妹がいなくなった

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「そうだろ？勘当され浮浪者になった。国外追放され、商会の代表になり孤児院の子達と触れ合う事で孤児院の子達の現状を知る事が出来た」

「まあ、そうですが」

「それ等はチャーリーの心の一部になり、宰相としての器が完全になった」

「そうでしょうか。私よりも宰相に相応しい者が居ると思いますが」

「ふっ、おらんな」

「え？」

「今の宰相でも不完全だ」

「え？」

「チャーリーの父が悪いのではないぞ？」

「はい」

「宰相も賢い、それに器もありそれに値する」

「はい」

「だがな、弱き者は女性や子供、虐げられてる者だと思ってる。だが、それも間違いではない。女性や子供は護るべき者達だ。それに虐げられてる者も護るべき者達だ」

「はい」

「儂はな、虐げる者は許せん。それにだ手を必要としてる者を見過ごす事も出来ん」

「はい」

「だがな、陛下が成すべき事を儂がする訳にはいかないのだ。儂は陛下の臣下だ。陛下に反逆する行為は出来ん」

「はい。私もです」

「商会の経営者なら孤児院の立ち入りを大目に見てもだ、貴族が表立って行えば陛下を愚王を言ってるのと同じ事だ」

「はい。孤児院は国が管理する院です」

「そうだ。国が管理するという事は陛下が管理してると同じ事」

「そうですね」

「孤児院にようやく手を差し伸べれる様になって儂は肩の荷が降りた」

「はい」

「だかな、今は良い、陛下の命もある。だがな、継続しなければ意味はない」

「はい」

「儂ももう若くない。若い者に託すならチャーリーに託したい」

「勿体ないお言葉です」

「チャーリーが宰相になり自ら進んで事にあたれば良い」

「そんな事出来ますか？」

「今の陛下が陛下の内に宰相の采配にすれば良いだけだ」

「ですが」

「今から始める孤児院の子達への支援成功させるぞ。そしてそれを手土産に時期宰相として返り咲け。儂がチャーリーの後見人になる」

「え？」

「儂がチャーリーを宰相にする、良いな」

「あ、あの、」

「ふふっ、チャーリー、諦めたら？お祖父様はすると言ったらする人よ？」

「え？」

「１０歳の私にキャメル侯爵家の全てを教えると言って本当に教えてきたんだもの。それに、お祖父様の教えは厳しいわよ？」

「え？」

「頑張って。私も応援するわ」

「でも、俺はエリーの手伝いをしたい」

「家には立派な執事が居るわ」

「でも、ジムさんだって、こういったら失礼だけど、お年を召してるだろ？」

「そうね。でもジムの息子は今、お祖父様の所に居るのよ？」

「そうだけど」

「お祖父様が遊ばせてると思う？」

「まさか」

「厳しく鍛えられてるわ、きっとね」

「でも、」

「ジムも息子を厳しく鍛えるわ。私もジムに鍛えられたもの。ジムの跡を継ぐに相応しくなるまではジムは引退しないわ。引退した時は息子を認めた時よ？それならチャーリーの代わりが務まるわ」

「俺にはミリー商会だってある」

「チャーリー、ミリー商会はブラウニー侯爵家所有になったじゃない。チャーリーが宰相になっても変わらないわ」

「俺はエリーの性を名乗るんだよ？ブラウニー侯爵家とは関係なくなる」

「それだって、私達の子が跡を継ぐんでしょ？チャーリーは後見人としてブラウニー侯爵家も継げば良いじゃない」

「そんなの俺には無理だ。キャメル侯爵家、ブラウニー侯爵家、ミリー商会、それに宰相？無理だ」

「キャメル侯爵家は私がこれからも継いでいくわ。ミリー商会はチャーリーの跡を継げる子がいるでしょ？それに、ブラウニー侯爵家は今も執事が殆どやってるじゃない。決済とかはアーサー父様もやってるわ、宰相をしながらね。ならチャーリーだって出来るでしょ？」

「いやいや、無理だよ」

「もう！宰相の器はあるじゃない。宰相は賢いだけでは駄目なのは自分が良く分かってるはずよ？」

「そうだけど…」

「チャーリーがミリー商会を広めたのは時期宰相として培ってきた全ての事が役にたったからじゃないの？」

「確かにそれもあるとは思うけど、それだけじゃない」

「そうね、皆の協力もあったからだわ」

「そうだ。俺だけの力じゃない」

「その皆の力は私やお祖父様、アーサー父様、キティ姉様の旦那様も協力してくれるわ。同じ事よ？商会か国かに変わるだけよ？」

「大きな違いだ」

「違い？チャーリーの力量なら些細な事に過ぎないわ」

「そんな事はない」

「ねぇチャーリー、私はチャーリーの時期宰相としての力が勿体ないって思ったの。そしてさっきお祖父様が言った様に弱き者が何かを貴方は分かってる。お祖父様が言う様に、宰相になるべき人なのよ。宰相は国で二番目に偉い人だわ、貴方は宰相になるべきよ。そして孤児院の子達の未来を救えるのは貴方しか居ないわ」

「宰相としてやっていけるかな？」

「当たり前でしょ。貴方以外適任なんて居ないわ」

「エリーはそれでも結婚してくれる？」

「うん。チャーリーを癒やすのが私の役目よ？」

「分かった。とりあえず今回を成功させてからだ」

「ふふっ、お祖父様が成功させるって言ったら成功するわ。お祖父様は有言実行する人なの」

「本当に尊敬するよ」

「私もよ」