11 / 44
11
しおりを挟む
あの後、現地解散となり私は寮に戻った。夏休みと聞こえはいいが学生には大量の課題が出ているのである。こんなに課題出すならいっそ課題集中期間とかに名前をければいいのに……と学生である私は思った。
窓の外は、天気が変わり今では雨がザーザーと降っている。きっと外は湿気でジメジメとしているのだろう。寮内は空調設備のおかげで、全館全室この時期は冷房により適度な室温に保たれている。
それから2,3時間ほど課題を進め、ふぅと息を吐き身体を伸ばす。窓の外を見ると雨が止んでいた。
そういえば……と私は部屋を出て、1階にある自分の名前が入ったポストに向かった。ポストの中には1通の封筒が入っており、その封筒には赤いインクで中身の確認を促す文字が印字されていた。
前々から学校に言われ、連絡を出していた機関から送付された封筒の中身を確認する。文書には、私の両親はすでに他界しており親族はその両親と縁を切った状態だということが簡単に記載されていた。
そして、両親の母方の母にあたる人物……つまり祖母は現在入院中となっていた。入院先の病院はこの町の山の上にある総合病院だった。
旅人さんと行った遊戯施設のエレベーターから見た景色を思い出し、ここから少し離れている病院の位置を地図で確認する。連絡先も載っていたので、タブレットにメモとして保存をした。
「私のおばあちゃん、生きてた。会いたい。」
生前の母から渡された祖母の若いころの写真が入ったペンダントを握りしめ、文書に向かって呟いた。
その日の夕方、病院の連絡対応時間に私は連絡を入れた。文書に描かれていた自分の個別番号と機関の個別番号、そして何かのアルファベットと数字が混ざった番号を病院の担当者に伝える。カチカチと機会音が聞こえ、病院長に連絡が繋がった。
「この病院の院長をしている佐田です。ご連絡内容確認させて頂きました。遠野弥生さんのお孫さんにあたる方ですね。弥生さんに面会されますか?」
何故病院長が対応しているのだろうと不思議に思ったが、私はそれよりも祖母に会ってみたい一心ですぐにでも面会したい旨を伝えた。
「そうですね。明日午後2時はいかがでしょうか。受付に遠野弥生の名前を伝えてください。私がご案内しますので」
「はい、ありがとうございます。明日伺います」
私は通話終了のボタンを押し、鼓動が早くなっている胸に手をあてた。自分と血がつながっている人に会えると喜びで胸がいっぱいになる。溢れてきそうになる涙を必死にこらえる。会えるまでは泣かない……そんな気持ちだった。
電車はカタカタと揺れながら、目的地へと進んでいく。流れる景色、人の息遣い、少し寒いくらいの冷気……その全てに胸が高鳴る。
入院しているという祖母の見た目はどのくらいなのだろうか、今も生きているということは延命治療をしているはずだ、入院ということは体調が悪いのだろうか……色々な考えが頭に浮かぶ。しかし、その考えよりも祖母が存在し会えるという喜びの方が勝っていた。
電車は終点である目的の駅に着いた。ここから病院までは歩いて数分である。走り出したい気持ちを抑え、目の前に見える病院に向かってゆっくり歩いた。
病院内はクラシックな音楽が静かに流れている。受付に向かい遠野弥生の名前を伝える。椅子に座り数分待っていると白衣を着た1人の女性が現れた。見た目は50歳くらいだろうか。
「遠野弥生さんのお孫さんですね。病院長の佐田です。それでは、弥生さんの部屋に案内しますね」
「は、はい! よろしくお願いします」
私は頭を下げ佐田先生の隣を歩いた。佐田先生は私の顔をじっと見つめ何か言いたげだったが、口には出さずニコリと笑った。
部屋に着くまでの間に、祖母も親族と縁を切った状態であること、お見舞いには今までに誰も来ていないこと、今は転院してきてこの病院にいることなど色々と佐田先生は私に教えてくれた。
入院施設の5階奥の個室の前に、私は案内された。
「こちらが遠野弥生さんの部屋です。私も同伴して大丈夫かしら」
「あ、ありがとうございます。はい、お願いします!」
佐田先生は元気な子ねと私を見つめそう言った。
受付で渡されたカードをドアの前の機械にあてると、ピッと音がした後に部屋のドアが開いた。部屋は広く、奥のベッドに人影が見えた。
ゆっくりとベッドに近づいたがその人影は動く気配がなかった。寝ているのだろうか……。
「弥生さんはもう50~60年くらい寝ているらしいわ」
えっ……と振り向くと、佐田先生は少し悲しそうな顔だった。
「弥生さんは、延命治療を受けた患者の1人でね……今では禁止されているけれど29歳の時に治療を受けたの。」
その結果眠ったままになってしまったと前に入院していた病院から聞いていると、佐田先生は教えてくれた。
太陽にかかっていた雲が流れ、室内に光が差し込む。そこで寝ていた祖母は私にとても似ていた。まるで生き写しだと私自身が思うほどに。
「私、あなたを見るのはこの病院が初めてではないの。街中で見かけたことがあって、とても驚いたわ。目覚めたのかと思って、確認するように連絡を入れるほどにね」
「そうだったんですか……」
ふと、旅人さんとしりとりをした日を思い出した。あの視線は佐田先生だったのか。
「祖母は、29歳の時に延命治療を受けたから見た目が老いていないんでしょうか?」
「治療との関係性は、まだよく分からないの。答えられなくてごめんなさいね」
そう言う佐田先生に私は気にしないで欲しい旨を伝えた。
祖母の部屋から出る際にまた来ても良いかと聞くと、いつでもと佐田先生は優しい顔で答えてくれた。
帰りの電車の中に揺られながら、私は嬉しい気持ちと悲しい気持ちがごちゃ混ぜになっていた。たとえ、私のことを知らなくても祖母が生きていたことは本当にうれしい。その反面、いつ起きるのか私が生きている間に目を開けるのか分からない状態であるということは悲しさを感じた。
私はつけていたペンダントの写真を見る。若いころの祖母の写真だが、今日見た祖母と見た目はあまり変わらないものだった。
「また明日会いに行くね、おばあちゃん……」
私ギュッとペンダントを握りしめた。カタカタと揺れる電車に私以外の乗客はまだいない。誰にも知られないよう、そっと涙を流した。
シューという音で電車の扉が開く。寮までの帰り道を私は笑顔で歩いた。もう私は1人ではない、その事実が私に元気をくれた。
窓の外は、天気が変わり今では雨がザーザーと降っている。きっと外は湿気でジメジメとしているのだろう。寮内は空調設備のおかげで、全館全室この時期は冷房により適度な室温に保たれている。
それから2,3時間ほど課題を進め、ふぅと息を吐き身体を伸ばす。窓の外を見ると雨が止んでいた。
そういえば……と私は部屋を出て、1階にある自分の名前が入ったポストに向かった。ポストの中には1通の封筒が入っており、その封筒には赤いインクで中身の確認を促す文字が印字されていた。
前々から学校に言われ、連絡を出していた機関から送付された封筒の中身を確認する。文書には、私の両親はすでに他界しており親族はその両親と縁を切った状態だということが簡単に記載されていた。
そして、両親の母方の母にあたる人物……つまり祖母は現在入院中となっていた。入院先の病院はこの町の山の上にある総合病院だった。
旅人さんと行った遊戯施設のエレベーターから見た景色を思い出し、ここから少し離れている病院の位置を地図で確認する。連絡先も載っていたので、タブレットにメモとして保存をした。
「私のおばあちゃん、生きてた。会いたい。」
生前の母から渡された祖母の若いころの写真が入ったペンダントを握りしめ、文書に向かって呟いた。
その日の夕方、病院の連絡対応時間に私は連絡を入れた。文書に描かれていた自分の個別番号と機関の個別番号、そして何かのアルファベットと数字が混ざった番号を病院の担当者に伝える。カチカチと機会音が聞こえ、病院長に連絡が繋がった。
「この病院の院長をしている佐田です。ご連絡内容確認させて頂きました。遠野弥生さんのお孫さんにあたる方ですね。弥生さんに面会されますか?」
何故病院長が対応しているのだろうと不思議に思ったが、私はそれよりも祖母に会ってみたい一心ですぐにでも面会したい旨を伝えた。
「そうですね。明日午後2時はいかがでしょうか。受付に遠野弥生の名前を伝えてください。私がご案内しますので」
「はい、ありがとうございます。明日伺います」
私は通話終了のボタンを押し、鼓動が早くなっている胸に手をあてた。自分と血がつながっている人に会えると喜びで胸がいっぱいになる。溢れてきそうになる涙を必死にこらえる。会えるまでは泣かない……そんな気持ちだった。
電車はカタカタと揺れながら、目的地へと進んでいく。流れる景色、人の息遣い、少し寒いくらいの冷気……その全てに胸が高鳴る。
入院しているという祖母の見た目はどのくらいなのだろうか、今も生きているということは延命治療をしているはずだ、入院ということは体調が悪いのだろうか……色々な考えが頭に浮かぶ。しかし、その考えよりも祖母が存在し会えるという喜びの方が勝っていた。
電車は終点である目的の駅に着いた。ここから病院までは歩いて数分である。走り出したい気持ちを抑え、目の前に見える病院に向かってゆっくり歩いた。
病院内はクラシックな音楽が静かに流れている。受付に向かい遠野弥生の名前を伝える。椅子に座り数分待っていると白衣を着た1人の女性が現れた。見た目は50歳くらいだろうか。
「遠野弥生さんのお孫さんですね。病院長の佐田です。それでは、弥生さんの部屋に案内しますね」
「は、はい! よろしくお願いします」
私は頭を下げ佐田先生の隣を歩いた。佐田先生は私の顔をじっと見つめ何か言いたげだったが、口には出さずニコリと笑った。
部屋に着くまでの間に、祖母も親族と縁を切った状態であること、お見舞いには今までに誰も来ていないこと、今は転院してきてこの病院にいることなど色々と佐田先生は私に教えてくれた。
入院施設の5階奥の個室の前に、私は案内された。
「こちらが遠野弥生さんの部屋です。私も同伴して大丈夫かしら」
「あ、ありがとうございます。はい、お願いします!」
佐田先生は元気な子ねと私を見つめそう言った。
受付で渡されたカードをドアの前の機械にあてると、ピッと音がした後に部屋のドアが開いた。部屋は広く、奥のベッドに人影が見えた。
ゆっくりとベッドに近づいたがその人影は動く気配がなかった。寝ているのだろうか……。
「弥生さんはもう50~60年くらい寝ているらしいわ」
えっ……と振り向くと、佐田先生は少し悲しそうな顔だった。
「弥生さんは、延命治療を受けた患者の1人でね……今では禁止されているけれど29歳の時に治療を受けたの。」
その結果眠ったままになってしまったと前に入院していた病院から聞いていると、佐田先生は教えてくれた。
太陽にかかっていた雲が流れ、室内に光が差し込む。そこで寝ていた祖母は私にとても似ていた。まるで生き写しだと私自身が思うほどに。
「私、あなたを見るのはこの病院が初めてではないの。街中で見かけたことがあって、とても驚いたわ。目覚めたのかと思って、確認するように連絡を入れるほどにね」
「そうだったんですか……」
ふと、旅人さんとしりとりをした日を思い出した。あの視線は佐田先生だったのか。
「祖母は、29歳の時に延命治療を受けたから見た目が老いていないんでしょうか?」
「治療との関係性は、まだよく分からないの。答えられなくてごめんなさいね」
そう言う佐田先生に私は気にしないで欲しい旨を伝えた。
祖母の部屋から出る際にまた来ても良いかと聞くと、いつでもと佐田先生は優しい顔で答えてくれた。
帰りの電車の中に揺られながら、私は嬉しい気持ちと悲しい気持ちがごちゃ混ぜになっていた。たとえ、私のことを知らなくても祖母が生きていたことは本当にうれしい。その反面、いつ起きるのか私が生きている間に目を開けるのか分からない状態であるということは悲しさを感じた。
私はつけていたペンダントの写真を見る。若いころの祖母の写真だが、今日見た祖母と見た目はあまり変わらないものだった。
「また明日会いに行くね、おばあちゃん……」
私ギュッとペンダントを握りしめた。カタカタと揺れる電車に私以外の乗客はまだいない。誰にも知られないよう、そっと涙を流した。
シューという音で電車の扉が開く。寮までの帰り道を私は笑顔で歩いた。もう私は1人ではない、その事実が私に元気をくれた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
闇に飲まれた謎のメトロノーム
八戸三春
SF
[あらすじ:近未来の荒廃した都市、ノヴァシティ。特殊な能力を持つ人々が存在し、「エレメントホルダー」と呼ばれている。彼らは神のような組織によって管理されているが、組織には闇の部分が存在する。
主人公は記憶を失った少年で、ノヴァシティの片隅で孤独に暮らしていた。ある日、彼は自分の名前を求めて旅に出る。途中で彼は記憶を操作する能力を持つ少女、アリスと出会う。
アリスは「シンフォニア」と呼ばれる組織の一員であり、彼女の任務は特殊な能力を持つ人々を見つけ出し、組織に連れ戻すことだった。彼女は主人公に協力を求め、共に行動することを提案する。
旅の中で、主人公とアリスは組織の闇の部分や謎の指導者に迫る。彼らは他のエレメントホルダーたちと出会い、それぞれの過去や思いを知ることで、彼らの内面や苦悩に触れていく。
彼らは力を合わせて組織に立ち向かい、真実を追求していく。だが、組織との戦いの中で、主人公とアリスは道徳的なジレンマに直面する。正義と犠牲の間で葛藤しながら、彼らは自分たちの信念を貫こうとする。
ノヴァシティの外に広がる未知の領域や他の都市を探索しながら、彼らの旅はさらなる展開を迎える。新たな組織やキャラクターとの出会い、音楽の力や道具・技術の活用が物語に絡んでくる。
主人公とアリスは、組織との最終決戦に挑む。エレメントホルダーたちと共に立ち上がり、自身の運命と存在意義を見つけるために奮闘する。彼らの絆と信じる心が、世界を救う力となる。
キャラクターの掘り下げや世界の探索、道具や技術の紹介、モラルディレンマなどを盛り込んだ、読者を悲しみや感動、熱い展開に引き込む荒廃SF小説となる。]
錬金術師と銀髪の狂戦士
ろんど087
SF
連邦科学局を退所した若き天才科学者タイト。
「錬金術師」の異名をかれが、旅の護衛を依頼した傭兵は可愛らしい銀髪、ナイスバディの少女。
しかし彼女は「銀髪の狂戦士」の異名を持つ腕利きの傭兵……のはずなのだが……。
フォルスマキナの福音
れく
SF
いじめられていた主人公・時風航汰はある日、夜の学校に呼び出され、そこで現実とは思えない光景を見てしまう。近未来の七賀戸町で起こる機械生命体と突然変異種との戦い。
※処女作「幽霊巫女の噂」と同一舞台・近未来設定のお話です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
法術省 特務公安課 ‐第0章‐『法術概論』
秋山武々
SF
ー2045年、誰でも魔法使いになれる日常が訪れるー
※この章は本編へ繋がる補完的物語です。
2020年、大気圏上での二つの隕石の衝突。人類は世界の終末を迎えようとしていたが、衝突した隕石は地球に衝突することなく散開。最小限の災害で事なきを得る。
それ以降、世界各地で火、水、風、地などの自然現象を意図的に発生させることが可能な人間、謂わゆる超常現象と呼ばれていた非科学的且つ説明不可能の現象を創造できる人間が増加していく。
国連は人間が発生させる、もしくはその事象に関連する行為・行動を「法術」と規定し、該当する人間を強制的に保護観察下に置いていくが、人権を求めた者や法術を悪用したテロリストは様々な法術事件を発生させ、国連への反発と批判は高まってしまったことで後に三大法術事件が起きてしまう。
人間の体内に法術に関連する細胞が存在することが発表され、全人類に遺伝子IDの発行と登録の義務化がされたことで各国での法術を利用した犯罪は抑止され鎮静化を迎えた。
2040年以降、世界は法術が日常となりつつあり、今や国の産業となっている。
先進国は法術利用に重点を置いた産業開発、資源開発、軍事開発に国の財を投資するようになっていた。
国内では官公庁に新たに法術省が新設され、以前までの官公庁の業務や事案にですら間接的に関与することが許可され、法術が国家に不可欠なものになっていた。
法術をデジタル化し、素質など関係なく適正さえあれば誰でもダウンロードができ、人生を豊かにできる。
世界では法術ダウンロード可決への賛否が騒がれていた。
人が魔法を使う。そんな話はもはや空想の話ではなくなっている。
しかし、法術犯罪も凶悪化の一途を辿るのだった。
法術省特務公安課の磐城は法術テロの被害者であり、弟を昏睡状態にさせたテロの重要参考人である「ブラックグローブ」を日々追い求めていた。
セルリアン
吉谷新次
SF
銀河連邦軍の上官と拗れたことをキッカケに銀河連邦から離れて、
賞金稼ぎをすることとなったセルリアン・リップルは、
希少な資源を手に入れることに成功する。
しかし、突如として現れたカッツィ団という
魔界から独立を試みる団体によって襲撃を受け、資源の強奪をされたうえ、
賞金稼ぎの相棒を暗殺されてしまう。
人界の銀河連邦と魔界が一触即発となっている時代。
各星団から独立を試みる団体が増える傾向にあり、
無所属の団体や個人が無法地帯で衝突する事件も多発し始めていた。
リップルは強靭な身体と念力を持ち合わせていたため、
生きたままカッツィ団のゴミと一緒に魔界の惑星に捨てられてしまう。
その惑星で出会ったランスという見習い魔術師の少女に助けられ、
次第に会話が弾み、意気投合する。
だが、またしても、
カッツィ団の襲撃とランスの誘拐を目の当たりにしてしまう。
リップルにとってカッツィ団に対する敵対心が強まり、
賞金稼ぎとしてではなく、一個人として、
カッツィ団の頭首ジャンに会いに行くことを決意する。
カッツィ団のいる惑星に侵入するためには、
ブーチという女性操縦士がいる輸送船が必要となり、
彼女を説得することから始まる。
また、その輸送船は、
魔術師から見つからないように隠す迷彩妖術が必要となるため、
妖精の住む惑星で同行ができる妖精を募集する。
加えて、魔界が人界科学の真似事をしている、ということで、
警備システムを弱体化できるハッキング技術の習得者を探すことになる。
リップルは強引な手段を使ってでも、
ランスの救出とカッツィ団の頭首に会うことを目的に行動を起こす。
MMS ~メタル・モンキー・サーガ~
千両文士
SF
エネルギー問題、環境問題、経済格差、疫病、収まらぬ紛争に戦争、少子高齢化・・・人類が直面するありとあらゆる問題を科学の力で解決すべく世界政府が協力して始まった『プロジェクト・エデン』
洋上に建造された大型研究施設人工島『エデン』に招致された若き大天才学者ミクラ・フトウは自身のサポートメカとしてその人格と知能を完全電子化複製した人工知能『ミクラ・ブレイン』を建造。
その迅速で的確な技術開発力と問題解決能力で矢継ぎ早に改善されていく世界で人類はバラ色の未来が確約されていた・・・はずだった。
突如人類に牙を剥き、暴走したミクラ・ブレインによる『人類救済計画』。
その指揮下で人類を滅ぼさんとする軍事戦闘用アンドロイドと直属配下の上位管理者アンドロイド6体を倒すべく人工島エデンに乗り込むのは・・・宿命に導かれた天才学者ミクラ・フトウの愛娘にしてレジスタンス軍特殊エージェント科学者、サン・フトウ博士とその相棒の戦闘用人型アンドロイドのモンキーマンであった!!
機械と人間のSF西遊記、ここに開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる