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第36話 赤き始祖龍
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あの村から数日――
俺達は始祖龍がいるという洞窟へ来ていた。
ぱっと見は小さな山。
だが、入り口ですと言わんばかりの穿たれた穴がある。
縦横共に、大人二人分ほどの大きさで、いかにも、という風だ。
「大丈夫かアベル」
「あぁ」
キザイアさんに気遣われる。
別に仲が悪くなったわけではない。
……でもあの衝撃せいで俺のメンタルはボロボロだった。
俺の親はどちらかが滅んだはずの魔族なのか?
カレンはどうなんだ?
なんで俺は人間として育てられたのか?
色々な思いが俺の心を蝕む。
しかし俺がどれ程考えても、時間は進む。
俺達は静かに入り口をくぐった。
湿り気のある壁に、薄暗い内部。
その中を俺達は、ランプを付けて先へ進む。
「……アニ」
するとアニがぷるぷるし始めた。
何かを感じたのだろうか?
俺には何も分からないが、スライムというモンスターゆえの感覚かもしれない。
「これは……期待できるのう」
グルミニアはニヤニヤしながら進む。
そして、細長い洞窟をずっと進むと、徐々に奥から輝きが見えてきた。
「あれは、黄金?」
輝きの色は金。
荘厳な財宝の輝きだ。
それを目にし、自然に俺達の足は速くなる。
そして長いその洞窟を抜けると――
「……ッ!!」
「ははは、本当であったのじゃな」
目の前には大きな広間が広がっていた。
きらめく黄金の山に、古今東西の財宝。
そして――その中央に座り込む巨大な龍。
ここにあるどんな財宝よりも美しい赤く輝く鱗に、眼に前にいるだけで足が震えるような圧倒的な威圧感。
間違いない――始祖龍だ。
「こんな場所に来るとは誰であるか」
赤い龍は低い声を出す。
その言葉に反応したいが、どうしてか上手く言葉が出てこない。
「……」
「ほう、貴様までおるのか」
赤い龍はアマネを見る。
「……アマネ。……私の名前」
「……そういう事か」
赤い龍は何かを納得した。
「申し遅れたが我が名はドラゴニールだ」
ドラゴニール――
そう名乗った赤い龍は長い首を上げる。
それによって、何故か身体に降り掛かっていた威圧感が和らいだ。
「お、俺はアベルだ」
ようやく俺の口が開いた。
「キザイアと申す」
「ドルイド、グルミニアじゃ」
俺達は順番に名乗る。
「それで何用なのだ?」
「わしらはドラゴニール様に乗せていってほしいのじゃ」
「理由を聞かせてもらってもよいか?」
「我々はこれから新たな魔王を倒しに行くのだ。そしてこの先に新魔王軍の検問がある。あなたにその検問の先へと連れて行ってほしいのです」
それが失礼なのも、受け入れがたいということもわかっている。
しかし、これが最も安全に旅を続ける方法だ。
「ふむ……」
ドラゴニールは考え込む。
「お前はそれでよいのか?……アマネ」
「……うん」
アマネはその言葉に頷く。
先程から気にはなっていたが、おそらくアマネはドラゴニールの知り合いなのだろう。
アマネは2人には黙っているが、旧魔王の王族だ。
多分それでドラゴニールの事も知っていたのだろう。
「……そうか。ならいいだろう! このドラゴニール、お前らに力を貸そう!」
ドラゴニールは翼を大きくはためかせる。
その風圧に俺の身体は吹き飛びそうになる。
「ははは、始祖龍の背に乗るなんて最高じゃな!」
グルミニアは楽しそうだ。
ドルイドとしての好奇心が心をくすぐるのだろう。
「それと、ここにあるものを好きなだけ持っていくといい」
「いいのか?」
「あぁ、どちらにせよ私には不要なものであるしな」
「では失礼して」
キザイアさんはそう言うと冷気を放つ剣を引き抜く。
「ありがたい!」
グルミニアは一本の杖を抜き取る。
俺も何を取ろうか悩んでいたが一つの石が目に入る。
「それは龍の魔石の欠片だ」
「いいんですか? これもらっても」
「確かに偉大な龍のものだが、わしには関係ないものだ」
なら……。
俺は龍の魔石を懐に入れた。
「ならば、そろそろゆくぞ! ウオオオオォォォォ!!!」
ドラゴニールは翼を広げ咆哮した。
それにともない広場の上部が開き、空が見え始める。
「なっ!」
確かここは山の内部だったはずだ!
こんな仕掛けが施されていたなんて……!
「では行くかの」
ドラゴニールは久々の飛翔なのか、どこか楽しげだった。
◇◇◇
「うわああぁぁぁ!!」
やばい!
超早い!
ドラゴンの背中に乗ることなんてなかったから、こんなに速いものとは思わなかった!
とういかこれからも乗る事は無いだろう……!
本当に振り落とされそうだ。
俺は背中を掴むので精一杯だ。
「落ちるでないぞ!」
そりゃもちろん俺も落ちたくない。
こんな上空で落ちたらしゃれにならない。
確実に死ぬ。
「ほれ見ろ、下につぶがおるぞ!」
グルミニアはさっきから楽しそうだ。
まぁドルイドにとってドラゴンの背に乗るなんて願ってもみないだろう。
俺は下を見ると魔族とその支配下の人間たちが、検問に駆り出されているように見える。
そして彼らが小さな豆粒のように小さく見える。
「本当は港まで連れていきたいのだが、あまり洞窟から離れないほうが良いのでな」
「ここまで連れてきてもらえるだけでも有難い」
キザイアさんはこの状態でも普通に返答する。
……まじか。
俺はしがみついているだけで大変なのに。
アマネも平然としているし、この中で心底ビビっているのは俺だけ……。
いや……アニもだな。
アニもさっきからアマネに抱き締められつつぷるぷるしている。
「そろそろだ」
ドラゴニールはそう言って減速し始める。
あれから1時間ほど乗っていたのだ。
正直俺はもう死にそうだ。
ドラゴニールはその場に滞空し徐々に高度を下げる。
先に手に持っていた俺達の馬車をその場に置き、それから俺達はその背から降りた。
「それでは頑張るのだぞ」
「当然じゃ!」
「感謝します、始祖龍ドラゴニール様」
「……は、はぁい う、うぇ……吐きそう……」
皆は何故かピンピンしている。
俺は死にかけだ。
「それと……アマネ」
「……?」
「死ぬでないぞ」
そう言ってドラゴニールは飛んでった。
洞窟に行くまでの距離もあったが、それはドラゴニールの速さでイーブンになっただろう。
ここまで連れてきてくれたことの感謝しつつ、俺達は馬車に乗り込んだ。
◇◇◇
「それにしても本物の始祖龍に会えるとは最高じゃったな!」
「俺も正直伝説での話だと思っていたよ」
「確かに始祖龍に乗せてもらえるなんて、子供向けの夢物語のようだな」
「ははは、俺はもう乗りたくないですけどね」
「ふふふ、わしは何度でも乗りたいがな!」
俺達は馬車の中で談笑していた。
目指す次の村まではまだまだ先だ。
しかし、その村につくことでおそらく港までの行程の半分となる。
まぁ港から先もあると考えると……まだまだ遠いな。
「それにしてもアマネはよく知っておったな」
「……ん?」
「ドラゴニールの事じゃよ。何故あの洞窟におると知っておったんじゃ?」
「……私……」
「どうかしたのか?」
「……実は、私……」
……ん?
言うつもりなのか!?
いや、流石に元魔王の王族ってことは知られない方がいいだろう。
だからドラゴニールも気を使ってくれたんだろうし……!
「いやー! ホントなんで知っているんでしょうね!」
俺はアマネの頭を撫でながら会話に割り込む。
「アベルも気になるのか?」
「いや、そういうことじゃなくて……」
「じゃあどういうことなんだ?」
「……私――」
アマネ! 流石に言ってはダメ――
「……色々、詳しい」
……え?
あぁ、ごまかしてくれたのか。
良かったぁ~。
俺はアマネの頭を撫でつつウインクをした。
「ほう、なら色々教授して頂きたいものじゃ」
「……いいよ」
「俺も教えて欲しいな」
「……もちろん」
そう言ってアマネは微笑む。
今まで見せてくれなかった表情に、ドキッとしてしまう。
……そうか。
アマネが徐々に心を開いて来てくれているんだ。
もっと色んなアマネを見てみたいな。
俺達は始祖龍がいるという洞窟へ来ていた。
ぱっと見は小さな山。
だが、入り口ですと言わんばかりの穿たれた穴がある。
縦横共に、大人二人分ほどの大きさで、いかにも、という風だ。
「大丈夫かアベル」
「あぁ」
キザイアさんに気遣われる。
別に仲が悪くなったわけではない。
……でもあの衝撃せいで俺のメンタルはボロボロだった。
俺の親はどちらかが滅んだはずの魔族なのか?
カレンはどうなんだ?
なんで俺は人間として育てられたのか?
色々な思いが俺の心を蝕む。
しかし俺がどれ程考えても、時間は進む。
俺達は静かに入り口をくぐった。
湿り気のある壁に、薄暗い内部。
その中を俺達は、ランプを付けて先へ進む。
「……アニ」
するとアニがぷるぷるし始めた。
何かを感じたのだろうか?
俺には何も分からないが、スライムというモンスターゆえの感覚かもしれない。
「これは……期待できるのう」
グルミニアはニヤニヤしながら進む。
そして、細長い洞窟をずっと進むと、徐々に奥から輝きが見えてきた。
「あれは、黄金?」
輝きの色は金。
荘厳な財宝の輝きだ。
それを目にし、自然に俺達の足は速くなる。
そして長いその洞窟を抜けると――
「……ッ!!」
「ははは、本当であったのじゃな」
目の前には大きな広間が広がっていた。
きらめく黄金の山に、古今東西の財宝。
そして――その中央に座り込む巨大な龍。
ここにあるどんな財宝よりも美しい赤く輝く鱗に、眼に前にいるだけで足が震えるような圧倒的な威圧感。
間違いない――始祖龍だ。
「こんな場所に来るとは誰であるか」
赤い龍は低い声を出す。
その言葉に反応したいが、どうしてか上手く言葉が出てこない。
「……」
「ほう、貴様までおるのか」
赤い龍はアマネを見る。
「……アマネ。……私の名前」
「……そういう事か」
赤い龍は何かを納得した。
「申し遅れたが我が名はドラゴニールだ」
ドラゴニール――
そう名乗った赤い龍は長い首を上げる。
それによって、何故か身体に降り掛かっていた威圧感が和らいだ。
「お、俺はアベルだ」
ようやく俺の口が開いた。
「キザイアと申す」
「ドルイド、グルミニアじゃ」
俺達は順番に名乗る。
「それで何用なのだ?」
「わしらはドラゴニール様に乗せていってほしいのじゃ」
「理由を聞かせてもらってもよいか?」
「我々はこれから新たな魔王を倒しに行くのだ。そしてこの先に新魔王軍の検問がある。あなたにその検問の先へと連れて行ってほしいのです」
それが失礼なのも、受け入れがたいということもわかっている。
しかし、これが最も安全に旅を続ける方法だ。
「ふむ……」
ドラゴニールは考え込む。
「お前はそれでよいのか?……アマネ」
「……うん」
アマネはその言葉に頷く。
先程から気にはなっていたが、おそらくアマネはドラゴニールの知り合いなのだろう。
アマネは2人には黙っているが、旧魔王の王族だ。
多分それでドラゴニールの事も知っていたのだろう。
「……そうか。ならいいだろう! このドラゴニール、お前らに力を貸そう!」
ドラゴニールは翼を大きくはためかせる。
その風圧に俺の身体は吹き飛びそうになる。
「ははは、始祖龍の背に乗るなんて最高じゃな!」
グルミニアは楽しそうだ。
ドルイドとしての好奇心が心をくすぐるのだろう。
「それと、ここにあるものを好きなだけ持っていくといい」
「いいのか?」
「あぁ、どちらにせよ私には不要なものであるしな」
「では失礼して」
キザイアさんはそう言うと冷気を放つ剣を引き抜く。
「ありがたい!」
グルミニアは一本の杖を抜き取る。
俺も何を取ろうか悩んでいたが一つの石が目に入る。
「それは龍の魔石の欠片だ」
「いいんですか? これもらっても」
「確かに偉大な龍のものだが、わしには関係ないものだ」
なら……。
俺は龍の魔石を懐に入れた。
「ならば、そろそろゆくぞ! ウオオオオォォォォ!!!」
ドラゴニールは翼を広げ咆哮した。
それにともない広場の上部が開き、空が見え始める。
「なっ!」
確かここは山の内部だったはずだ!
こんな仕掛けが施されていたなんて……!
「では行くかの」
ドラゴニールは久々の飛翔なのか、どこか楽しげだった。
◇◇◇
「うわああぁぁぁ!!」
やばい!
超早い!
ドラゴンの背中に乗ることなんてなかったから、こんなに速いものとは思わなかった!
とういかこれからも乗る事は無いだろう……!
本当に振り落とされそうだ。
俺は背中を掴むので精一杯だ。
「落ちるでないぞ!」
そりゃもちろん俺も落ちたくない。
こんな上空で落ちたらしゃれにならない。
確実に死ぬ。
「ほれ見ろ、下につぶがおるぞ!」
グルミニアはさっきから楽しそうだ。
まぁドルイドにとってドラゴンの背に乗るなんて願ってもみないだろう。
俺は下を見ると魔族とその支配下の人間たちが、検問に駆り出されているように見える。
そして彼らが小さな豆粒のように小さく見える。
「本当は港まで連れていきたいのだが、あまり洞窟から離れないほうが良いのでな」
「ここまで連れてきてもらえるだけでも有難い」
キザイアさんはこの状態でも普通に返答する。
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アマネも平然としているし、この中で心底ビビっているのは俺だけ……。
いや……アニもだな。
アニもさっきからアマネに抱き締められつつぷるぷるしている。
「そろそろだ」
ドラゴニールはそう言って減速し始める。
あれから1時間ほど乗っていたのだ。
正直俺はもう死にそうだ。
ドラゴニールはその場に滞空し徐々に高度を下げる。
先に手に持っていた俺達の馬車をその場に置き、それから俺達はその背から降りた。
「それでは頑張るのだぞ」
「当然じゃ!」
「感謝します、始祖龍ドラゴニール様」
「……は、はぁい う、うぇ……吐きそう……」
皆は何故かピンピンしている。
俺は死にかけだ。
「それと……アマネ」
「……?」
「死ぬでないぞ」
そう言ってドラゴニールは飛んでった。
洞窟に行くまでの距離もあったが、それはドラゴニールの速さでイーブンになっただろう。
ここまで連れてきてくれたことの感謝しつつ、俺達は馬車に乗り込んだ。
◇◇◇
「それにしても本物の始祖龍に会えるとは最高じゃったな!」
「俺も正直伝説での話だと思っていたよ」
「確かに始祖龍に乗せてもらえるなんて、子供向けの夢物語のようだな」
「ははは、俺はもう乗りたくないですけどね」
「ふふふ、わしは何度でも乗りたいがな!」
俺達は馬車の中で談笑していた。
目指す次の村まではまだまだ先だ。
しかし、その村につくことでおそらく港までの行程の半分となる。
まぁ港から先もあると考えると……まだまだ遠いな。
「それにしてもアマネはよく知っておったな」
「……ん?」
「ドラゴニールの事じゃよ。何故あの洞窟におると知っておったんじゃ?」
「……私……」
「どうかしたのか?」
「……実は、私……」
……ん?
言うつもりなのか!?
いや、流石に元魔王の王族ってことは知られない方がいいだろう。
だからドラゴニールも気を使ってくれたんだろうし……!
「いやー! ホントなんで知っているんでしょうね!」
俺はアマネの頭を撫でながら会話に割り込む。
「アベルも気になるのか?」
「いや、そういうことじゃなくて……」
「じゃあどういうことなんだ?」
「……私――」
アマネ! 流石に言ってはダメ――
「……色々、詳しい」
……え?
あぁ、ごまかしてくれたのか。
良かったぁ~。
俺はアマネの頭を撫でつつウインクをした。
「ほう、なら色々教授して頂きたいものじゃ」
「……いいよ」
「俺も教えて欲しいな」
「……もちろん」
そう言ってアマネは微笑む。
今まで見せてくれなかった表情に、ドキッとしてしまう。
……そうか。
アマネが徐々に心を開いて来てくれているんだ。
もっと色んなアマネを見てみたいな。
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