佐々木と吉田 崩壊するのに、どうやって戦争すんだよ編

崩壊するのに、どうやって攻めるの？

アメリカとロシアはヨーロッパの双子の息子

「それでさぁ」
「はい」
「一番、ないだろうと思う理由」
「はいはい」
「お前がさっき言いかけた理由・・・・」
　佐々木が告げる。
「ロシアのウクライナ侵攻は上手くいかなかったんだから、やらないだろうってこと」
「そうですね」
　吉田が頷く。

「ただ俺はさぁ」
　佐々木が少し首を傾ける。
「それがなくても、やらないと思うけどね」
「そうですか？」
　吉田は首を捻る。
「アメリアとロシアってさぁ」
「はいはい」
「ずうっと戦争してるからね」
「ハハハハハッ、そうですね」
　吉田が頷く。
「ずうっとてあれですけど、十年か十五年に一度、やるって言いますよね」
「もっとやってるよ」
　確かに、と吉田は苦笑しながら頷く。


「アメリカとロシアってさぁ」
　佐々木がポリポリと肩を掻く。
「ヨーロッパの双子の息子なんだよね」
「息子？」
「ヨーロッパの・・・まぁ大航海時代以降の、膨張主義の西に伸びたモノがアメリカで、東に伸びたのがロシアなんだよね」
　左右に佐々木は手を伸ばす。
「だからアメリカとロシアはさぁ、その膨張主義というかさぁ・・・・もっと言うと、野生が残ってんだよね」
「ハハハハハッ、野生？」
「野生」
　佐々木が頷く。

「まぁ、言ってることは分かります」
「普通の国、そんなに戦争しないから、破綻国家じゃあるまいし」
「そうですね」
　笑いながら吉田は頷く。