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妹がいなくなった
私の妹、サラ
しおりを挟む「はぁぁ。何か感情移入させて読んじゃったわ~」
「エリー、何を読んでたの?」
「【妹がいなくなった】って言う話なんだけどね、何か私みたいな境遇の女の子の話だったの。だから余計に感情移入しちゃって。アンが幸せになって良かったわ」
「そうなんだ。どんな話なの?」
「主人公のアンがね、家族に虐げられてるの、全てを諦めて生きてる時に、パンを拾って助けるの、あ~話すと何時間もかかっちゃうわ!チャーリーも一度読んでみて?」
「なら一度読んでみるよ。だからって寝ずに読むのは良くないよ?」
「そうね、ごめんなさい。でも、どうしても続きが気になって…。
それにね、【妹がいなくなった】って題名なのに、前半だけで途中から妹なんて出てこないのよ。それが気になっちゃって…」
「そうなんだ」
「あ!もしかしたら、話から妹がいなくなるから【妹がいなくなった】なのかしら。それなら納得だわ!」
「そんな事はないと思うけど…。
さあ、行くよ」
「そうね」
私は今平民街に先日オープンしたミリー商店に来ている。
「お姉様~」
「サラ」
「お姉様も中見ていって!」
「そうね。サラの旦那様が作ったアクセサリーはどれ?」
「これよ!お姉様も一個買って売り上げに貢献してね!」
「そうね、そのつもりよ」
「なら、たくさん買っていって!」
「ふふっ、サラったら。今日は売り上げに貢献するわ。それより貴女も一人の体じゃないのよ?無理はしないでね」
「大丈夫よ!働いてる方が気が紛れるの。それにお客様の相手するの楽しいのよ!」
「それなら良いけど」
「お姉様、これは?」
サラに手を引かれ商品を進められ…。
もうサラは大丈夫ね。こんな活き活きしてるサラは見た事がないわ。それに平民としてきちんと働き生活してる。
ヒロインになりきっていたサラはどこにもいないわ。
今なら、今からなら姉妹として仲良くしていけると思うの。
「お姉様~こっちも見て~。
あ、いらっしゃいませ~、手にとって見て下さいね~」
「ふふっ、どれ?」
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