6 / 19
イベント、こわっ!
しおりを挟む
セドリック王子殿下に会わない為に昼食は中庭で食べる事にした。お弁当を頼めず、朝食で出てくるパンを持って学園で食べてる。
ジルベーク様とも、図書室へ行くのをやめた為、会う事は無くなった。
次期騎士団長の方は初めに接点を持たなかった事から、ルートから外れたみたい。会う事も見かける事も無い。
「これでルート回避できたよね? それに私、お馬鹿でお花畑の頭してないし。 自分の立場も理解してるもの。 元平民で貴族令嬢としての嗜みも出来ないし、高位貴族の人達と話すなんて、ムリムリ! 確か、イベントがあったはずだけど何があったか忘れたし、あったとしても対象者に会わなきゃイベントもないし。 このままこそっとしてよ~!」
私は間違えてた。対象者に会わなくてもイベントの強制力?半端なかった。
とある日の昼食、いつもの様に中庭で食べようとしたら、その日は中庭のベンチが全て使われてて、私は仕方なく噴水の周りの座わる事が出来る所に座って食べてた。 教科書を広げて復習をしてたら、突然謎の突風が吹いて、教科書が噴水に落ちた。慌てて拾ったら、態勢が崩れてそのまま噴水の中に尻もち付いて全身ずぶ濡れ。
そこへ運悪く、ジルベーク様が通り掛り、
「キャロライン、大丈夫か」
「ジルベーク様…」
「エイミーナだな。ここまで卑怯な女だとは思わなかった」
「ジルベーク様、エイミーナ様は関係ありません。あれからエイミーナ様とお会いした事もありませんし。それに自分で噴水に落ちたのです」
「キャロラインは優しいな。あんな女庇う事はない」
「本当に違うんです!私は自分で落ちたから恥ずかしいんです!だから、静かにして下さい!」
私は少し声を荒げて周りから顔を隠した。だって噴水に落ちるって子供じゃないんだから、恥ずかしいじゃん。それなのにジルベーク様も大声を出すから皆んなに注目されて、余計に恥ずかしいよ…。
とある日、急いでいた私は階段を踏み外し、お尻をぶつけながら階段を滑り落ちた。
またまた運悪く、セドリック殿下が通り掛り、
「キャロライン、大丈夫か?」
「いたたたた…。大…丈夫です」
「階段から落とされたのか。もしかして俺の婚約者か?」
「違います! 慌ててて自分で階段を踏み外したんです!」
「いい、婚約者を庇う必要はない。将来王妃になる者がこの様な事をするとはな!」
「殿下!違います! まず殿下の婚約者が誰なのか私は知りません! それに階段を踏み外してお尻で滑り落ちたから痛いし、恥ずかしいんです!」
私はまた少し声を荒げて説明した。階段を踏み外してお尻をぶつけながら滑り落ちるってどんな醜態よ。お尻痛いよ~。
殿下が大声を出すから皆んな集まって来ちゃうし。 紳士はどこいった!紳士なら見て見ぬ振りをして立ち去ってよ! どうして年頃の女の子にお尻で落ちてお尻が痛いって説明させてるのよ! ほら、みんな笑ってるし!
とある日、私はふと思った。
噴水、教科書、階段………
え?もしかしてイベント?イベントなの?対象者を回避してたから自分で自分をイベントにしたの? そこまでイベントって大事なの?
噴水に落ちて風邪ひくし、教科書は水に濡れたから3冊分ぐらい膨らむし、階段から落ちた時ぶつけたお尻は未だに痛いし。
イベントの強制力?そんなの知らないし。対象者を回避してもイベントだけは何が何でもおこすんだ!
「こわっ!」
思わず大声出ちゃったよ。
ジルベーク様とも、図書室へ行くのをやめた為、会う事は無くなった。
次期騎士団長の方は初めに接点を持たなかった事から、ルートから外れたみたい。会う事も見かける事も無い。
「これでルート回避できたよね? それに私、お馬鹿でお花畑の頭してないし。 自分の立場も理解してるもの。 元平民で貴族令嬢としての嗜みも出来ないし、高位貴族の人達と話すなんて、ムリムリ! 確か、イベントがあったはずだけど何があったか忘れたし、あったとしても対象者に会わなきゃイベントもないし。 このままこそっとしてよ~!」
私は間違えてた。対象者に会わなくてもイベントの強制力?半端なかった。
とある日の昼食、いつもの様に中庭で食べようとしたら、その日は中庭のベンチが全て使われてて、私は仕方なく噴水の周りの座わる事が出来る所に座って食べてた。 教科書を広げて復習をしてたら、突然謎の突風が吹いて、教科書が噴水に落ちた。慌てて拾ったら、態勢が崩れてそのまま噴水の中に尻もち付いて全身ずぶ濡れ。
そこへ運悪く、ジルベーク様が通り掛り、
「キャロライン、大丈夫か」
「ジルベーク様…」
「エイミーナだな。ここまで卑怯な女だとは思わなかった」
「ジルベーク様、エイミーナ様は関係ありません。あれからエイミーナ様とお会いした事もありませんし。それに自分で噴水に落ちたのです」
「キャロラインは優しいな。あんな女庇う事はない」
「本当に違うんです!私は自分で落ちたから恥ずかしいんです!だから、静かにして下さい!」
私は少し声を荒げて周りから顔を隠した。だって噴水に落ちるって子供じゃないんだから、恥ずかしいじゃん。それなのにジルベーク様も大声を出すから皆んなに注目されて、余計に恥ずかしいよ…。
とある日、急いでいた私は階段を踏み外し、お尻をぶつけながら階段を滑り落ちた。
またまた運悪く、セドリック殿下が通り掛り、
「キャロライン、大丈夫か?」
「いたたたた…。大…丈夫です」
「階段から落とされたのか。もしかして俺の婚約者か?」
「違います! 慌ててて自分で階段を踏み外したんです!」
「いい、婚約者を庇う必要はない。将来王妃になる者がこの様な事をするとはな!」
「殿下!違います! まず殿下の婚約者が誰なのか私は知りません! それに階段を踏み外してお尻で滑り落ちたから痛いし、恥ずかしいんです!」
私はまた少し声を荒げて説明した。階段を踏み外してお尻をぶつけながら滑り落ちるってどんな醜態よ。お尻痛いよ~。
殿下が大声を出すから皆んな集まって来ちゃうし。 紳士はどこいった!紳士なら見て見ぬ振りをして立ち去ってよ! どうして年頃の女の子にお尻で落ちてお尻が痛いって説明させてるのよ! ほら、みんな笑ってるし!
とある日、私はふと思った。
噴水、教科書、階段………
え?もしかしてイベント?イベントなの?対象者を回避してたから自分で自分をイベントにしたの? そこまでイベントって大事なの?
噴水に落ちて風邪ひくし、教科書は水に濡れたから3冊分ぐらい膨らむし、階段から落ちた時ぶつけたお尻は未だに痛いし。
イベントの強制力?そんなの知らないし。対象者を回避してもイベントだけは何が何でもおこすんだ!
「こわっ!」
思わず大声出ちゃったよ。
22
お気に入りに追加
386
あなたにおすすめの小説
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
ゲームの序盤に殺されるモブに転生してしまった
白雲八鈴
恋愛
「お前の様な奴が俺に近づくな!身の程を知れ!」
な····なんて、推しが尊いのでしょう。ぐふっ。わが人生に悔いなし!
ここは乙女ゲームの世界。学園の七不思議を興味をもった主人公が7人の男子生徒と共に学園の七不思議を調べていたところに学園内で次々と事件が起こっていくのです。
ある女生徒が何者かに襲われることで、本格的に話が始まるゲーム【ラビリンスは人の夢を喰らう】の世界なのです。
その事件の開始の合図かのように襲われる一番目の犠牲者というのが、なんとこの私なのです。
内容的にはホラーゲームなのですが、それよりも私の推しがいる世界で推しを陰ながら愛でることを堪能したいと思います!
*ホラーゲームとありますが、全くホラー要素はありません。
*モブ主人のよくあるお話です。さらりと読んでいただけたらと思っております。
*作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。
*小説家になろう様にも投稿しております。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました
平山和人
恋愛
悪役令嬢のクロエは八歳の誕生日の時、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖魔と乙女のレガリア』の世界であることを知る。
クロエに割り振られたのは、主人公を虐め、攻略対象から断罪され、破滅を迎える悪役令嬢としての人生だった。
そんな結末は絶対嫌だとクロエは敵を作らないように立ち回り、魔法を極めて断罪フラグと破滅エンドを回避しようとする。
そうしていると、なぜかクロエは家族を始め、周りの人間から溺愛されるのであった。しかも本来ならば主人公と結ばれるはずの攻略対象からも
深く愛されるクロエ。果たしてクロエの破滅エンドは回避できるのか。
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】番が見つかった恋人に今日も溺愛されてますっ…何故っ!?
ハリエニシダ・レン
恋愛
大好きな恋人に番が見つかった。
当然のごとく別れて、彼は私の事など綺麗さっぱり忘れて番といちゃいちゃ幸せに暮らし始める……
と思っていたのに…!??
狼獣人×ウサギ獣人。
※安心のR15仕様。
-----
主人公サイドは切なくないのですが、番サイドがちょっと切なくなりました。予定外!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる