辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ

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お父様達が帰り2ヶ月後、王城からメイドのメリーとミアが辺境へ着きました。


「メリー、ミア」

「「奥様」」

「なんか二人に言われると変な感じね」

「クレアさんが寂しがっていましたよ?」

「それでも一人でも未婚の女性が多い方が良いもの」

「私とミアは辺境に骨を埋める覚悟で来ました」

「メリー、ミア、ありがとう」

「奥様、騎士の方を紹介して下さいね?」

「ミア、ごめんなさいね。紹介出来るほど話した事がないのよ」

「それなら自分で見つけても良いですか?」

「そうね」


メリーとミアは邸に一緒に住む事になり、ケイトとも直ぐに打ち解けていました。


「シア」

「ジル様」


ジル様は私を抱きしめ口付けをしました。


「ジル様、メイドのメリーとミアです」

「遠い所にわざわざすまない。シアを支えてほしい」

「「はい」」

「それから副隊長のキースだ。なにかと会う機会が多いと思う」

「キース様はジル様の従兄弟なの」

「「よろしくお願いします」」

「こちらこそよろしく」


キース様とメリー、ミアは3人で話しています。


「キース様はお兄さんって感じですね。私の恋人ではないかな?」

「ミア!申し訳ありません。後できつく言い聞かせますので」

「すみません…」

「いやいや、お兄さんか、おじさんじゃなくて良かったよ」


メリーとミアもキース様と打ち解けたみたいです。まだ若いミアを叱るのはいつも先輩メイドのメリーでした。王城の時と変わらない二人を見て落ち着きます。

ミアは17歳、メリーは22歳です。


ジル様は私を膝の上に座らせ髪を撫でています。時折髪の毛へ口付けします。

私は3人からジル様へ目線を向けます。


「今日は終わりですか?」

「後はキースがやるだろう」

「では、「「お茶でも」」、ふふっ」

「フッ、しないか?」

「はい」


ジル様は私の唇に口付けし、膝の上に座らせていた私を抱き上げました。お互い見つめ合う私とジル様。私はジル様の首に腕を回し抱きつきます。


「あの、キース様」

「メリーだったよね?何かな?」

「私は何を見せられているのでしょう」

「気にしたら負けだよ。見てみぬふりをする、が辺境では当たり前だからね。騎士隊の騎士達を見たらジルは可愛い方だって分かるから」

「分かりました。壁になり空気に徹しろですね」

「仲が良い夫婦の方が良いだろ?」

「はい。アリシアお嬢様が愛されているのが分かり嬉しいです」

「そうだよね、辺境に来た時に出迎えもしなかったジルを信じられないよね」

「そういう訳ではありませんが…」

「ジルは王女様から愛を貰い愛を返してかけがえのない愛になった」

「それは見て分かります」


私はメリーに、


「メリー、早速で悪いんだけど庭にお茶をお願い」

「分かりました奥様。ミアはこのままケイトさんに付かせますが」

「任せるわ」


メリーはお茶の準備に行き、キース様は一緒に部屋を出て、


「ジル、俺は騎士隊へ戻るぞ」

「悪いな」


キース様を見送ります。

メリーが準備してくれたお茶を飲んで、


「シア、俺に愛を与え教えてくれてありがとう」

「私もジル様から愛をたくさん貰いました。私こそありがとうございます」


ジル様が私の手を握り手の甲に口付けをし、


「愛しい妻が側にいるだけで贅沢か…本当だな」


ジル様にお父様の事を話しました。


「私もお父様の気持ちが分かります。愛しい人が側にいる、それがどんな高価な宝石よりも癒やされ最高の贅沢品だと思います」

「愛を注ぎ、より大切により大事にする。愛でて癒やされる、確かに最高の贅沢品だな。

義父上の足りない所を義母上が補う、流石おしどり夫婦と言われるだけあるな」

「そうなのですか?」

「貴族の間では有名だぞ?」

「でも分かります。国王と王妃という立場の時でも国王を献身的に支える王妃でしたから」

「俺達も義父上達のような夫婦になろうな」

「はい」


私はお茶を飲み、


「メリー、茶葉変えた?」

「ケイトさんからはいつもの茶葉を受け取りましたが」

「そう。少し味が変わったと思ったけど間違いね」

「奥様、それは…」

「なに?」

「その…、子が出来る行為をしてますよね?」

「やだ、メリー、恥ずかしい事聞かないで」

「してるが」

「ジル様!」

「恥ずかしい事じゃないだろ?新婚夫婦なら毎日して当然だ。新婚夫婦じゃなくても俺はシアを抱くぞ?」

「そうですが」

「で、メリーどうした」

「王太子妃殿下がご懐妊した時に食の好みが変わったと聞いたので、もしかしたらと思いまして」

「毎日しているから子が出来てもおかしくはない」

「ジル様!」

「そうだろ?毎日俺はシアの中に子種を何度も出してるだろ?」

「そうですが、メリーに言わなくても……」

「いや、メリーも気づいていると思うが。毎日シーツを変えるのはメリーだぞ?シアの湯浴みの世話をするのもメリーだ、な?そうだろ?」

「はい、そうですね、旦那様はとても情熱的な方で何よりです」

「こうしてはいられないな!早速ハリスを呼ぼう!シア、部屋に戻るぞ」


ジル様に抱き上げられ部屋に戻り、しばらくして騎士隊からハリス様が来て診察をされ、


「間違いなくご懐妊です。隊長、奥様、おめでとうございます」


ハリス様に優しい笑顔を向けられ、


「シア!」


ジル様は私を抱きしめました。ジル様の体が震えていて、私はジル様の背中を優しく撫で、


「ジル様、私を母にしてくれありがとうございます」

「礼を言うのは俺の方だ。ありがとうシア、俺に子を家族を作ってくれてありがとう」


私達は抱き合いました。



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