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第一章 幼少期
14 デーモンスパイダー
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スライムを復活させた後、俺は空中に上がり再び探索魔法を使ってキョロキョロと見回した。
しかし見つかるのは小動物とスライムばかり。
そこでふと俺は何か違和感を感じた。
なんだろう、と首を捻りつつ再び小動物やスライムを見てみた。
あ、なるほどなるほど。
俺の視界に移るのは青く光った丸っこいスライムと小動物なのだが、そこに違いがハッキリとあるのだ。
小動物も確かに青く光ってはいるのが、その色というか濃度か?が薄いのだ。
逆にスライムはハッキリと分かるほど青く光っている。
さっきいたゴブリンと同じくらいハッキリと光っている。
これはもしかしてもしかするのか? 探索魔法を改良できるかもしれない。
俺は飛行魔法を使って少し広範囲に動いてみる事にした。
まだ少しこの高さに慣れないので俺の下半身がきゅっとなってしまう。
少し飛んだ所で、小動物でもスライムでもない物を見つけた。
ゴブリンではないが、人型で五人くらいいて、しかもかなりハッキリと青く光っている。
うーん、あれはなんだろうか、オークとか?
とりあえず俺は慎重に近づいた。
近づいたところで俺は少しほっとした。
革鎧や、一部金属を革鎧につけた、多分冒険者の一団がいたのだ。
しかし人間もこんなにハッキリ青く光るんだな。動物とはまた違うのか。
少し聞き耳魔法を使ってみる。
「――でよ、アヒムのやろうがそう言ってくそつまんねぇ事言うからさぁ」
「あーそりゃ殴りたくなるわなぁ」
「だろ!?」
「――お前らいい加減集中しろよ」
「でもさーリーダー。全然いねぇじゃん」
「だよなー。本当にいるのかね? デーモンスパイダー」
デーモンスパイダー!? 何それ! いやまぁ蜘蛛なんだろうけどさ。
「村人の報告ではいたっていう話しだし被害も出てる」
「全然気配もねぇし、巣も見えないし、結構探してるのによ」
「とりあえず探すしかないだろ、連れ去られた村人もいるみたいだしな」
「へーへー」
俺は聞き耳魔法を止めて空中に再び上がった。
よし、デーモンスパイダーもついでに探そう!
俺はまた上空からモンスターや動物を探そうとして目を向けるとすぐに見つかった。
でも、あれは色が薄いな。形からして猪とかその辺か?
近づいてみるとやっぱり猪だった。フゴフゴ言いながら土を掘り起こしている。
それを確認した俺は再び空中に上がり他のを探そうとして見回したら結構な数の動物が見つかった。
ただその薄い青色の動物達は皆何かから逃げているかのように一定方向に動いているのだ。
なので俺はその逆側へ視線を向けた。
いた、あれだ。――クッキリと浮かび上がる青い影。
そして蜘蛛だ。でっかい蜘蛛だ。
え? デカすぎない? 1mくらいない?
そんな蜘蛛の足元には蜘蛛より少し小さいくらいの薄い青色の塊が転がっている。
俺はゆっくりと蜘蛛の近くへ進んで行った。
当然ながらシールドを二重に張った。怖いからな!
音を立てないように俺は消音魔法を自分の周囲一メートルに張る。
これで俺が木の枝にぶつかっても音はしないはずだ。
そのまま俺は蜘蛛が見える所まで近づいた。
俺の目に映ったのはでっかい蜘蛛だった。多分これがデーモンスパイダーだろう。
今は足元の蜘蛛より少し小さい何かを蜘蛛の糸で巻いている所のようだ。
鑑定魔法とか欲しいな。後で作ろうかな。
俺は蜘蛛をじっと観察した。
体色は基本黒色だが、お尻の背中側に黄色い模様が入っている。
体中には体毛が生えていて、これを小さくすればタランチュラに近い見た目かもしれない。
観察している間に糸を巻き終えたデーモンスパイダーが、それを自らの背中に背負い、そのまま歩き出した。
巣に運ぶのかな? とりあえずついていってみよう。
重そうな荷物を背負っているというのに、デーモンスパイダーは軽々と動いている。
しかも結構移動速度が速く、山の中をスイスイと移動していった。
俺は低空飛行で後を追っていく。
暫くついていくと、蜘蛛の巣だろうか、木にたくさんの白い糸がつきはじめた。
デーモンスパイダーはそのまま奥まで進むと、辺り一面蜘蛛の糸で真っ白な場所までやってきた。
そこには、大小様々な繭がぶら下がっており、時々それがビクンと動いている。
中の獲物はどうやら生きているらしく、うっすらと青い形が見える。
デーモンスパイダーは先程捕らえた獲物の繭を他の繭と同じように太い糸を木の幹につけてぶら下げた。
とはいえ、保存食にしては数が多すぎる気がする。
俺が地面に視線を移すと、その理由が分かった。
ダチョウの卵と同じくらいの大きさの緑色をした卵が何十個とあるのだ。
ようは、この繭たちはあの卵の中身のエサということだ。
そして俺はこの繭を助けなければならない。
だって明らかに人間ぽいのが入った繭があるんだもの。
あの冒険者たちの言ってた連れ去られた村人だろうか。
とりあえず俺は人間ぽい繭にシールド魔法をかけて保護しておく。
これで一先ず安全だろう。
次に、デーモンスパイダーにはとりあえず闇魔法の支配をかける。
『命令があるまで一切動くな』俺の命令を受けたのか、動きが完全に止まった。
『卵のある場所を指し示せ』デーモンスパイダーは目の前の卵を指し、動きを止めた。
卵はあの場所にある物だけらしい。
少しだけ可哀そうではあるが、人を襲うらしいので始末するしかないだろう……。
冒険者達も探しているようだが、かなり離れた場所なので見つけるまでにこの子蜘蛛が生まれる可能性がある。
俺は少し目を瞑り、覚悟を決めて蜘蛛に氷結槍を放った。
槍は真っ直ぐにデーモンスパイダーに刺さり、その体を凍らせていく。
闇魔法で支配されたデーモンスパイダーは一切動かずにそのまま全身を凍らせ命を終わらせた。
この世界で俺の二回目の殺しで、初めての自らの生み出した攻撃魔法で殺した生き物となる。
それでも、スライムとさほど変わらない心の痛みだった。
大きさは違えど、前世でも殺した事のある蜘蛛だからかもしれない。
ゴブリンなどの人型となると、どうなるだろうか……。
そんな事を考えつつも俺は卵にも氷結槍を放った。
次々と氷の槍が刺さり、中身含め凍りついていく。
すべての卵を処理した俺は繭を切り離し地面に下した。
そして風魔法のウインドカッターで繭を切り裂き、中身が本当に人間か確かめる。
繭をこじ開けると、中には人間の男性が入っていた。
気を失い、右腕には怪我をしているようだが、命に別状はない気がする。
とりあえず俺はハイヒールをかけて、繭からその人をなんとか取り出した。
さすがに身体強化を使わないと大人の男性をこんな繭から出すのはさすがに四歳児には無理があるというものだ。
その後俺はまだ生命活動をしているっぽい繭の中身を全て解放した。
鹿やら猪やらと比較的大きい動物が捕まっていたようだ。
一仕事終えた俺はふいーと額の汗をふき、そして、シールドに包んで保護していたこの人をどうすべきか悩んだ。
冒険者一行はまだ遥か遠くで当分ここにはこれないだろうし……。
かといって俺は姿を見られたくない。――それだけは困る。
悩んだ末俺は姿を消して更に変声魔法で声を中性的な声にして冒険者を呼びに行くことにした。
俺は一度飛行魔法で上空に上がると冒険者一行を探しそちらに向かった。
消音魔法だけ消し、彼らの側に近づいて声をかけることにした。
しかし見つかるのは小動物とスライムばかり。
そこでふと俺は何か違和感を感じた。
なんだろう、と首を捻りつつ再び小動物やスライムを見てみた。
あ、なるほどなるほど。
俺の視界に移るのは青く光った丸っこいスライムと小動物なのだが、そこに違いがハッキリとあるのだ。
小動物も確かに青く光ってはいるのが、その色というか濃度か?が薄いのだ。
逆にスライムはハッキリと分かるほど青く光っている。
さっきいたゴブリンと同じくらいハッキリと光っている。
これはもしかしてもしかするのか? 探索魔法を改良できるかもしれない。
俺は飛行魔法を使って少し広範囲に動いてみる事にした。
まだ少しこの高さに慣れないので俺の下半身がきゅっとなってしまう。
少し飛んだ所で、小動物でもスライムでもない物を見つけた。
ゴブリンではないが、人型で五人くらいいて、しかもかなりハッキリと青く光っている。
うーん、あれはなんだろうか、オークとか?
とりあえず俺は慎重に近づいた。
近づいたところで俺は少しほっとした。
革鎧や、一部金属を革鎧につけた、多分冒険者の一団がいたのだ。
しかし人間もこんなにハッキリ青く光るんだな。動物とはまた違うのか。
少し聞き耳魔法を使ってみる。
「――でよ、アヒムのやろうがそう言ってくそつまんねぇ事言うからさぁ」
「あーそりゃ殴りたくなるわなぁ」
「だろ!?」
「――お前らいい加減集中しろよ」
「でもさーリーダー。全然いねぇじゃん」
「だよなー。本当にいるのかね? デーモンスパイダー」
デーモンスパイダー!? 何それ! いやまぁ蜘蛛なんだろうけどさ。
「村人の報告ではいたっていう話しだし被害も出てる」
「全然気配もねぇし、巣も見えないし、結構探してるのによ」
「とりあえず探すしかないだろ、連れ去られた村人もいるみたいだしな」
「へーへー」
俺は聞き耳魔法を止めて空中に再び上がった。
よし、デーモンスパイダーもついでに探そう!
俺はまた上空からモンスターや動物を探そうとして目を向けるとすぐに見つかった。
でも、あれは色が薄いな。形からして猪とかその辺か?
近づいてみるとやっぱり猪だった。フゴフゴ言いながら土を掘り起こしている。
それを確認した俺は再び空中に上がり他のを探そうとして見回したら結構な数の動物が見つかった。
ただその薄い青色の動物達は皆何かから逃げているかのように一定方向に動いているのだ。
なので俺はその逆側へ視線を向けた。
いた、あれだ。――クッキリと浮かび上がる青い影。
そして蜘蛛だ。でっかい蜘蛛だ。
え? デカすぎない? 1mくらいない?
そんな蜘蛛の足元には蜘蛛より少し小さいくらいの薄い青色の塊が転がっている。
俺はゆっくりと蜘蛛の近くへ進んで行った。
当然ながらシールドを二重に張った。怖いからな!
音を立てないように俺は消音魔法を自分の周囲一メートルに張る。
これで俺が木の枝にぶつかっても音はしないはずだ。
そのまま俺は蜘蛛が見える所まで近づいた。
俺の目に映ったのはでっかい蜘蛛だった。多分これがデーモンスパイダーだろう。
今は足元の蜘蛛より少し小さい何かを蜘蛛の糸で巻いている所のようだ。
鑑定魔法とか欲しいな。後で作ろうかな。
俺は蜘蛛をじっと観察した。
体色は基本黒色だが、お尻の背中側に黄色い模様が入っている。
体中には体毛が生えていて、これを小さくすればタランチュラに近い見た目かもしれない。
観察している間に糸を巻き終えたデーモンスパイダーが、それを自らの背中に背負い、そのまま歩き出した。
巣に運ぶのかな? とりあえずついていってみよう。
重そうな荷物を背負っているというのに、デーモンスパイダーは軽々と動いている。
しかも結構移動速度が速く、山の中をスイスイと移動していった。
俺は低空飛行で後を追っていく。
暫くついていくと、蜘蛛の巣だろうか、木にたくさんの白い糸がつきはじめた。
デーモンスパイダーはそのまま奥まで進むと、辺り一面蜘蛛の糸で真っ白な場所までやってきた。
そこには、大小様々な繭がぶら下がっており、時々それがビクンと動いている。
中の獲物はどうやら生きているらしく、うっすらと青い形が見える。
デーモンスパイダーは先程捕らえた獲物の繭を他の繭と同じように太い糸を木の幹につけてぶら下げた。
とはいえ、保存食にしては数が多すぎる気がする。
俺が地面に視線を移すと、その理由が分かった。
ダチョウの卵と同じくらいの大きさの緑色をした卵が何十個とあるのだ。
ようは、この繭たちはあの卵の中身のエサということだ。
そして俺はこの繭を助けなければならない。
だって明らかに人間ぽいのが入った繭があるんだもの。
あの冒険者たちの言ってた連れ去られた村人だろうか。
とりあえず俺は人間ぽい繭にシールド魔法をかけて保護しておく。
これで一先ず安全だろう。
次に、デーモンスパイダーにはとりあえず闇魔法の支配をかける。
『命令があるまで一切動くな』俺の命令を受けたのか、動きが完全に止まった。
『卵のある場所を指し示せ』デーモンスパイダーは目の前の卵を指し、動きを止めた。
卵はあの場所にある物だけらしい。
少しだけ可哀そうではあるが、人を襲うらしいので始末するしかないだろう……。
冒険者達も探しているようだが、かなり離れた場所なので見つけるまでにこの子蜘蛛が生まれる可能性がある。
俺は少し目を瞑り、覚悟を決めて蜘蛛に氷結槍を放った。
槍は真っ直ぐにデーモンスパイダーに刺さり、その体を凍らせていく。
闇魔法で支配されたデーモンスパイダーは一切動かずにそのまま全身を凍らせ命を終わらせた。
この世界で俺の二回目の殺しで、初めての自らの生み出した攻撃魔法で殺した生き物となる。
それでも、スライムとさほど変わらない心の痛みだった。
大きさは違えど、前世でも殺した事のある蜘蛛だからかもしれない。
ゴブリンなどの人型となると、どうなるだろうか……。
そんな事を考えつつも俺は卵にも氷結槍を放った。
次々と氷の槍が刺さり、中身含め凍りついていく。
すべての卵を処理した俺は繭を切り離し地面に下した。
そして風魔法のウインドカッターで繭を切り裂き、中身が本当に人間か確かめる。
繭をこじ開けると、中には人間の男性が入っていた。
気を失い、右腕には怪我をしているようだが、命に別状はない気がする。
とりあえず俺はハイヒールをかけて、繭からその人をなんとか取り出した。
さすがに身体強化を使わないと大人の男性をこんな繭から出すのはさすがに四歳児には無理があるというものだ。
その後俺はまだ生命活動をしているっぽい繭の中身を全て解放した。
鹿やら猪やらと比較的大きい動物が捕まっていたようだ。
一仕事終えた俺はふいーと額の汗をふき、そして、シールドに包んで保護していたこの人をどうすべきか悩んだ。
冒険者一行はまだ遥か遠くで当分ここにはこれないだろうし……。
かといって俺は姿を見られたくない。――それだけは困る。
悩んだ末俺は姿を消して更に変声魔法で声を中性的な声にして冒険者を呼びに行くことにした。
俺は一度飛行魔法で上空に上がると冒険者一行を探しそちらに向かった。
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