私の手からこぼれ落ちるもの


5歳の時、お父様が亡くなった。

優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。

でもそれは偽りだった。

お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。

お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。

心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。

私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。

こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…




❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。


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