佐々木と吉田 崩壊するのに、どうやって戦争すんだよ編

どうしてもガラパゴスしてしまう

デジタル人民元は使わんだろう

「前にも言ったけどさぁ」
　佐々木は手を振る。
「日本はギリシャで、アメリカはローマで、中国はペルシャなのね」
「はいはいはい」
「ちなにも韓国はユダヤ人国家」
「ユダヤ人国家」
　苦笑しながら吉田は頷く。
「まぁ、単一民族国家ってことだよ」


「それぞれ全く違う国なのに、同じ物差しで測るのはおかしいのね」
「そうですね」
「国家として成長期はあって、成長するとさぁ、お金が増えて、教育水準が上がって人材が増える」
「はいはいはい」
「お金があったら、アメリカの企業を買収したり、優秀な人材が生まれたら、アメリカの会社に就職する」

「日本の野球選手がメジャーに行きたがる」
　佐々木が指を回す。
「メジャーに行くことを、世界に挑戦するって言う」
「はい」
「台湾のリーグに行くのは、世界に挑戦するって言わないよね」
「ハハハハハッそうですね」

「なんで？それはアメリカがローマだからだよね」
「はい、そうですね」


「途上国とかでさぁ」
　佐々木が話を続ける。
「アメリカのドルを使って、商売してる人らいるじゃん」
「はいはいはい」
「自国の通貨は信用できないから、そうしてるわけだけど」
　佐々木が指を回す。
「それがデジタル人民元になるかって言うと、そうならないと思うよ」
「そうですね」
「ドルを使うのは、アメリカが覇権国だから、ローマだから」
「はい」
「ローマのお金だから、ドルを使ってるだけなんだよね」