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 あぁら不思議、同じになる

 ウチらは反中を続けます

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「それで思うんだけどさぁ」
「はい」
「反中が終わると、今度は反印なわけじゃん」
「まぁそうですね」
「欧米はね」
 はいはいはい、と吉田は頷く。

「でも俺らは関係ないわけじゃん」
「そうですね」
「国家の中枢っていうか、社会の上層部にさぁ」
 佐々木が指を回す。
「そんなにインド人いないじゃん」
「まぁ、いるところにはいるんじゃないんでうすか?」

「あの・・・・・・」
 佐々木が首を傾ける。
「昔、孫正義さんが、ソフトバンクの孫さんが、副社長かなんかにさぁ」
「はいはいはい、インド人呼んでましたよね」
「でも、一仕事させたら、辞めたよね」
「そうですね」
 吉田が頷く。
「後継者って話もあったのに・・・・・・っていうか友達だみたいな話だったよね」
「そうですね、確かそんなこと言ってましたよね」
「友達を呼んで、一仕事させたらすぐクビって」
「むしろ友達だから、これだけやってくれ、って頼んだんじゃないんですか」
 苦笑しながら吉田が言う。

「まぁとにかくさぁ」
「はい、とにかく」
「俺らはさぁ、日本はそんなにインド人の優秀さが必要じゃないわけじゃん」
「そう言う訳ではないでしょうけど・・・・・・まぁインド人が、国家の中枢や、社会の上層部にいないですけどね」
「だから欧米と違って、そんなに反印にならないと思うのね」
「そうですね」
「じゃぁ三十年後、欧米が反印してる時、今、反中って言ってる人ら、なんて言ってんだろうね」
「まぁ、変わらず、反中、反韓してると思いますよ」
 ハハハハハハッと佐々木は苦笑する。

「まぁそうだろうね」
「そうですよ」
「欧米の人らにさぁ、ああっみなさんインドに変わったんですか、俺ら中国続けますって言うんだろうね」
「ハハハハハハッ、そうですよ」
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