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次の日の朝、お祖父様に報告したら、私も一緒に国王陛下へ謁見する事になり、私は急いでドレスを用意する事になった。
一週間、謁見の場にて。
お祖父様と私は頭を下げ、国王陛下の御言葉を待つ。
「面を上げろ」
お祖父様と私は顔を上げ、国王陛下へ臣下の礼をする。
「キャメル前侯爵、此度はどうした」
「はい。国王陛下。本日はお目通りして頂き、有難き幸せであります。此の度、現侯爵の息子から当主を剥奪し、孫娘のエミリーヌへ侯爵当主の権利を賜りたく」
「キャメル前侯爵は可笑しな事を言う。是迄もエミリーヌ嬢が当主代理として侯爵家を支えてきたのではないか」
「はい。息子は当主の器にあらず。 エミリーヌが代わりに当主代理として我が侯爵家を支えております。ですが、急ぎエミリーヌを当主にせざる理由が出きたのであります」
「申してみよ」
「はい。我が侯爵家の恥ではありますが、私のもう一人の孫娘、サラフィスが此の度、邸から姿を消し、当主であるにも係わらず、当主自ら妻と娘を探しに出掛けたのであります」
「私は報告を受けておらぬな。宰相、お主は報告を受けたか」
「はい。国王陛下。私共も報告は受けておりません」
「どう言う事だ?」
「国王陛下、申し訳御座いません。国王陛下の臣下であり、侯爵家当主としても未熟故、報告する義務を知らず、報告せずに邸を後にした所存です」
「ほう。私の臣下に未熟者は要らぬな」
「はい。報告を怠っただけでは無く、とある子爵と懇意にして居ると私共も報告を受け、早急に陛下の御意見を賜りたく」
「ほう。とある子爵とな。さてどうしたものか。侯爵当主が邸を留守にして幾日か」
「はい。2か月であります」
「そうか。此度の私との謁見はそなた等からでは無く、私からの申し出とせよ。良いな宰相」
「はい、国王陛下」
「お主等も良いな」
「「はい、国王陛下」」
「うむ。では此度は私が侯爵領の現状を知りたいが為、侯爵を招集した事にし、侯爵が不在の為、前侯爵と次期当主のエミリーヌ嬢が参った。そこで侯爵の不在を聞いた私が未熟者は要らぬと現侯爵当主を当主の権利を剥奪し、エミリーヌ嬢を当主とする旨を王命とし下した。それで良いな」
「「「はい、国王陛下」」」
「宰相、では速やかに全貴族へ王命を下だせ」
「はい、国王陛下。本日中に全貴族に王命が下った旨の書簡を送り、国王陛下立会の元、エミリーヌ嬢を侯爵当主を任命致します」
「よろしく頼む。前侯爵も良いな」
「はい、国王陛下。有難き幸せであります」
「エミリーヌ嬢も良いな」
「はい、国王陛下。拝命、謹んでお受け致します」
「うむ。では急ぎ取り掛かってくれ」
宰相様が謁見の場から出て行き、
「国王陛下、侯爵領の件でエミリーヌより報告があります」
「エミリーヌ嬢、申してみよ」
「はい、国王陛下。まだ正式ではありませんが、隣国のスティール公爵家より我が侯爵領へ視察の打診が参りました」
「スティール公爵家か。王家との繋がりが強いな」
「はい。此方からの返信としまして、此方から数人公爵領の調査を兼ねて出向く形を取りたいと打診しております」
「ではお互い打診の段階という事か」
「はい。正式に決定しましたら、陛下へ報告に上がる所存です」
「そうか。打診とはいえ、相手はスティール公爵家だ。ちょうど良いではないか。私の耳にも入り侯爵家へ確認する為、本日呼び出した。 エミリーヌ嬢、相手はスティール公爵家だ。心して掛かってくれ」
「はい、国王陛下」
「正式に決定した際は私への報告は書面で良い。速やかに隣国へ渡り調査せよ」
「はい、国王陛下」
「前侯爵、すまぬがエミリーヌ嬢と二人きりにしてくれぬか」
「ですが、陛下」
「エミリーヌ嬢も良いな」
「はい、陛下の御心のままに」
「前侯爵、良いな」
「はい。陛下の御心のままに。では、エミリーヌ、失礼の無い様に」
「はい」
お祖父様が謁見の場から出て行き、
「エミリーヌ嬢、今迄ご苦労であったな。侯爵の代わりに当主の義務を果たし、幼かったそなたを救う事が出来ずすまなかった」
「いえ、陛下。誰かがやらなければ侯爵家は没落しておりました。没落していれば侯爵領の小麦畑は荒れこの国の生活に支障が出ていました。私はそれ等を護ったまでの事です」
「だが、お主一人に背負わせた私の責任だ。お主が成人した時に此度の様に王命を下せば良かったのだ」
「例え国王陛下と言えど、無闇に王命は下せれません。此の度が良い機会だったのです」
「そうか」
「はい」
「所で、エミリーヌ嬢よ。お主は本日から侯爵当主だな?」
「はい。陛下のお陰で」
「約束は忘れておらぬよな?」
「はい」
「私も侯爵領の視察に行った方が良いとは思わぬか?」
「視察、ですか」
「スティール公爵家も視察するのだろ?この国の王である私が隣国よりも先に視察するべきだとは思わぬか?」
「後でも良いかと」
「いや、先が良いと私は思う」
「分かりました。ではその様に」
「良いのか!では宰相に直ぐ調整させる。エミリーヌ嬢も同行してくれるよな?」
「陛下の御心のままに」
「よろしく頼む。エミリーヌ嬢がおらぬとサムが会ってはくれないからな。楽しみだ」
「そうですか。私はサフェム様を説得するのに疲れそうですが」
「大丈夫だ。サムには何も知らせるな」
「分かりました」
この後、侯爵の任命式をし、私は女侯爵としてキャメル侯爵家当主になった。
一週間、謁見の場にて。
お祖父様と私は頭を下げ、国王陛下の御言葉を待つ。
「面を上げろ」
お祖父様と私は顔を上げ、国王陛下へ臣下の礼をする。
「キャメル前侯爵、此度はどうした」
「はい。国王陛下。本日はお目通りして頂き、有難き幸せであります。此の度、現侯爵の息子から当主を剥奪し、孫娘のエミリーヌへ侯爵当主の権利を賜りたく」
「キャメル前侯爵は可笑しな事を言う。是迄もエミリーヌ嬢が当主代理として侯爵家を支えてきたのではないか」
「はい。息子は当主の器にあらず。 エミリーヌが代わりに当主代理として我が侯爵家を支えております。ですが、急ぎエミリーヌを当主にせざる理由が出きたのであります」
「申してみよ」
「はい。我が侯爵家の恥ではありますが、私のもう一人の孫娘、サラフィスが此の度、邸から姿を消し、当主であるにも係わらず、当主自ら妻と娘を探しに出掛けたのであります」
「私は報告を受けておらぬな。宰相、お主は報告を受けたか」
「はい。国王陛下。私共も報告は受けておりません」
「どう言う事だ?」
「国王陛下、申し訳御座いません。国王陛下の臣下であり、侯爵家当主としても未熟故、報告する義務を知らず、報告せずに邸を後にした所存です」
「ほう。私の臣下に未熟者は要らぬな」
「はい。報告を怠っただけでは無く、とある子爵と懇意にして居ると私共も報告を受け、早急に陛下の御意見を賜りたく」
「ほう。とある子爵とな。さてどうしたものか。侯爵当主が邸を留守にして幾日か」
「はい。2か月であります」
「そうか。此度の私との謁見はそなた等からでは無く、私からの申し出とせよ。良いな宰相」
「はい、国王陛下」
「お主等も良いな」
「「はい、国王陛下」」
「うむ。では此度は私が侯爵領の現状を知りたいが為、侯爵を招集した事にし、侯爵が不在の為、前侯爵と次期当主のエミリーヌ嬢が参った。そこで侯爵の不在を聞いた私が未熟者は要らぬと現侯爵当主を当主の権利を剥奪し、エミリーヌ嬢を当主とする旨を王命とし下した。それで良いな」
「「「はい、国王陛下」」」
「宰相、では速やかに全貴族へ王命を下だせ」
「はい、国王陛下。本日中に全貴族に王命が下った旨の書簡を送り、国王陛下立会の元、エミリーヌ嬢を侯爵当主を任命致します」
「よろしく頼む。前侯爵も良いな」
「はい、国王陛下。有難き幸せであります」
「エミリーヌ嬢も良いな」
「はい、国王陛下。拝命、謹んでお受け致します」
「うむ。では急ぎ取り掛かってくれ」
宰相様が謁見の場から出て行き、
「国王陛下、侯爵領の件でエミリーヌより報告があります」
「エミリーヌ嬢、申してみよ」
「はい、国王陛下。まだ正式ではありませんが、隣国のスティール公爵家より我が侯爵領へ視察の打診が参りました」
「スティール公爵家か。王家との繋がりが強いな」
「はい。此方からの返信としまして、此方から数人公爵領の調査を兼ねて出向く形を取りたいと打診しております」
「ではお互い打診の段階という事か」
「はい。正式に決定しましたら、陛下へ報告に上がる所存です」
「そうか。打診とはいえ、相手はスティール公爵家だ。ちょうど良いではないか。私の耳にも入り侯爵家へ確認する為、本日呼び出した。 エミリーヌ嬢、相手はスティール公爵家だ。心して掛かってくれ」
「はい、国王陛下」
「正式に決定した際は私への報告は書面で良い。速やかに隣国へ渡り調査せよ」
「はい、国王陛下」
「前侯爵、すまぬがエミリーヌ嬢と二人きりにしてくれぬか」
「ですが、陛下」
「エミリーヌ嬢も良いな」
「はい、陛下の御心のままに」
「前侯爵、良いな」
「はい。陛下の御心のままに。では、エミリーヌ、失礼の無い様に」
「はい」
お祖父様が謁見の場から出て行き、
「エミリーヌ嬢、今迄ご苦労であったな。侯爵の代わりに当主の義務を果たし、幼かったそなたを救う事が出来ずすまなかった」
「いえ、陛下。誰かがやらなければ侯爵家は没落しておりました。没落していれば侯爵領の小麦畑は荒れこの国の生活に支障が出ていました。私はそれ等を護ったまでの事です」
「だが、お主一人に背負わせた私の責任だ。お主が成人した時に此度の様に王命を下せば良かったのだ」
「例え国王陛下と言えど、無闇に王命は下せれません。此の度が良い機会だったのです」
「そうか」
「はい」
「所で、エミリーヌ嬢よ。お主は本日から侯爵当主だな?」
「はい。陛下のお陰で」
「約束は忘れておらぬよな?」
「はい」
「私も侯爵領の視察に行った方が良いとは思わぬか?」
「視察、ですか」
「スティール公爵家も視察するのだろ?この国の王である私が隣国よりも先に視察するべきだとは思わぬか?」
「後でも良いかと」
「いや、先が良いと私は思う」
「分かりました。ではその様に」
「良いのか!では宰相に直ぐ調整させる。エミリーヌ嬢も同行してくれるよな?」
「陛下の御心のままに」
「よろしく頼む。エミリーヌ嬢がおらぬとサムが会ってはくれないからな。楽しみだ」
「そうですか。私はサフェム様を説得するのに疲れそうですが」
「大丈夫だ。サムには何も知らせるな」
「分かりました」
この後、侯爵の任命式をし、私は女侯爵としてキャメル侯爵家当主になった。
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