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「なぁ、エミリーヌ、愛されない子なんてこの世に居ないんだ。両親に愛されなくても、友人に恋人に愛される。 エミリーヌは両親なんて居ないって言ってたけど、貰えない愛情を欲しがるのはやめろ。 そして自分は両親に愛して欲しかったと愛され無かったとエミリーヌ自身で向き合わないといけない」
「向き合う?」
「そうだよ?自分で自分の心と向き合うんだ。親に愛して欲しかった。自分を見て欲しかった。自分も褒めて欲しかった。自分も欲しい物を買って貰いたかった。自分も一緒にご飯を食べたかった。自分もドレスや宝石を一緒に選びたかった。自分もお茶会や夜会に連れて行って欲しかった。仕事なんてしたく無かった。他にもあるだろう? 心の奥に閉まって鍵をかけた自分の心とエミリーヌ自身で向き合い、その気持ちを悲しい気持ちを認めるんだ」
「出来ないよ」
「自分をさらけ出すのは怖いよな?自分の醜い心の中を見つめるのも怖いよな?」
「うん」
「俺が付いてる。どんなエミリーヌでも俺は見捨てない。これからも愛す。だからエミリーヌの心を心の奥底を認めてあげよ? どんなエミリーヌでも俺が認める。俺は絶対に離れない。な?」
「うん」
「エミリーヌ、両親に愛されたかった?」
「愛されたかった…」
「見て欲しかった?」
「見て欲しかった…」
「褒めて欲しかった?」
「褒めて欲しかった…」
「後は?」
「私も手を繋ぎたかった。抱き締めて欲しかった。優しい目で見つめて欲しかった。膝の上に座りたかった。ぬいぐるみ欲しかった。可愛い洋服も靴も鞄も。新しい服着たかった。サラが羨ましかった。
ご飯も一緒に食べたかったしケーキやお菓子も私だって食べたかった。デビュタントのドレスだって既製品じゃなくて一緒に選んで一から作って欲しかった。綺麗なドレスや宝石、私も欲しかった。私だって可愛い物や綺麗な物持ちたい。着飾って一緒に出掛けたかった。可愛いドレスを着て綺麗な宝石を付けてお茶会や夜会に行きたかった。どうしてサラだけなの?私だって娘じゃない。サラだけ見ないで!私もここに居るの。見て!私に気付いて!サラなんて大っ嫌い。サラなんて死んじゃえばいいのに。どうして私を先に産んだの?サラの後に産んでくれれば私を愛してくれたでしょ?どうして先に産んだのよ!」
生温かい物が私の頬を伝う。
チャーリーの「うん、うん」と優しい声。
「部屋だって陽のあたる部屋が良かった。サラの様に広い部屋が良かった。本だって読みたくて読んだ訳じゃない。何もする事がないから読んでただけ。仕事だってしたく無かった。私も他の学生みたいに友達と話したかった。小説の話や恋の話、服の話やお菓子の話。私も混ざりたかった。私も友達欲しかった。一緒に遊びにも行きたかった。ケーキ食べに行きたかった。
どうして私が仕事をしないといけないの?私だってお父様に護られる子供でしょ?どうしてお父様の代わりに仕事をしないといけないの?お父様が仕事をすれば良いじゃない。私、お父様の代わりに仕事してるわよ?どうして褒めてくれないの?どうして見てくれないの?サラより役に立ってるでしょ?なのにどうして気付いてくれないの? 私お金を作り出してるわよ?どうして私には服を買ってくれないの?ドレスを買ってくれないの?
どうして一生懸命作り出したお金を使うのよ。私が作り出したお金よ?どうして私ばっかり働かせるの?どうして、どうしてあんた達が使うのよ!仕事しないお父様も社交ばかりするお母様も欲しい物ばかり手に入るサラもみんな大っ嫌い!大っ嫌い!大っ嫌い!
お父様もお母様もサラも皆死ねば良いのに。死んだら私を解放してくれるでしょ?私をここから解放してよ!皆憎い、憎い、憎い。お願い。私をもう自由にして。死んだら自由になる?私が居ない方が皆幸せ?私が消えたら清々する? 私、消えてなくなりたい。消えて何も考えたくない。もう何も見たくない。何も感じたくない。悲しみも憎しみも何もない世界に行きたい。お願い、私をもう楽にして。
誰か私を見つけて。私に気付いて。私を愛して。お願い、私を…助けて…………」
「俺が見つける。俺が気が付く。俺が愛してやる。俺が助けてやる」
「うん。……うん。…………うぅぅ」
「エミリーヌ、俺の愛しい人」
チャーリーはそう言って、頬を伝う生温かい物を拭った。
「ほら、エミリーヌにも涙が出た」
「え?」
「エミリーヌにも涙が出るんだよ?」
私は自分で頬を伝う生温かい物を手で拭った。手には水分が。溢れ出る涙が次から次へと流れてくる。
「エミリーヌ、俺は絶対に見捨てない。俺はずっと側に居る」
「こんな醜い私でも?」
「醜い?エミリーヌは綺麗だよ?エミリーヌの心は綺麗だよ? エミリーヌ、自分では気付かないものよ」
「ふふっ。それ私の言葉」
「エミリーヌは綺麗だ。大丈夫。エミリーヌの心は綺麗だ」
「ありがとう」
「うん」
「ありがとう…ありが…………
う、う、うわぁぁぁん、うわぁぁぁん、うわぁぁぁん」
「泣いちゃえ。俺しか見てない。俺しか居ない」
「うわぁぁぁん」
私は子供の様に大声で泣いた。
背中を叩く優しい温かい手。
優しい声で、優しく撫でる温かい手。
頭に、額に落とす優しい口付け。
私は子供の様に泣いた。
扉の外ではジムとグレンが目頭を押さえ、メイが涙を流していたのは知らなかった。
「向き合う?」
「そうだよ?自分で自分の心と向き合うんだ。親に愛して欲しかった。自分を見て欲しかった。自分も褒めて欲しかった。自分も欲しい物を買って貰いたかった。自分も一緒にご飯を食べたかった。自分もドレスや宝石を一緒に選びたかった。自分もお茶会や夜会に連れて行って欲しかった。仕事なんてしたく無かった。他にもあるだろう? 心の奥に閉まって鍵をかけた自分の心とエミリーヌ自身で向き合い、その気持ちを悲しい気持ちを認めるんだ」
「出来ないよ」
「自分をさらけ出すのは怖いよな?自分の醜い心の中を見つめるのも怖いよな?」
「うん」
「俺が付いてる。どんなエミリーヌでも俺は見捨てない。これからも愛す。だからエミリーヌの心を心の奥底を認めてあげよ? どんなエミリーヌでも俺が認める。俺は絶対に離れない。な?」
「うん」
「エミリーヌ、両親に愛されたかった?」
「愛されたかった…」
「見て欲しかった?」
「見て欲しかった…」
「褒めて欲しかった?」
「褒めて欲しかった…」
「後は?」
「私も手を繋ぎたかった。抱き締めて欲しかった。優しい目で見つめて欲しかった。膝の上に座りたかった。ぬいぐるみ欲しかった。可愛い洋服も靴も鞄も。新しい服着たかった。サラが羨ましかった。
ご飯も一緒に食べたかったしケーキやお菓子も私だって食べたかった。デビュタントのドレスだって既製品じゃなくて一緒に選んで一から作って欲しかった。綺麗なドレスや宝石、私も欲しかった。私だって可愛い物や綺麗な物持ちたい。着飾って一緒に出掛けたかった。可愛いドレスを着て綺麗な宝石を付けてお茶会や夜会に行きたかった。どうしてサラだけなの?私だって娘じゃない。サラだけ見ないで!私もここに居るの。見て!私に気付いて!サラなんて大っ嫌い。サラなんて死んじゃえばいいのに。どうして私を先に産んだの?サラの後に産んでくれれば私を愛してくれたでしょ?どうして先に産んだのよ!」
生温かい物が私の頬を伝う。
チャーリーの「うん、うん」と優しい声。
「部屋だって陽のあたる部屋が良かった。サラの様に広い部屋が良かった。本だって読みたくて読んだ訳じゃない。何もする事がないから読んでただけ。仕事だってしたく無かった。私も他の学生みたいに友達と話したかった。小説の話や恋の話、服の話やお菓子の話。私も混ざりたかった。私も友達欲しかった。一緒に遊びにも行きたかった。ケーキ食べに行きたかった。
どうして私が仕事をしないといけないの?私だってお父様に護られる子供でしょ?どうしてお父様の代わりに仕事をしないといけないの?お父様が仕事をすれば良いじゃない。私、お父様の代わりに仕事してるわよ?どうして褒めてくれないの?どうして見てくれないの?サラより役に立ってるでしょ?なのにどうして気付いてくれないの? 私お金を作り出してるわよ?どうして私には服を買ってくれないの?ドレスを買ってくれないの?
どうして一生懸命作り出したお金を使うのよ。私が作り出したお金よ?どうして私ばっかり働かせるの?どうして、どうしてあんた達が使うのよ!仕事しないお父様も社交ばかりするお母様も欲しい物ばかり手に入るサラもみんな大っ嫌い!大っ嫌い!大っ嫌い!
お父様もお母様もサラも皆死ねば良いのに。死んだら私を解放してくれるでしょ?私をここから解放してよ!皆憎い、憎い、憎い。お願い。私をもう自由にして。死んだら自由になる?私が居ない方が皆幸せ?私が消えたら清々する? 私、消えてなくなりたい。消えて何も考えたくない。もう何も見たくない。何も感じたくない。悲しみも憎しみも何もない世界に行きたい。お願い、私をもう楽にして。
誰か私を見つけて。私に気付いて。私を愛して。お願い、私を…助けて…………」
「俺が見つける。俺が気が付く。俺が愛してやる。俺が助けてやる」
「うん。……うん。…………うぅぅ」
「エミリーヌ、俺の愛しい人」
チャーリーはそう言って、頬を伝う生温かい物を拭った。
「ほら、エミリーヌにも涙が出た」
「え?」
「エミリーヌにも涙が出るんだよ?」
私は自分で頬を伝う生温かい物を手で拭った。手には水分が。溢れ出る涙が次から次へと流れてくる。
「エミリーヌ、俺は絶対に見捨てない。俺はずっと側に居る」
「こんな醜い私でも?」
「醜い?エミリーヌは綺麗だよ?エミリーヌの心は綺麗だよ? エミリーヌ、自分では気付かないものよ」
「ふふっ。それ私の言葉」
「エミリーヌは綺麗だ。大丈夫。エミリーヌの心は綺麗だ」
「ありがとう」
「うん」
「ありがとう…ありが…………
う、う、うわぁぁぁん、うわぁぁぁん、うわぁぁぁん」
「泣いちゃえ。俺しか見てない。俺しか居ない」
「うわぁぁぁん」
私は子供の様に大声で泣いた。
背中を叩く優しい温かい手。
優しい声で、優しく撫でる温かい手。
頭に、額に落とす優しい口付け。
私は子供の様に泣いた。
扉の外ではジムとグレンが目頭を押さえ、メイが涙を流していたのは知らなかった。
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