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王子様ルート
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目を覚ました私は教室へ戻った。
改めて教室の中にいる令息、令嬢共、皆んな格好いい男の子と綺麗な女の子と可愛い女の子しか居ない。 流石、乙女ゲームの世界って感心しちゃうよ。 私が学生の時は少なくとも不細工な子はいたし、太った子もいた。 教室見回しても不細工はいないし、皆んなスラっとした子ばっかり。 目の保養にはなるけど…。 ここまで顔がいい子達ばっかりなのもね…それもどうなの?
昼食の時間になり、私は食堂へ行った。 食堂は人が多く、私も列の最後尾に並んだ。 昼食は、食堂でランチを食べる生徒が多い為、弁当を持って来て中庭で食べる人も居るらしい。
後ろから突然声をかけられ、
「君、さっき倒れた子だよね。大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
「そう。良かった。急に目の前で倒れて、目を覚まさなかったから医務室に運んだけど」
「運んでくれたの?ありがとう」
「いや、紳士として嗜みだよ」
「へぇ、そうなんですね」
「君、名前は?」
「キャロラインって言います。貴方の名前も教えて貰ってもいい?」
「俺の事知らない?」
「ごめんなさい。私、貴族になったばっかりなの。お母さんが流行り病で…。お父さんに引き取られたんだけど、お父さんが貴族だったから、この学園に通う事になったけど、まだ貴族の名前も顔も覚えてなくて…」
「そっか。お母さんは残念だったね。じゃあキャロラインは平民だったんだ」
「そうなの」
「だから貴族令嬢らしくないんだね」
「やっぱり令嬢らしくないよね。貴族のルール?は何となく覚えたんだけど、自信ないんだ」
「キャロラインはそのままでいいと思うよ。元気があって可愛いから」
「元気は認めるけど、可愛いはこの学園、全員可愛い女の子しかいないよ?」
「そうかな~?」
「そうだよ~」
気軽に話しても怒らなし嫌な顔もしない男の子と話をしてたら、
「殿下、その様に令嬢と親しくなさるのはいががなものかと」
「えっ!殿下?殿下ってこの国の王子って事?」
「そうだよ。俺は第一王子のセドリック」
私は真っ青になりながら、頭の中で考えた。
そうだ!勝手に発言しちゃ駄目なんだ!どうしよう…。 確か、許可を取るんだっけ?
「殿下、発言よろしいでしょうか」
「キャロライン、どうしちゃったの?」
「セドリック第一王子とは知らず、申し訳御座いません。自信は無くとも嗜みは習いました。王子殿下に私の様な男爵令嬢が気安く話かけるなど、不敬も良いとこ。此の度は王子殿下の広い心で許して頂けたらと思う所存です」
「キャロラインは平民だったんだ。勿論許すよ。俺だって孤児院に訪問した時には子供達と気軽に話すしね。貴族って堅苦しいと思わない?」
「いえ。王子殿下は将来この国の王になられるお方。臣下として王を敬うのは当たり前の事です」
「キャロラインもそうなるんだね。残念」
「私も貴族の端くれ。王子殿下を敬うのは当然の事です」
「じゃあ、さっきみたいに話してくれないって事?」
「はい。男爵令嬢ごときが王子殿下と言葉を交わすなど本来あってはいけません」
「学園の中では平等だよ?」
「学園の中では平等とは言え、学園を一歩出れば貴族の秩序が御座います」
「そっか。ようやく普通に話してくれる令嬢を見つけたのに残念だな」
「申し訳ありません」
私はセドリック王子の席から離れた机に座った。
なんとか王子様ルートは回避出来た?よね?
改めて教室の中にいる令息、令嬢共、皆んな格好いい男の子と綺麗な女の子と可愛い女の子しか居ない。 流石、乙女ゲームの世界って感心しちゃうよ。 私が学生の時は少なくとも不細工な子はいたし、太った子もいた。 教室見回しても不細工はいないし、皆んなスラっとした子ばっかり。 目の保養にはなるけど…。 ここまで顔がいい子達ばっかりなのもね…それもどうなの?
昼食の時間になり、私は食堂へ行った。 食堂は人が多く、私も列の最後尾に並んだ。 昼食は、食堂でランチを食べる生徒が多い為、弁当を持って来て中庭で食べる人も居るらしい。
後ろから突然声をかけられ、
「君、さっき倒れた子だよね。大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
「そう。良かった。急に目の前で倒れて、目を覚まさなかったから医務室に運んだけど」
「運んでくれたの?ありがとう」
「いや、紳士として嗜みだよ」
「へぇ、そうなんですね」
「君、名前は?」
「キャロラインって言います。貴方の名前も教えて貰ってもいい?」
「俺の事知らない?」
「ごめんなさい。私、貴族になったばっかりなの。お母さんが流行り病で…。お父さんに引き取られたんだけど、お父さんが貴族だったから、この学園に通う事になったけど、まだ貴族の名前も顔も覚えてなくて…」
「そっか。お母さんは残念だったね。じゃあキャロラインは平民だったんだ」
「そうなの」
「だから貴族令嬢らしくないんだね」
「やっぱり令嬢らしくないよね。貴族のルール?は何となく覚えたんだけど、自信ないんだ」
「キャロラインはそのままでいいと思うよ。元気があって可愛いから」
「元気は認めるけど、可愛いはこの学園、全員可愛い女の子しかいないよ?」
「そうかな~?」
「そうだよ~」
気軽に話しても怒らなし嫌な顔もしない男の子と話をしてたら、
「殿下、その様に令嬢と親しくなさるのはいががなものかと」
「えっ!殿下?殿下ってこの国の王子って事?」
「そうだよ。俺は第一王子のセドリック」
私は真っ青になりながら、頭の中で考えた。
そうだ!勝手に発言しちゃ駄目なんだ!どうしよう…。 確か、許可を取るんだっけ?
「殿下、発言よろしいでしょうか」
「キャロライン、どうしちゃったの?」
「セドリック第一王子とは知らず、申し訳御座いません。自信は無くとも嗜みは習いました。王子殿下に私の様な男爵令嬢が気安く話かけるなど、不敬も良いとこ。此の度は王子殿下の広い心で許して頂けたらと思う所存です」
「キャロラインは平民だったんだ。勿論許すよ。俺だって孤児院に訪問した時には子供達と気軽に話すしね。貴族って堅苦しいと思わない?」
「いえ。王子殿下は将来この国の王になられるお方。臣下として王を敬うのは当たり前の事です」
「キャロラインもそうなるんだね。残念」
「私も貴族の端くれ。王子殿下を敬うのは当然の事です」
「じゃあ、さっきみたいに話してくれないって事?」
「はい。男爵令嬢ごときが王子殿下と言葉を交わすなど本来あってはいけません」
「学園の中では平等だよ?」
「学園の中では平等とは言え、学園を一歩出れば貴族の秩序が御座います」
「そっか。ようやく普通に話してくれる令嬢を見つけたのに残念だな」
「申し訳ありません」
私はセドリック王子の席から離れた机に座った。
なんとか王子様ルートは回避出来た?よね?
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