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 道は最初から決まっている

 日本型か韓国型か

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「で、中国やインドもさぁ、同じ道を辿るわけじゃん」
 佐々木が手を回す。
「それで日本型になるか、韓国型になるか選ぶわけね」
「はいはいはい」

「不良債権処理を断行して、格差の酷い、人の生きていけない国か」
 佐々木は右手を挙げて、開いたり閉じたりする。
「それがあんまり進まず、それなりに生きていける国か」
 左手を挙げて、握りしめる。
「おそらく中国もインドも、韓国選ぶと思うのね」
「そうですね」

「て言うか・・・・」
 吉田が首を振る。
「中国はもう、減ってますよ」
「そうやね」
 ニヤニヤしながら佐々木は頷く。

「一人っ子政策の所為で、元々減ってるんですよね」
 ああっ、と佐々木は頷く。
「それにさぁ、これはインドも同じなんだけど」
 佐々木が指を回す。
「子供が一人しか産めないだったら、男を産むんだよね」
 はいはいはい、と吉田は頷く。
「家を継がせるとか、そんな事を考えて、男を産むようにしてんだよね」
「そうですね」
「だから男が余って、女の子がいないんだよね」
「恐ろしいですね」
「だから中国人は就職氷河期の前に、みんな一人もんなんだよね」
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