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妹がいなくなった

ジェフ ❈ 本編のジェフの話の少し後の頃の話です。

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「ねぇチャーリー」

「ん?」

「ジェフ様、どうしてる?」

「彼には家も用意したし、身の回りの物も用意した。それに働き口だって。後は彼次第だよ?」

「そう、なんだけど…」

「エリーが気にするのは分かるよ?それでも後は彼が努力する事だ」

「そうね…」


 チャーリーが商会へ出掛け、私はグレンに頼み街へ来た。

 ジェフ様は商店街で働いているらしい。それをこっそり見るだけ…。


「エミー」

「何?」

「見たら帰るぞ」

「分かってる」


 物影からこっそり見つめ、


 怒られ頭を下げながら働いてるジェフ様を見つめた。

 時に商店街の人と笑いながら、働いてるジェフ様。


「ごめんなさい」


 私に謝る資格はない。

 それでも、


「ごめんなさい」


 それしか言えない。


 私が彼と向き合っていたら、
 彼との時間を大切にしていたなら、
 もっと彼を見ていたら、


 目の前で笑いながら話しをしているジェフ様はきっと彼の素の姿。


「あんな笑顔で笑うのね」


 それさえも知らなかった。


 彼の顔はいつも怒っていた。
 私と話す声はいつも怒っていた。
 彼の態度はいつも怒っていた。


 サラを見つめる目は優しさがあった。
 サラと話す声は優しさがあった。
 サラにはいつも優しかった。


 彼は人と付き合うのが上手いのだと思う。彼の努力もある。それでも仲良さそうに商店街の人達と話す姿に彼の人の良さが滲み出てる。


 私が彼の人生を壊した。
 私が彼から家族を奪った。


「エミーもう良いだろ?」

「もう少しだけ」

「エミー」

「お願い、もう少しだけだから」


 泣いてはダメ。
 泣く資格はない。

 それでも、

 涙が溢れてくる。


「ごめんなさい」


 私はジェフ様に向かって頭を下げる。


 ジェフ様が困ってる時は直ぐに手を差し伸べる。

 ジェフ様がお兄様と和解したいなら私は土下座してでもお兄様にお願いする。



 だから、


 その笑顔をいつまでも無くさないでいて…


 だから、


 貴方も幸せになって…



 
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