上 下
12 / 101
ガネット・フォルンは愛されたい

恋は盲目 貴方を愛した私の罪 1

しおりを挟む

❈ 愛人視点です。

❈ 愛人視点は読みたくない方は読まないで下さい。

❈ 3話続きます。











私は彼を愛してる。

これはいけない恋。

だって彼には奥様がいるから…。

それでも彼を愛してしまったの…。



彼との出会いは私が街で男性に絡まれていた所を助けてもらったの。

騎士の彼にとってみれば日常の事。

でも私にとっては彼がヒーローに見えたわ。私を助けれくれる運命の人だと。


次の日騎士団へ行きお礼を言ったら彼は「どうしよう」と困った顔をしていたの。

きっと彼は助けた事も覚えていない、彼にとっては日常茶飯事だから、例え助けたとしても誰を助けたか、顔なんか覚えていないのだろうと…。

私はそれが一番辛かった…。

だって、

貴方は私の運命の人…。



それから度々貴方を見つめたわ。

だって貴方、私の家の商会へ来るんだもの。貴方は毎度連れている女性は変わるけど一つだけ変わらない事があるの。


左手の薬指の指輪

紫色を贈る相手


貴方はいつも連れてる女性が何か選んでいる時、左手の指輪を親指でずっと撫でてるの。そして必ず紫色の物を探すわ。

それからエメラルドを見つけると、とても愛おしそうに手に取り愛おしそうに見つめるの。


私は貴方の行動をずっと見つめていたわ。貴方の瞳には連れの女性は映ってない。

エメラルドを色に持つ左手の指輪の相手しか貴方には映ってないの。


ねぇ、そんなに愛してる方なら何故女性を連れてるの?

きっと私が貴方を愛しても貴方は私を愛してはくれないのよね?

それでも貴方を愛してしまったの。

貴方の一時でもいい、その一時の愛瀬に私はなれない?

左手の指輪の方を嫉妬したりしない。

左手の指輪の方の場所が欲しいなんて言わない。


だから、
だからどうか、

私にも一時の愛瀬の時を…


だから、
だからどうか、

私にも一時の愛を…


だから、
だからどうか、

私にも与えて欲しいの…。




しおりを挟む
感想 79

あなたにおすすめの小説

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

心は誰を選ぶのか

アズやっこ
恋愛
この国は人と獣人が暮らしている。 それでも人は人と、獣人は獣人と結婚する。 獣人には、今は幻となった『魂の番』が存在する。魂の番にはとても強い強制力がある。誰にも引き離せない固い絆。 出会えば直ぐに分かると言われている。お互いの魂が共鳴し合うらしい。 だから私は獣人が嫌い。 だって、魂の番は同じ種族にしかいないんだもの。 どれだけ私が貴方を好きでも、 どれだけ貴方が私を好きでも、 いつか貴方は魂の番の手を取るの…。 貴方は本能を取る? それとも… ❈ 作者独自の世界観です。 ❈ 作者独自の設定です。

元公爵令嬢、愛を知る

アズやっこ
恋愛
私はラナベル。元公爵令嬢で第一王子の元婚約者だった。 繰り返される断罪、 ようやく修道院で私は楽園を得た。 シスターは俗世と関わりを持てと言う。でも私は俗世なんて興味もない。 私は修道院でこの楽園の中で過ごしたいだけ。 なのに… ❈ 作者独自の世界観です。 ❈ 公爵令嬢の何度も繰り返す断罪の続編です。

ガネット・フォルンは愛されたい

アズやっこ
恋愛
私はガネット・フォルンと申します。 子供も産めない役立たずの私は愛しておりました元旦那様の嫁を他の方へお譲りし、友との約束の為、辺境へ侍女としてやって参りました。 元旦那様と離縁し、傷物になった私が一人で生きていく為には侍女になるしかありませんでした。 それでも時々思うのです。私も愛されたかったと。私だけを愛してくれる男性が現れる事を夢に見るのです。 私も誰かに一途に愛されたかった。 ❈ 旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。の作品のガネットの話です。 ❈ ガネットにも幸せを…と、作者の自己満足作品です。

褒美で授与された私は王太子殿下の元婚約者

アズやっこ
恋愛
私が暮らすエーネ国は長い間隣国と戦続きだった。 長い戦を勝利に導いたのは一人の騎士。近い将来次期王宮軍騎士隊長になるだろうと噂されていた侯爵家次男のリーストファー副隊長。 この度の戦で右足を負傷し杖無しでは歩く事も出来ないと聞いた。 今私の目の前には陛下の前でも膝を折る事が出来ず凛と立っているリーストファー副隊長。 「お主に褒美を授与する。何が良いか申してみよ」 「では王太子殿下の婚約者を私の妻に賜りたく」 え?私? 褒美ならもっと良い物を…、爵位とか領地とか色々あるわよ? 私に褒美の価値なんてないわ。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 作者独自の設定です。

私の手からこぼれ落ちるもの

アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。 優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。 でもそれは偽りだった。 お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。 お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。 心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。 私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。 こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら… ❈ 作者独自の世界観です。 ❈ 作者独自の設定です。 ❈ ざまぁはありません。

二人ともに愛している? ふざけているのですか?

ふまさ
恋愛
「きみに、是非とも紹介したい人がいるんだ」  婚約者のデレクにそう言われ、エセルが連れてこられたのは、王都にある街外れ。  馬車の中。エセルの向かい側に座るデレクと、身なりからして平民であろう女性が、そのデレクの横に座る。 「はじめまして。あたしは、ルイザと申します」 「彼女は、小さいころに父親を亡くしていてね。母親も、つい最近亡くなられたそうなんだ。むろん、暮らしに余裕なんかなくて、カフェだけでなく、夜は酒屋でも働いていて」 「それは……大変ですね」  気の毒だとは思う。だが、エセルはまるで話に入り込めずにいた。デレクはこの女性を自分に紹介して、どうしたいのだろう。そこが解決しなければ、いつまで経っても気持ちが追い付けない。    エセルは意を決し、話を断ち切るように口火を切った。 「あの、デレク。わたしに紹介したい人とは、この方なのですよね?」 「そうだよ」 「どうしてわたしに会わせようと思ったのですか?」  うん。  デレクは、姿勢をぴんと正した。 「ぼくときみは、半年後には王立学園を卒業する。それと同時に、結婚することになっているよね?」 「はい」 「結婚すれば、ぼくときみは一緒に暮らすことになる。そこに、彼女を迎えいれたいと思っているんだ」  エセルは「……え?」と、目をまん丸にした。 「迎えいれる、とは……使用人として雇うということですか?」  違うよ。  デレクは笑った。 「いわゆる、愛人として迎えいれたいと思っているんだ」

処理中です...