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「ではセシムだったな、お主の罪を裁こう」
「はあ~? どうして俺が陛下に裁かれなければいけねえんだ。ただ騙しただけだ」
「確かにお主は貴族ではない。だがな、お主は私の民だ。身分を偽り騙した事は罪だ、分かるな?」
「身分なんて皆偽るだろ。俺だけじゃねえ」
「偽った身分が罪なのだ。隣国とはいえ王族の身分と偽った事が罪なのだ。お主が大公の息子と偽った事が大公が知ればお主は処刑される。そしてこの国は攻め入られ戦が始まる。戦が始まれば犠牲になる者がお主の友かも知れぬ。
お主はエステルを騙す為に大公の息子だと、愛人の子で隠し子だと身分を偽っただけかも知れぬが、お主が偽った為に、大公が愛する奥方以外の女性に現を抜かし不貞したと言ったも同じ事。奥方を愛する大公が怒り狂いお主を捜し出すかも知れぬ。その時、女性を騙す為に身分を使っただけだと言って許して貰えるとでも思っておるのか。
お主だけ処刑されれば済む話では無いのだぞ。お主の話を知っていた者達も同様に処刑される。噂話を消し去るには犠牲が付き物だ。噂話をしただけでも処刑の対象になる。そして見せしめの処刑でようやく皆口を閉ざすのだ。そこまでしなくては噂話は払拭せぬのだ。
お主は私の民だ。私も責任は取らされる。処刑だ。私はこの国の王だ、民が他国の王族に犯した罪の責任で私の首一つで済めば良いが、王妃、息子の王太子、第二王子、そして王太子妃や第二王子の婚約者、王太子の子まで同様に処刑されるかも知れぬ。我等王族が処刑されれば、この国は隣国の属国になる。貴族や平民が今迄と同じ様に暮らせれると思うか?
出来ぬ。属国の民にどれだけの支援が貰えると思う。貴族はまだ良い。隣国の王にとってもこの国の維持が出来る貴族は手の内に置いても使えるしな。貴族の自領の民もだ。今よりも厳しい暮らしにはなるがまだ使える者だ。なら使えぬ者は誰だと思う。読み書きも出来ない、働き口も無い孤児院の子達やお主の様な孤児院育ちの者達、そして王都に住む平民だ。女性は娼館に売られるだろう。子供は人身売買され嗜虐者の玩具にされるだろう。お主のような男性は奴隷の様に死ぬまで厳しい環境下で働かされるか、他国へ売られ医学の発展の為の実験体として過ごす事になる。
そしてお主はこの国の民皆に、敵意と悪意を向けられ外を歩く事は出来ぬ。家の中に居ても罵声を吐かれ石を投げられるだろう。お主の友もだ。お主の友と言うだけで同罪だ。お主が育った孤児院もだ、同罪だ。それ程お主の犯した罪は重いのだ」
「俺は平民だ。誰も平民の、それも孤児院育ちの者の話を信じる訳がねえ」
「お主が孤児院育ちの平民だろうが、誰が話を信じるかではないのだ。大公の息子と身分を偽った事実、偽りと分かった上で話した事だ。それが罪なのだ。お主はエステルの腹の子をどうするつもりだ」
「エステルの父親に俺は養って貰う」
「それは出来ぬ」
「何故だ」
「お主は罪を償わなければならぬ」
「それなら腹の子は知らねえな。俺には邪魔なだけだ。どうせ鉱山で働かされるんだろ?それなのに子まで面倒見れるか」
「分かった。お主は他国の王族の身分を勝手に偽り騙した、よって鉱山送りに処す。お主は監視下の元で生きる事となる。鉱山で罪の話を誰かにした時はお主の命は無いと思え。お主の罪は誰にも教えてはならぬ、分かったな」
「もし誰かに話した場合はどうなる」
「大公にお主を渡す」
「大公も王族だ、話せば分かる人だろ?」
「大公は温厚だが、奥方の事になると残忍になる。話が知られればお主は奥方の心を傷つけたのだ。処刑はされるが、処刑されるまでも苦しむ事になるぞ?早く殺してくれと叫ぶ程な。それでも良いのなら鉱山でも話せば良い、私は止めぬ」
「いや、誰にも話さない」
「処分はこの時からだ。宰相、手続きを頼む。厳しい監視下で此奴の発した言葉は全て書き取る事を命ぜよ」
「はい」
「牢屋に連れて行け」
騎士がセシム様を縛り部屋を出て行った。
「皆、楽にしてくれ。もう話しても良い」
「お兄様、エステルに会わせて下さいませ」
「今から皆で向かう、付いて来い」
陛下の後ろを皆で付いて行き、部屋の中へ入る。部屋の中で泣き崩れているエステル様がこちらを向いた。
「お母様~」
エステル様はお母様を見て早歩きで近寄った。
パシン!
「お母様?」
「貴女と言う子は!なんて事をしてくれたの!」
「お母様、わたくしは…」
「聞きたくないわ!お腹の子も旦那様の子だと言ってたのも嘘だったのね。離れにも行ってないとはどう言う事なの!」
「どうしてわたくしが伯爵の様な格下の男と婚姻させられましたの。わたくしはあの者を夫とは認めておりませんわ」
「貴女がその様な性格だからでしょう。あの者しか貴女の相手になりたがらなかったからよ。貴女が言ったのでしょう、少しでも王族の血筋が入った者が良いと。伯爵家は王族の血筋よ、貴女が望んだ相手でしょう」
「わたくしは格下の貴族の話をした訳ではありませんわ」
「貴女は王女ではないの。王族に嫁げる訳がないでしょう」
「お母様はわたくしは誰からも愛される子だとおっしゃっていましたわ」
「そうね、そもそも私の教育が間違っていたのよ。貴女は誰からも愛される存在ではないわ。親のお父様と私からしか愛されない存在よ。貴女は公爵令嬢と言う肩書きがあったから皆が何も言えなかっただけ。肩書きの無い貴女は高飛車で傲慢な女よ」
「酷い…」
「はあ~? どうして俺が陛下に裁かれなければいけねえんだ。ただ騙しただけだ」
「確かにお主は貴族ではない。だがな、お主は私の民だ。身分を偽り騙した事は罪だ、分かるな?」
「身分なんて皆偽るだろ。俺だけじゃねえ」
「偽った身分が罪なのだ。隣国とはいえ王族の身分と偽った事が罪なのだ。お主が大公の息子と偽った事が大公が知ればお主は処刑される。そしてこの国は攻め入られ戦が始まる。戦が始まれば犠牲になる者がお主の友かも知れぬ。
お主はエステルを騙す為に大公の息子だと、愛人の子で隠し子だと身分を偽っただけかも知れぬが、お主が偽った為に、大公が愛する奥方以外の女性に現を抜かし不貞したと言ったも同じ事。奥方を愛する大公が怒り狂いお主を捜し出すかも知れぬ。その時、女性を騙す為に身分を使っただけだと言って許して貰えるとでも思っておるのか。
お主だけ処刑されれば済む話では無いのだぞ。お主の話を知っていた者達も同様に処刑される。噂話を消し去るには犠牲が付き物だ。噂話をしただけでも処刑の対象になる。そして見せしめの処刑でようやく皆口を閉ざすのだ。そこまでしなくては噂話は払拭せぬのだ。
お主は私の民だ。私も責任は取らされる。処刑だ。私はこの国の王だ、民が他国の王族に犯した罪の責任で私の首一つで済めば良いが、王妃、息子の王太子、第二王子、そして王太子妃や第二王子の婚約者、王太子の子まで同様に処刑されるかも知れぬ。我等王族が処刑されれば、この国は隣国の属国になる。貴族や平民が今迄と同じ様に暮らせれると思うか?
出来ぬ。属国の民にどれだけの支援が貰えると思う。貴族はまだ良い。隣国の王にとってもこの国の維持が出来る貴族は手の内に置いても使えるしな。貴族の自領の民もだ。今よりも厳しい暮らしにはなるがまだ使える者だ。なら使えぬ者は誰だと思う。読み書きも出来ない、働き口も無い孤児院の子達やお主の様な孤児院育ちの者達、そして王都に住む平民だ。女性は娼館に売られるだろう。子供は人身売買され嗜虐者の玩具にされるだろう。お主のような男性は奴隷の様に死ぬまで厳しい環境下で働かされるか、他国へ売られ医学の発展の為の実験体として過ごす事になる。
そしてお主はこの国の民皆に、敵意と悪意を向けられ外を歩く事は出来ぬ。家の中に居ても罵声を吐かれ石を投げられるだろう。お主の友もだ。お主の友と言うだけで同罪だ。お主が育った孤児院もだ、同罪だ。それ程お主の犯した罪は重いのだ」
「俺は平民だ。誰も平民の、それも孤児院育ちの者の話を信じる訳がねえ」
「お主が孤児院育ちの平民だろうが、誰が話を信じるかではないのだ。大公の息子と身分を偽った事実、偽りと分かった上で話した事だ。それが罪なのだ。お主はエステルの腹の子をどうするつもりだ」
「エステルの父親に俺は養って貰う」
「それは出来ぬ」
「何故だ」
「お主は罪を償わなければならぬ」
「それなら腹の子は知らねえな。俺には邪魔なだけだ。どうせ鉱山で働かされるんだろ?それなのに子まで面倒見れるか」
「分かった。お主は他国の王族の身分を勝手に偽り騙した、よって鉱山送りに処す。お主は監視下の元で生きる事となる。鉱山で罪の話を誰かにした時はお主の命は無いと思え。お主の罪は誰にも教えてはならぬ、分かったな」
「もし誰かに話した場合はどうなる」
「大公にお主を渡す」
「大公も王族だ、話せば分かる人だろ?」
「大公は温厚だが、奥方の事になると残忍になる。話が知られればお主は奥方の心を傷つけたのだ。処刑はされるが、処刑されるまでも苦しむ事になるぞ?早く殺してくれと叫ぶ程な。それでも良いのなら鉱山でも話せば良い、私は止めぬ」
「いや、誰にも話さない」
「処分はこの時からだ。宰相、手続きを頼む。厳しい監視下で此奴の発した言葉は全て書き取る事を命ぜよ」
「はい」
「牢屋に連れて行け」
騎士がセシム様を縛り部屋を出て行った。
「皆、楽にしてくれ。もう話しても良い」
「お兄様、エステルに会わせて下さいませ」
「今から皆で向かう、付いて来い」
陛下の後ろを皆で付いて行き、部屋の中へ入る。部屋の中で泣き崩れているエステル様がこちらを向いた。
「お母様~」
エステル様はお母様を見て早歩きで近寄った。
パシン!
「お母様?」
「貴女と言う子は!なんて事をしてくれたの!」
「お母様、わたくしは…」
「聞きたくないわ!お腹の子も旦那様の子だと言ってたのも嘘だったのね。離れにも行ってないとはどう言う事なの!」
「どうしてわたくしが伯爵の様な格下の男と婚姻させられましたの。わたくしはあの者を夫とは認めておりませんわ」
「貴女がその様な性格だからでしょう。あの者しか貴女の相手になりたがらなかったからよ。貴女が言ったのでしょう、少しでも王族の血筋が入った者が良いと。伯爵家は王族の血筋よ、貴女が望んだ相手でしょう」
「わたくしは格下の貴族の話をした訳ではありませんわ」
「貴女は王女ではないの。王族に嫁げる訳がないでしょう」
「お母様はわたくしは誰からも愛される子だとおっしゃっていましたわ」
「そうね、そもそも私の教育が間違っていたのよ。貴女は誰からも愛される存在ではないわ。親のお父様と私からしか愛されない存在よ。貴女は公爵令嬢と言う肩書きがあったから皆が何も言えなかっただけ。肩書きの無い貴女は高飛車で傲慢な女よ」
「酷い…」
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