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憎しみ合う番、この先は…

来世…

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俺はずっと誰かを探している。

左手がずっと誰かを探している。

掴みたい、掴まないとまた一人になる。


また?

誰かって誰だ?


分からない。

けど誰かだ。



幼い頃から騎士を目指し、地方から王都に来た。見習い騎士として、この春から騎士団へ入団する。

騎士団には騎士寮があり、見習い中は相部屋だ。

俺の相部屋は誰とだろう…、仲が良くなればいいけど。


コンコン

「はーい」


俺は部屋へ入った。


無意識に伸ばす左手、

掴まないと!


もう離れるのは嫌だ!

もう離されるのは嫌だ!

もうお前をもう離さない!


頬を伝う涙…

抱きしめ温もりを感じた…

ようやく抱きしめられた…

ようやくお前を…


この手に抱ける…



なあ、…………



誰だ?

お前は誰だ?

俺はずっと誰を探している?

お前の名は?


俺はずっと愛しいお前の名を呼んでいた…




「おーい、急にどうした?知り合いに似てたか? ハハハッ」




お前の笑った顔がずっと好きだった。

お前の笑った顔をずっと見たかった。




「なんだかなー、お前とは初めて会った気がしないよ。懐かしい、いや、愛しい?

ん?男相手に愛しいはないか!許せ! ハハハッ」




お前の笑顔を今度こそ護る。

お前を今度こそ護る。




「俺はクルド、よろしくな」

「俺はレアン、よろしく頼む」



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