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第一章 幼少期
9 創作魔法
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魔封じの腕輪をつけられてから二年が経った。
俺は先日三歳の誕生日を迎えた。
あの日から俺は一回だって外で魔法は使っていない。
体内でのイメージ魔法は別だけど。
実の所、この魔封じの腕輪だが――まったくもって機能していない。
安物か、初期不良かもしれない。
確かに最初つけられた時はこう、なんだろう、押さえつけられるような、閉じ込められたようなそんな感覚が一瞬あったんだけど、すぐに消えたんだよな。
だから多分あんまり効果の高い腕輪ではなかったのだろう。
とはいえ、二人のあの辛そうな顔を思い出すと俺は魔法を使う気になれないのだ。
しかし問題は暇な事だ……。あれから俺はほとんど家から出ていない。というか、出してくれない。
どうしても出ないといけない時は俺はローブを頭から被せられて移動するのでほとんど外は見えないのだ。
今は何か曇りガラスっぽい何かからぼやけた外を眺める日々である。
日がな一日そうしてぼけっと外を眺めているのだが、暇すぎる。
最近ではそんなぼけたガラス越しでも歩いてる人がどんな人かが分かるようになってきた。
今通ったのは――犬の獣人さん、女性だな。そして多分巨乳だ!素晴らしい。
よし答え合わせだ。
俺は隣の部屋へ走り、椅子によじ登ると木窓の隙間から外を覗く。
ここはガラスっぽい窓ではなく木窓なのだ。
俺が魔封じの腕輪をつけてからは閉めっぱなしだけど。
さてさて、答えは……。
――ビンゴ! 犬の獣人さんだ。そして、巨乳である。正義。
俺はニコニコしながら再び元の部屋へ戻り椅子によじ登ると、曇りガラス越しに外を見る。
そんな人当てを何度かしていると飽きた。すごく飽きた。
俺はそうして暇になると体内で魔法遊びを始める。
実際魔法を出しているわけではないのだが、体内でイメージして作るのだ。
それを体の中の空間で自由自在に動かして遊ぶ。
今日やるのは魔法の強化だ。
ファイアボールなんかのありきたりな魔法はもう自由に飛ばせるし、形状も変えられる。
ドリル型ファイアボールとかまじかっけぇの。
――でだ、これを更に強化するとなるとどうすればいいか。
火の強化といえばやっぱ温度を上げまくる事だ。
えーと、火ってどんなだったか……?
理科の授業でやったけど、温度とかは詳しく覚えてないしな……
確か、一番外の白っぽい黄色が一番温度高くて、中心に向かう程燃焼できなくて低いんだっけ?
あれは最初説明聞くまで不思議だったんだよな。
中心の青いとこのが一番熱いと思ってたから、印象的で覚えてる。
で、ファイアボールは赤い炎だ。
えーと、一番外の白っぽい黄色、赤色、青色だったよな。
てことは、ファイアボールはまだ温度を上げる事が出来るってことだな。
今あるこのファイアボールを更に熱く、酸素を送り込んで温度を上げるイメージ。
白っぽい黄色になるまで温度を上げる。
いいぞいいぞ、もう少し……。
――よし!このくらい、かな? 超熱そうだから成功だろう。
確かめたいけど外に出すわけにはいかないからな……。
大人になったら試してみよう。
そしてこの炎を圧縮してねじって、ドリルファイアー! うおお! かっけぇ!
魔法の弾丸だな! よし、ファイアバレットと呼ぼう!
うむ、満足。次やろう。
今度はこれを更に進化させる。
これより温度が高いとなるとマグマかな?
土が溶ける程の熱さだもんな。となると、土魔法と合体させるべきか?
よしやってみよう。
俺は土魔法により土の塊を出す。
土と、さっきの炎を混ぜる。そしてイメージだ。あの熱くて土をも溶かすドロドロとしたマグマ。
マグママグマ――できた! うおーすげぇ! 土がぐつぐつ沸騰してやがる!
うおー試してぇええ! でも我慢だ。もうあんな顔はさせたくないしな。
さて次は氷か。
氷は強化っつってもどんな風にできるかな?
えーと、あれだ、ドライアイスじゃなくて……液体窒素! あれだ。
あれを参考として、氷に触れたら瞬間的に凍ってそれが全身に広がる感じ。
カッコイイな。それでいこう。
とはいえさてどうしたものか。これは試せないしなぁ……。
そうだ。ファイアボールを凍らすとかかっこよくね?
火を凍らせられるならなんでも凍るだろ!
よし、まずは普通のファイアボールを出してっと……
氷魔法起動!
これも初めてみた時の氷の粒ではなく、漫画やアニメで見た氷魔法の形になっている。
簡単に言えばツララだな。もしくは氷の槍みたいな感じ。
あ、それだ。アイスジャベリンとかいいな。でもそれだとただの氷の槍だしな。
でもまぁ、ジャベリン系は他にも使えるな。
んー、あ。氷結、氷結槍にしよう!
でだ、これを液体窒素と同じ瞬間冷凍出来るくらいの温度にする。
正確な温度は知らないが、イメージの世界なので問題ない!
――出来た! けど、なんだこれ。水みたいなんだが。
あ、でも外側の水はパキパキいって凍ってるな。でもすぐに内側から水が流れて液体になって凍ってを繰り返している。
なんかカッコイイ。とりあえずこれをファイアボールにぶつけてみよう。
炎の氷になったらカッコイイな。
俺は体内で作った液体窒素の氷をファイアボールにぶつけた。
途端ファイアボールはそのままの形で一瞬で凍りついた。
ふぉー!すげー!俺まじすげぇな!完璧じゃん。
でもこれ俺は一応氷魔法で作ったけど、液体だから水魔法でもあるのかな?まぁいいか!
まぁとりあえず今日はこんなとこかな。
完成したのは白色の炎の魔弾と、マグマボール、氷結槍の三つだな!
明日はまた違う魔法を実験してみよう。
俺は先日三歳の誕生日を迎えた。
あの日から俺は一回だって外で魔法は使っていない。
体内でのイメージ魔法は別だけど。
実の所、この魔封じの腕輪だが――まったくもって機能していない。
安物か、初期不良かもしれない。
確かに最初つけられた時はこう、なんだろう、押さえつけられるような、閉じ込められたようなそんな感覚が一瞬あったんだけど、すぐに消えたんだよな。
だから多分あんまり効果の高い腕輪ではなかったのだろう。
とはいえ、二人のあの辛そうな顔を思い出すと俺は魔法を使う気になれないのだ。
しかし問題は暇な事だ……。あれから俺はほとんど家から出ていない。というか、出してくれない。
どうしても出ないといけない時は俺はローブを頭から被せられて移動するのでほとんど外は見えないのだ。
今は何か曇りガラスっぽい何かからぼやけた外を眺める日々である。
日がな一日そうしてぼけっと外を眺めているのだが、暇すぎる。
最近ではそんなぼけたガラス越しでも歩いてる人がどんな人かが分かるようになってきた。
今通ったのは――犬の獣人さん、女性だな。そして多分巨乳だ!素晴らしい。
よし答え合わせだ。
俺は隣の部屋へ走り、椅子によじ登ると木窓の隙間から外を覗く。
ここはガラスっぽい窓ではなく木窓なのだ。
俺が魔封じの腕輪をつけてからは閉めっぱなしだけど。
さてさて、答えは……。
――ビンゴ! 犬の獣人さんだ。そして、巨乳である。正義。
俺はニコニコしながら再び元の部屋へ戻り椅子によじ登ると、曇りガラス越しに外を見る。
そんな人当てを何度かしていると飽きた。すごく飽きた。
俺はそうして暇になると体内で魔法遊びを始める。
実際魔法を出しているわけではないのだが、体内でイメージして作るのだ。
それを体の中の空間で自由自在に動かして遊ぶ。
今日やるのは魔法の強化だ。
ファイアボールなんかのありきたりな魔法はもう自由に飛ばせるし、形状も変えられる。
ドリル型ファイアボールとかまじかっけぇの。
――でだ、これを更に強化するとなるとどうすればいいか。
火の強化といえばやっぱ温度を上げまくる事だ。
えーと、火ってどんなだったか……?
理科の授業でやったけど、温度とかは詳しく覚えてないしな……
確か、一番外の白っぽい黄色が一番温度高くて、中心に向かう程燃焼できなくて低いんだっけ?
あれは最初説明聞くまで不思議だったんだよな。
中心の青いとこのが一番熱いと思ってたから、印象的で覚えてる。
で、ファイアボールは赤い炎だ。
えーと、一番外の白っぽい黄色、赤色、青色だったよな。
てことは、ファイアボールはまだ温度を上げる事が出来るってことだな。
今あるこのファイアボールを更に熱く、酸素を送り込んで温度を上げるイメージ。
白っぽい黄色になるまで温度を上げる。
いいぞいいぞ、もう少し……。
――よし!このくらい、かな? 超熱そうだから成功だろう。
確かめたいけど外に出すわけにはいかないからな……。
大人になったら試してみよう。
そしてこの炎を圧縮してねじって、ドリルファイアー! うおお! かっけぇ!
魔法の弾丸だな! よし、ファイアバレットと呼ぼう!
うむ、満足。次やろう。
今度はこれを更に進化させる。
これより温度が高いとなるとマグマかな?
土が溶ける程の熱さだもんな。となると、土魔法と合体させるべきか?
よしやってみよう。
俺は土魔法により土の塊を出す。
土と、さっきの炎を混ぜる。そしてイメージだ。あの熱くて土をも溶かすドロドロとしたマグマ。
マグママグマ――できた! うおーすげぇ! 土がぐつぐつ沸騰してやがる!
うおー試してぇええ! でも我慢だ。もうあんな顔はさせたくないしな。
さて次は氷か。
氷は強化っつってもどんな風にできるかな?
えーと、あれだ、ドライアイスじゃなくて……液体窒素! あれだ。
あれを参考として、氷に触れたら瞬間的に凍ってそれが全身に広がる感じ。
カッコイイな。それでいこう。
とはいえさてどうしたものか。これは試せないしなぁ……。
そうだ。ファイアボールを凍らすとかかっこよくね?
火を凍らせられるならなんでも凍るだろ!
よし、まずは普通のファイアボールを出してっと……
氷魔法起動!
これも初めてみた時の氷の粒ではなく、漫画やアニメで見た氷魔法の形になっている。
簡単に言えばツララだな。もしくは氷の槍みたいな感じ。
あ、それだ。アイスジャベリンとかいいな。でもそれだとただの氷の槍だしな。
でもまぁ、ジャベリン系は他にも使えるな。
んー、あ。氷結、氷結槍にしよう!
でだ、これを液体窒素と同じ瞬間冷凍出来るくらいの温度にする。
正確な温度は知らないが、イメージの世界なので問題ない!
――出来た! けど、なんだこれ。水みたいなんだが。
あ、でも外側の水はパキパキいって凍ってるな。でもすぐに内側から水が流れて液体になって凍ってを繰り返している。
なんかカッコイイ。とりあえずこれをファイアボールにぶつけてみよう。
炎の氷になったらカッコイイな。
俺は体内で作った液体窒素の氷をファイアボールにぶつけた。
途端ファイアボールはそのままの形で一瞬で凍りついた。
ふぉー!すげー!俺まじすげぇな!完璧じゃん。
でもこれ俺は一応氷魔法で作ったけど、液体だから水魔法でもあるのかな?まぁいいか!
まぁとりあえず今日はこんなとこかな。
完成したのは白色の炎の魔弾と、マグマボール、氷結槍の三つだな!
明日はまた違う魔法を実験してみよう。
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