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  分かればなんでも面白い

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「で、ですよ」
「で?」
「物事なんでもそうなんですけど・・・・・・」
 吉田は耳を掻きながら話を続けた。
「分かんないと面白くないけど、分かったら面白いじゃないですか」
「はぁ?」
 佐々木が眉を寄せる。

「だから例えば・・・・野球」
「ベースボールの野球?」
「ベースボールの野球」
 吉田が笑いながら頷く。

「野球も選手が全然分かんないだったら、知らないおじさんらが野球やってるだけじゃないですか」
「まぁ・・・おじさんていうか、今の選手、みんな俺らより若いけどね」
「まぁだから・・・・あんちゃんが」
「あんちゃんが」
「知らないあんちゃんがやってるだけじゃないですか」

「でもそれが、あれがイチローであれが松井で、あれが松坂でが分かれば、まぁ楽しいじゃないですか」
「そやね」
「アニメも最初、何が面白いかよくわかんかったけど、ずっと見てれば、まして友達が毎日、どこがどういう風に面白いのかを言ってれば、面白くなるっていうか、楽しみ方が分かるみたいな」
「そんなもんかね」
「ましてこっちが十代で中学生だと、面白いを理解するのが、なんて言うか柔らかいじゃないですか」
「柔らかいって・・・・柔軟性とか言え」
「まぁ、その柔軟性があるから、面白くなるんですよね」
 ふむ、と佐々木が頷く。
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