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「あんた達に教えてやるよ。
子は神から与えられた贈り物だ。宿った子の命はとても神聖な命で、神が与えた命だ。
あんた達は神が与えた神聖な命と言う贈り物を虐げ蔑ろにしたんだ。罰が下るのも当たり前だ。 神は平等に人を裁く。清い心を持てば幸福を届ける。醜い心を持てば不幸を届ける。
あんた達は己で、己の意思で神に喧嘩を売った。今のあんた達の状況はその結果だ」
「なっ」
「あんた達は自分の保身を護る為に、立派な人間だと、立派な親だと周りから認めて貰う為に、我が子を犠牲にした。エミリーヌを非道な子にして、サラフィスには惜しみない愛情を注いで。
だけど一つだけ計算が狂った。非道な子としてエミリーヌを仕立て上げたはずだったのに、エミリーヌは時期当主として当主の代わりにキャメル侯爵家を立て直した。あんた達みたいに馬鹿な貴族は殆どいない。エミリーヌは非道な子ではなく、当主の代わりにやらされてる親に虐げられてる子だと言われる様になった。
あんた達が派手に使うお金を稼ぎ、出来損ないの当主の代わりにまだ学園にも通ってない少女がキャメル侯爵家を切り盛りしている。賢い子だから目の敵にされているのではないかと心配する者もいた。
あんた達は派手にやり過ぎた。何の得にもならない壺や絵画を集め、ドレスや宝石で着飾り、社交に足繁く通った。連れて歩くのは妹の方だけ、姉は一切邸から出さなかった。
あんた達は貴族に何て呼ばれているのか知ってるか? 娘に自分の代わりをさせ、何の得にもならない目利きだけを持った残念侯爵、それに同じ娘でも妹しか愛さない母親。 非道な子と言っていた娘に非道な事をしているのはどちらだと。 庇護下で護るべき子を邸に閉じ込め、自分達が使うお金を稼がせ、親の義務も果たさず子を蔑ろにして虐げてると。
貴族は知っている、見ている。どちらが極悪非道な者か。あんた達を助ける者はいない。あんた達に手を差し伸べる者などいない。
あんた達を見捨てず助けてきたのは、あんた達が蔑ろにして虐げてきたエミリーヌだけだった」
「なら今回も見捨てないはずだ。エミリーヌは私達を捨てない」
「いや、俺が捨てさせる。あんた達を俺がエミリーヌに捨てさせる。 あんた達はエミリーヌを己の意思で捨てたんだ。今更虫のいい話が通る訳がない」
「お前には関係ない」
「関係ある。俺はエミリーヌの婚約者だ。それに今迄あんた達からエミリーヌを護ってきたグレンさんから譲り受けた。あんた達からエミリーヌをエミリーヌの心を護ると、そして傷ついたエミリーヌを癒やすと。
俺がエミリーヌにあんた達を捨てさせて、エミリーヌが傷ついたなら俺が、俺の愛情でエミリーヌの傷を治す。側で寄り添いエミリーヌを優しく包む。俺の愛する女性を、俺の愛しい女性を、俺の慈しむ女性を長年に渡り虐げたあんた達を俺は一生許さない」
「何だと」
「あんた達みたいな親なら居ない方がましだ。自分を護る事しか考えてない、己可愛さに誰を傷つけようと構わない、我が子を平気で傷つける親なんて必要ない。
愛情は俺が惜しみなく注ぐ。それに親の愛情は俺の父上と母上が惜しみなく注いでいる。 さっきも言ったが、親の愛情は産んだ産まないじゃない。接する事で情が生まれ愛情になる。俺の父上と母上はエミリーヌを愛しい娘だと言い、見返りを求めない愛を注いでいる。
あんた達みたいに、エミリーヌから全て奪うのではなく、惜しみなく与えるのが親だ」
「生意気な、」
「生意気で結構。俺は愛するエミリーヌを護る為なら悪にもなれる」
「ふん、宰相の息子ならお前だって快楽に溺れた奴じゃないか」
「そうだ。俺は快楽に溺れて結果、地獄を見た。だけどな、俺は自分の力で地獄から這い上がってきた。だからこうしてまた貴族として認められた。
あんたも悔しかったら自分の力で這い上がってこればいい」
「ふん。お前じゃ話にならない。エミリーヌと話をさせろ」
「嫌です」
「何だと。私はエミリーヌの父親だ」
「だから何です」
「父親が娘と話をさせろと言っている」
「勝手のいい時だけ父親面ですか。貴方はエミリーヌを自分の子ではないと、娘ではないと言いました」
「エミリーヌは私の娘だ」
「ならどうしてエミリーヌが産まれた時に娘だと認めなかったのですか」
「それは…」
「自分を護る為に娘のエミリーヌを犠牲にして、蔑ろにし虐げた者に父親と言う資格はありません」
「自分の娘に何をしようと関係ない」
「エミリーヌは貴方の思い通りに動く道具じゃない。心を持った人です。例え貴方の娘であってもエミリーヌはエミリーヌという一個人です」
「娘を蔑ろにした訳ではない。虐げた訳ではない。私は躾をしただけだ」
「躾?貴方がした事は躾ではない、虐待だ。
人を人として扱わず、自分を護る為だけに作り上げた人形にしただけだ。心を持たぬ様に赤子の時から言葉で態度でエミリーヌを縛りつけ、貴方は自分自身だけ護れればそれで良かった」
子は神から与えられた贈り物だ。宿った子の命はとても神聖な命で、神が与えた命だ。
あんた達は神が与えた神聖な命と言う贈り物を虐げ蔑ろにしたんだ。罰が下るのも当たり前だ。 神は平等に人を裁く。清い心を持てば幸福を届ける。醜い心を持てば不幸を届ける。
あんた達は己で、己の意思で神に喧嘩を売った。今のあんた達の状況はその結果だ」
「なっ」
「あんた達は自分の保身を護る為に、立派な人間だと、立派な親だと周りから認めて貰う為に、我が子を犠牲にした。エミリーヌを非道な子にして、サラフィスには惜しみない愛情を注いで。
だけど一つだけ計算が狂った。非道な子としてエミリーヌを仕立て上げたはずだったのに、エミリーヌは時期当主として当主の代わりにキャメル侯爵家を立て直した。あんた達みたいに馬鹿な貴族は殆どいない。エミリーヌは非道な子ではなく、当主の代わりにやらされてる親に虐げられてる子だと言われる様になった。
あんた達が派手に使うお金を稼ぎ、出来損ないの当主の代わりにまだ学園にも通ってない少女がキャメル侯爵家を切り盛りしている。賢い子だから目の敵にされているのではないかと心配する者もいた。
あんた達は派手にやり過ぎた。何の得にもならない壺や絵画を集め、ドレスや宝石で着飾り、社交に足繁く通った。連れて歩くのは妹の方だけ、姉は一切邸から出さなかった。
あんた達は貴族に何て呼ばれているのか知ってるか? 娘に自分の代わりをさせ、何の得にもならない目利きだけを持った残念侯爵、それに同じ娘でも妹しか愛さない母親。 非道な子と言っていた娘に非道な事をしているのはどちらだと。 庇護下で護るべき子を邸に閉じ込め、自分達が使うお金を稼がせ、親の義務も果たさず子を蔑ろにして虐げてると。
貴族は知っている、見ている。どちらが極悪非道な者か。あんた達を助ける者はいない。あんた達に手を差し伸べる者などいない。
あんた達を見捨てず助けてきたのは、あんた達が蔑ろにして虐げてきたエミリーヌだけだった」
「なら今回も見捨てないはずだ。エミリーヌは私達を捨てない」
「いや、俺が捨てさせる。あんた達を俺がエミリーヌに捨てさせる。 あんた達はエミリーヌを己の意思で捨てたんだ。今更虫のいい話が通る訳がない」
「お前には関係ない」
「関係ある。俺はエミリーヌの婚約者だ。それに今迄あんた達からエミリーヌを護ってきたグレンさんから譲り受けた。あんた達からエミリーヌをエミリーヌの心を護ると、そして傷ついたエミリーヌを癒やすと。
俺がエミリーヌにあんた達を捨てさせて、エミリーヌが傷ついたなら俺が、俺の愛情でエミリーヌの傷を治す。側で寄り添いエミリーヌを優しく包む。俺の愛する女性を、俺の愛しい女性を、俺の慈しむ女性を長年に渡り虐げたあんた達を俺は一生許さない」
「何だと」
「あんた達みたいな親なら居ない方がましだ。自分を護る事しか考えてない、己可愛さに誰を傷つけようと構わない、我が子を平気で傷つける親なんて必要ない。
愛情は俺が惜しみなく注ぐ。それに親の愛情は俺の父上と母上が惜しみなく注いでいる。 さっきも言ったが、親の愛情は産んだ産まないじゃない。接する事で情が生まれ愛情になる。俺の父上と母上はエミリーヌを愛しい娘だと言い、見返りを求めない愛を注いでいる。
あんた達みたいに、エミリーヌから全て奪うのではなく、惜しみなく与えるのが親だ」
「生意気な、」
「生意気で結構。俺は愛するエミリーヌを護る為なら悪にもなれる」
「ふん、宰相の息子ならお前だって快楽に溺れた奴じゃないか」
「そうだ。俺は快楽に溺れて結果、地獄を見た。だけどな、俺は自分の力で地獄から這い上がってきた。だからこうしてまた貴族として認められた。
あんたも悔しかったら自分の力で這い上がってこればいい」
「ふん。お前じゃ話にならない。エミリーヌと話をさせろ」
「嫌です」
「何だと。私はエミリーヌの父親だ」
「だから何です」
「父親が娘と話をさせろと言っている」
「勝手のいい時だけ父親面ですか。貴方はエミリーヌを自分の子ではないと、娘ではないと言いました」
「エミリーヌは私の娘だ」
「ならどうしてエミリーヌが産まれた時に娘だと認めなかったのですか」
「それは…」
「自分を護る為に娘のエミリーヌを犠牲にして、蔑ろにし虐げた者に父親と言う資格はありません」
「自分の娘に何をしようと関係ない」
「エミリーヌは貴方の思い通りに動く道具じゃない。心を持った人です。例え貴方の娘であってもエミリーヌはエミリーヌという一個人です」
「娘を蔑ろにした訳ではない。虐げた訳ではない。私は躾をしただけだ」
「躾?貴方がした事は躾ではない、虐待だ。
人を人として扱わず、自分を護る為だけに作り上げた人形にしただけだ。心を持たぬ様に赤子の時から言葉で態度でエミリーヌを縛りつけ、貴方は自分自身だけ護れればそれで良かった」
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