佐々木と吉田 崩壊するのに、どうやって戦争すんだよ編

今の中国は昔の日本で、未来のインド

再び、話を戻す

「でね」
「はい」
「話を戻すと」
「はい、話を戻すと・・・・・・ていうか、今の脱線いる？いらないですよね？」
　うるさい、と佐々木は言う。


「で、話を戻すと」
「はい、戻すと」
「今の中国は三十年前の日本で、三十年後の・・・・まぁ二十年後のインドな訳じゃん」
「そうですね」

「たださっきチラッと言ったけど、今の中国と三十年前の日本が、まったく同じな訳じゃないのね」
「そうですね、まぁ当然ですよね」
「で、同じように二十年後のインドも、今の中国とも三十年前の日本とも違うのね」
「はいはいはい、そうですね」
「でもまぁ、大きな流れとしたら、インドが世界の工場になって、インド人やインドの会社やインドの社会そのものが豊かになって、それでアメリカや他の国の土地や会社を買っていく」
「はいはいはい」
「その流れ自体は、同じって話」
「そうですね」
　吉田が頷く。
「ただ違うところは違う」
「はい、そうですね」