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「…ジェフ様ね、私の誕生日に髪留めを買ってくれてたの」
「うん」
「私の誕生日を祝おうとしてくれたの」
「うん」
「お父様もお母様もサラも祝ってなんてくれなかった」
「うん」
「それなのにジェフ様は祝おうとしてくれたの」
「うん」
「それなのに」
「うん」
「それなのに私がそんな事って言ったの」
「そうか」
「ジェフ様にしてみればそんな事じゃないわ」
「そうだね」
「始めて自分の色を贈る事が出来る大切な日」
「そうだね」
「それを私はそんな事って言って贈らせなかった」
「そうか」
「あれだけ私だけに贈られる贈り物が欲しいと思ってたのに」
「うん」
「花一輪でも欲しいと思ってたのに」
「うん」
「私に贈ろうと思ってくれたジェフ様の気持ちを踏み躙ったの」
「そうだね」
「ジェフ様はよく会いに来てくれたわ」
「うん」
「サラに会いに来てたのかもしれない」
「うん」
「それでも必ず私に会いに来てた。確かに罵倒もしていったけど、それでも私に会いに来てたの」
「うん」
「それなのに私は仕事ばかりしてた。顔もあげなかった時もあった。ジェフ様を蔑ろにしたのは私の方よ」
「そうだね」
「私の状況や立場なんて知る訳がないもの」
「うん」
「ジェフ様との時間を作らなかったのは私だわ」
「うん」
「あの時は余裕が無かった、確かにそうよ。でもそんなのジェフ様には関係ないもの。婚約者としての関係を築けなかったんじゃない、私がそもそも始めから壊してたの」
「そうだね」
「私は自分の事しか考えてない自分勝手な女なのよ」
「うん」
「自分だけが被害にあってると思ってた勘違い女なのよ」
「うん」
「私は自分しか見てなかった。自分が可愛いかった。自分だけ守ってた」
「うん」
「それなのに全部ジェフ様のせいにして、婚約者としての最低限の努めも果たさない、他に好意を持ったとジェフ様に罪をなすりつけた」
「うん」
「婚約者として最低限の贈り物を贈らせなかったのは私だったのに」
「うん」
「サラに好意を抱いたのも私がジェフ様を婚約者として扱わなかったからだった」
「うん」
「全て私が悪いのに、私の罪なのに、それをジェフ様に被せて罪をなすりつけた。全て私が悪いの」
「そうだね」
「私がジェフ様の人生を壊したの」
「そうだね」
「どう償えばいい?どうしたら許して貰えるの?どうしたらジェフ様を救えるの?」
「どうしたら償えるか、許して貰えるか、救えるか、それは難しいよ」
「どうして?」
「俺だって元婚約者を許せない。俺を救ったのはエリーだ」
「うん」
「俺は彼じゃないから分からないけど」
「うん」
「どうして1回受け取らなかったからだけでそれ以降贈り物を贈らなかったんだ?会いに来て罵倒ではなく労う言葉を何故かけなかった?
それでも彼の気持ちは分かるよ。彼にしてみれば婚約者の誕生日だ、祝ってあげたいと思う。ましてや親が決めた婚約でお互い好意を持ってる訳でもない。それでも自分の色の贈り物を堂々と渡せる日だ。彼はエリーとの婚約を彼なりに頑張ろうと思ってたはずだ。始まりがどうであれ仲良くなりたいと思ってたはずだ。誕生日はそのきっかけでもあった。自分の色の髪留めを贈り、君の笑顔を見たかった。きっと純粋な気持ちだったんだ」
「うん」
「彼にとって「そんな事」って言われた事が、自分との婚約も自分と仲良くする気もエリーには全く無いって思った。彼も成人してない子供だ、その一回、その一言でショックを受けてもおかしくない」
「うん」
「彼にとってエリーに贈り物を贈る事が怖くなったと思う。それこそ花一輪も贈れない程に。エリーとの婚約を、婚約してからの事を胸に抱いていた分だけエリーを憎むしかなかったんだ」
「うん」
「彼はそれだけ深く傷ついた」
「うん」
「彼を責める事は出来ない」
「当たり前よ」
「それでも彼がもう少し大人だったら違ってたと思う」
「そんな事、」
「そうだね、彼はまだ子供だった。婚約に夢を見る子供だった。一言で傷付く子供だったんだ。
エリーもまた子供だった。彼の言葉を冷静に聞けない程余裕が無い子供だったんだ」
「うん」
「もし今なら、エリーが例え仕事をしていても彼が誕生日を祝いたいと言えばその言葉を聞ける。会いに来たなら少し手を止めて時間を作る事が出来る」
「うん」
「心に余裕が出来たから、そうだろう。仕事が慣れたから、そうだろう。それでもそれは今だからだ」
「うん」
「エリーに罪がない訳じゃない。婚約者を蔑ろにした」
「うん」
「それでも君の父親が仕事をしていたら君は子供らしく婚約者との時間を作り婚約者との関係を築けた。
君に罪がない訳じゃない、それでも君が罰を受ける必要もない」
「でも、」
「それに彼に罪が全くない訳ではない。いくら心が傷付いたからと言って罵倒を繰り返すのは罪だよ?」
「それでも」
「距離を置けば良かった。わざわざ会いに来て罵倒するくらいなら会わなければいい。他に好意を抱く理由も分かる」
「うん」
「何故君の妹に好意を抱いた?優しくされたから?それでも君の妹に好意を持たなくても良かったじゃないか。彼は君を傷付ける為に妹を利用した。それは罪だよ?」
「………」
「君が罪を償いたいと思うならそうすれば良い。俺も一緒に償うよ。
救いたいと思うなら救えば良い。俺も一緒に考えるよ。
エリー、俺は君の婚約者だ」
「うん」
「一緒に考えよう、一緒に傷付こう、一緒に償おう。エリーと一緒にやれるのは婚約者の俺だけだよ?」
「うん、ごめんなさい」
「うん」
「私の誕生日を祝おうとしてくれたの」
「うん」
「お父様もお母様もサラも祝ってなんてくれなかった」
「うん」
「それなのにジェフ様は祝おうとしてくれたの」
「うん」
「それなのに」
「うん」
「それなのに私がそんな事って言ったの」
「そうか」
「ジェフ様にしてみればそんな事じゃないわ」
「そうだね」
「始めて自分の色を贈る事が出来る大切な日」
「そうだね」
「それを私はそんな事って言って贈らせなかった」
「そうか」
「あれだけ私だけに贈られる贈り物が欲しいと思ってたのに」
「うん」
「花一輪でも欲しいと思ってたのに」
「うん」
「私に贈ろうと思ってくれたジェフ様の気持ちを踏み躙ったの」
「そうだね」
「ジェフ様はよく会いに来てくれたわ」
「うん」
「サラに会いに来てたのかもしれない」
「うん」
「それでも必ず私に会いに来てた。確かに罵倒もしていったけど、それでも私に会いに来てたの」
「うん」
「それなのに私は仕事ばかりしてた。顔もあげなかった時もあった。ジェフ様を蔑ろにしたのは私の方よ」
「そうだね」
「私の状況や立場なんて知る訳がないもの」
「うん」
「ジェフ様との時間を作らなかったのは私だわ」
「うん」
「あの時は余裕が無かった、確かにそうよ。でもそんなのジェフ様には関係ないもの。婚約者としての関係を築けなかったんじゃない、私がそもそも始めから壊してたの」
「そうだね」
「私は自分の事しか考えてない自分勝手な女なのよ」
「うん」
「自分だけが被害にあってると思ってた勘違い女なのよ」
「うん」
「私は自分しか見てなかった。自分が可愛いかった。自分だけ守ってた」
「うん」
「それなのに全部ジェフ様のせいにして、婚約者としての最低限の努めも果たさない、他に好意を持ったとジェフ様に罪をなすりつけた」
「うん」
「婚約者として最低限の贈り物を贈らせなかったのは私だったのに」
「うん」
「サラに好意を抱いたのも私がジェフ様を婚約者として扱わなかったからだった」
「うん」
「全て私が悪いのに、私の罪なのに、それをジェフ様に被せて罪をなすりつけた。全て私が悪いの」
「そうだね」
「私がジェフ様の人生を壊したの」
「そうだね」
「どう償えばいい?どうしたら許して貰えるの?どうしたらジェフ様を救えるの?」
「どうしたら償えるか、許して貰えるか、救えるか、それは難しいよ」
「どうして?」
「俺だって元婚約者を許せない。俺を救ったのはエリーだ」
「うん」
「俺は彼じゃないから分からないけど」
「うん」
「どうして1回受け取らなかったからだけでそれ以降贈り物を贈らなかったんだ?会いに来て罵倒ではなく労う言葉を何故かけなかった?
それでも彼の気持ちは分かるよ。彼にしてみれば婚約者の誕生日だ、祝ってあげたいと思う。ましてや親が決めた婚約でお互い好意を持ってる訳でもない。それでも自分の色の贈り物を堂々と渡せる日だ。彼はエリーとの婚約を彼なりに頑張ろうと思ってたはずだ。始まりがどうであれ仲良くなりたいと思ってたはずだ。誕生日はそのきっかけでもあった。自分の色の髪留めを贈り、君の笑顔を見たかった。きっと純粋な気持ちだったんだ」
「うん」
「彼にとって「そんな事」って言われた事が、自分との婚約も自分と仲良くする気もエリーには全く無いって思った。彼も成人してない子供だ、その一回、その一言でショックを受けてもおかしくない」
「うん」
「彼にとってエリーに贈り物を贈る事が怖くなったと思う。それこそ花一輪も贈れない程に。エリーとの婚約を、婚約してからの事を胸に抱いていた分だけエリーを憎むしかなかったんだ」
「うん」
「彼はそれだけ深く傷ついた」
「うん」
「彼を責める事は出来ない」
「当たり前よ」
「それでも彼がもう少し大人だったら違ってたと思う」
「そんな事、」
「そうだね、彼はまだ子供だった。婚約に夢を見る子供だった。一言で傷付く子供だったんだ。
エリーもまた子供だった。彼の言葉を冷静に聞けない程余裕が無い子供だったんだ」
「うん」
「もし今なら、エリーが例え仕事をしていても彼が誕生日を祝いたいと言えばその言葉を聞ける。会いに来たなら少し手を止めて時間を作る事が出来る」
「うん」
「心に余裕が出来たから、そうだろう。仕事が慣れたから、そうだろう。それでもそれは今だからだ」
「うん」
「エリーに罪がない訳じゃない。婚約者を蔑ろにした」
「うん」
「それでも君の父親が仕事をしていたら君は子供らしく婚約者との時間を作り婚約者との関係を築けた。
君に罪がない訳じゃない、それでも君が罰を受ける必要もない」
「でも、」
「それに彼に罪が全くない訳ではない。いくら心が傷付いたからと言って罵倒を繰り返すのは罪だよ?」
「それでも」
「距離を置けば良かった。わざわざ会いに来て罵倒するくらいなら会わなければいい。他に好意を抱く理由も分かる」
「うん」
「何故君の妹に好意を抱いた?優しくされたから?それでも君の妹に好意を持たなくても良かったじゃないか。彼は君を傷付ける為に妹を利用した。それは罪だよ?」
「………」
「君が罪を償いたいと思うならそうすれば良い。俺も一緒に償うよ。
救いたいと思うなら救えば良い。俺も一緒に考えるよ。
エリー、俺は君の婚約者だ」
「うん」
「一緒に考えよう、一緒に傷付こう、一緒に償おう。エリーと一緒にやれるのは婚約者の俺だけだよ?」
「うん、ごめんなさい」
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