政虎は越後に戻ることを決断する。
 
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