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 大阪人は薄めた香港人

 大阪人は薄めた中国人

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「あと、その本さぁ」
「はい」
「山東省の人は軍人が多くて、四川の人は反骨心が強いみたいなの書いてたのね」
「へぇ、そうなんだ」

「でね、俺が言いたいのは」
 佐々木が手を振る。
「よくさぁ、右翼の人っていうか、そういう手合いの人がさぁ」
「はい」
「中国人は儒教を信じてて、差別の塊でって言うじゃん」
「そうですね・・・・まぁ、でも韓国の方がいうかなぁ」
「まぁまぁまぁ」
「はい、まぁまぁまぁ」
「話の流れがあるから」
「分かりました、分かりました」

「でも、俺が思うのは」
「はい」
「まず儒教っていうのは士大夫の学問だから、上流国民ていうか、上層部の考え方なのね」
「そうですね・・・・・まぁ上流国民はどこの国でも、差別の塊ですよね」
 苦笑しながら吉田が言うと、そうだろ、と佐々木が頷く。

「大半の中国人はさぁ」
「はい」
「道教を信じてる・・・・って言うかなんだろう・・・・・」
 佐々木が首を回す。
「日本で言うと仏教とか神道を含めたというか、日本的考えたか、日本人的思考みたいなのが、中国におけれ道教なわけじゃん」
「はいはいはい、言っている意味わかります」


「で、もっと言うと・・・・・」
 佐々木は話を続ける。
「日本人にも東北の人から大阪人までいるように」
「はい」
「中国人にも北京の人から上海人までいるわけじゃん」
「そうですね」

「で、日本人基質みたいなの言うけどさぁ・・・・・」
「はいはい」
「て言うかさぁ、俗に言う日本人気質、奥手であんまり自分を表に出さないって、東北人だよね」
「ハハハハハッ、そうですかね?」
「まぁ東北にもいろんな人がいるから、偏見だけど」
「そうですね」
「ただ」
「はい」
「大阪人て薄めて中国人だよね」
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