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第一章 幼少期

10 魔法の開発

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 翌日、今日も暇である。いい加減外出たいなぁ。
 でも外出たいと言うとマリーがすごく悲しそうな顔をするから言いにくい。
 いつになったら俺はお外で遊べるんだか。
 魔法披露の代償はでっかいなぁ……。

 一頻ひとしきり人当て遊びをした俺は魔法の強化をする事にした。
 まずは昨日やった火・氷・土以外の魔法の強化をしよう。
 残りは、木・風・雷・光・闇って所かな。

 ――とはいえ、あんまり大まかに分けてるわけでもないんだよな。
 土と木は一緒でもいい気がするし。まぁ俺が分かってればいいので適当でもいいだろう。
 とりあえず木魔法だと俺的にはバインドと毒なんだよな。
 バインドは別に木以外でも氷や土でも代用できるしそっちのが強いから強化するなら毒か。

 でも、毒って種類がすげぇ多いんだよな。
 そんな知ってるわけじゃないけど、フグの毒とかちみっとで致死量だし。
 まぁ、でも毒に関しちゃ結局イメージでいくらでも作れるから、さほど苦労もしないかもしれない。
 例えば、無色透明無臭の毒、でも少量でも吸い込めば手足が痺れて動かなくなり、死に至る。
 まぁ、後はそれの濃度を変えれば痺れ薬みたいにも使えるし、即死にも出来るからな。
 ――うん、毒はいいか。強化のしがいがない。

 となると次は風魔法だな!
 風と言えば飛行魔法と鎌鼬、後はベタだけど竜巻だな。
 さすがに飛行魔法は実践出来ないから、強化するなら竜巻かなぁ。
 あ、炎と混ぜたりマグマを混ぜるのもありじゃね?それなら氷結槍混ぜてもいいよな。

 合体魔法増えるけど、いいか。
 でもマグマは冷えて固まっちゃうかな?試してみるか。
 俺は体内で竜巻を作り、そこにマグマボールを流し込んだ。
 マグマボールは竜巻にまかれてどんどん伸びていく。
 そして最終的には冷えて固まる事もなく、マグマ竜巻になった。うほっこえー!
 マグマが飛び散ってるからこれ普通に使ったら大惨事だな。
 俺は残りも竜巻に混ぜてみる。
 炎を混ぜたら物凄い熱風がまき散らされ、氷結槍を混ぜたら、槍がまき散らされた。
 うん、いい感じだけど、こいつは封印だな。広範囲殲滅魔法すぎる。

 ――さて、お次だ。
 後は雷・光・闇だけど、まぁベタに雷から行こう。
 と思ったけど、これも強化ってなると竜巻に混ぜるのが一番だしな。後は体に纏うのもありだよな。
 こればっかりは実際やらないと分からないから大人になったら試そう。
 ていうか光も闇もどれも実際試さないと無理じゃん。
 一応俺の中では光と聖は同じ属性だから、ヒールは光だな。
 今のとこ実際試してはいないけど、擦り傷や軽い打撲治療にはヒール、裂傷や骨折にはハイヒール、部位欠損の治療にはグレーターヒールと考えて構成もしているが、実際やったわけじゃないからどうにもだな。
 後はやっぱ復活だよな!でもこれも結局試してないので成功するかは不明だ。

 ――そして闇。これは基本デバフだな。
 精神に影響を及ぼす系だ。別に何がどう影響を及ぼすかなんて細かい事は考えてないけど、闇魔法だから!
 混乱・恐怖・支配あたりが俺的にメイン魔法だ。
 くっそ強いモンスターがいたら支配は便利そうである。
 となると支配の強化をしたいとこだな。イメージを強化しよう。

 ――どれ程の支配を及ぼすか。
 そうだな、まずは俺の命令がなければ動く事も喋る事も出来ないってのはまぁデフォとして、俺が命令すれば、己の意思に反して全て素直に答えるし、動くってのはいるよな。
 後は、例えどれだけ離れても支配からは逃れられないってのも大事だ。
 まぁ、こんな所だろう。
 これもいずれ大人になったらモンスターなんかで試すかな。

 もうないじゃん!試す系が多すぎるんだよなー。
 あ、そうだ、あれだ。探索系の魔法も作ろう。
 基本は生き物の感知だよな。となるとサーモグラフィ?
 いやでも温度の低いモンスターとかもいるよな。
 熱いとこではサーモグラフィは意味なさそうだし。
 壁の向こう側とかわかんなさそうだしなぁ。
 んー、生き物に絶対あるものってなんだろうなぁ。
 温度、血液?いや虫にはないか……。なんかこうわっかりやすいのないかな。
 イメージ出来ないと魔法も作れないからなぁ……。

 あっ!!あるじゃーん!魔法だよ!この世界は魔法のある世界なんだから、どんな生き物にも魔素があるんじゃねーの?
 よし、観察しよう!いやでも観察に魔法がいるよな。
 そもそも俺魔素なんて見たことないんだよな。感じはしても。
 イメージだ。今俺の体内を魔素が巡ってる。それを可視化する感じ…………。
 目を閉じた俺は自分の手を前に出してイメージする。
 魔素が流れている、血液とは違う色だ。青い色だな、それが体の表面を覆っている……。
 目を閉じているが、ぼんやりと自分の手が見え始めた。
 薄っすらと青く光っている。
 そう、そんな感じ、それがもっとクッキリとすればいい……。

 暫くして俺の閉じた瞼の向こう側にハッキリとした俺の手が見えた。
 感じとしてはサーモグラフィに近いかもしれないが、青く光る膜で覆われた手が見える。
 そっと目を開けてみるが、やはり同じように青く光る手が見えた。
 よし、マリーをこっそり見に行こう、そう考えた時、俺はハッとした。
 あ、これ魔法使ってるじゃん。俺は急いで魔法を解除する。
 危ない危ない……額の汗を拭い俺は一息ついた。

 これも大人になってからだなぁ……。
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