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妹がいなくなった
夫婦の時間
しおりを挟むフィーナの決意を聞いて、
「フィーナもまだ幼いと思っていたけど、今日のフィーナは立派なレディだったよ」
「そうね」
「まだ子供でいてほしい、それが俺の本音だけどね」
「そうよね。でも、目標を持つ事は悪い事ではないでしょ?」
「それはね。目標がはっきりしていれば振れる事はないしね」
「ね?」
「それでもまだ子供でいてほしい…」
「もう」
私はチャーリーを抱きしめた。
「それでも、俺は嬉しかった」
「うん」
「フィーナがブラウニー家を継いでくれるのが」
「そうね」
「俺は息子だけど、一度勘当されて運良く息子に戻れた出戻りだからね」
「チャーリー」
「当主を継ぐつもりもないし、その資格もない」
「当主やっぱり継ぎたかった?」
「それは本音を言えばね。それでも俺は今の自分が好きだ。それに当主じゃなくても関わる事は出来てるしね」
「そうね。ローズティーもお菓子も売れ行きは好調でしょ?」
「ああ。関わるのを許してくれた父上には感謝してるよ」
「フィーナもまだまだ子供よ?少しづつ教えるって言っても先は長いわ」
「ああ。俺はフィーナに良い形でブラウニー家を渡したい」
「そうね」
「それでもフィーナには感謝しかないよ」
「そうね。私とチャーリーの子に継がせると言っても、それだって継ぐ継がないは子供達が決めて良いんだもの」
「そうだね」
「でも、ハリーも継ぎたいと言ったらどうするの?」
「フィーナが阻止するだろ」
「それもそうね」
「キャメル家は誰が継いでくれるかな?」
「ハリーかこの子か」
「それともこれから宿る子かも知れないね」
「ちょっと、まだこの子産んでもないのよ?」
「それでも誰かはキャメル家を継がないと」
「そうね。小麦を失くす事は出来ないわ」
「ああ」
「それに医学の方も失くす事は出来ないもの」
「ああ」
「でも、アーサー父様もローラ母様も喜んでるわね」
「だろうね。特に母上の方が喜んでそうだよ」
「そりゃあローラ母様にとって薔薇は大切な物だもの。私だって領地で見た一面の薔薇は今でも忘れられないわ。それに幸せな思い出もあるもの」
「ああ、俺もだ」
チャーリーは私に口付けした。
「愛してるエリー」
「私も愛してるわチャーリー」
チャーリーは何度も私に口付けした。
「この子が産まれたらお祖母様に会いに行かないか?」
「行きたい」
「それにフィーナにも領地を見せたい」
「きっと喜ぶわ」
チャーリーは私に口付けした。
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