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固形物を少しづつ食べる様なってから部屋の中だけ自由に歩き回る事が許された。
たまに雑務をする為に帰ってくるルトと話しをしたり、レイが伯爵家から持ってきてくれた本を読んだり、刺繍をしたり…。
寝室のベッドの端に腰掛け、空を眺める。私がルト、ジークルト様の私室に居る事を知られる訳にはいかない。だからカーテンは開けれても窓を開ける事も窓から顔を出す事も出来ない。
コンコン
続き部屋の扉から顔を出してるルト、
「俺のお姫様は何をしてるのかな?」
「空を見てるの。ルトと同じ色だな~って」
「退屈だよな。ごめん」
「もうそろそろ家に帰らないと。体調も良くなったし。いつまでもルトの部屋に居る訳にはいかないわ」
「そうだけど、俺はこの部屋にずっと居てほしい」
「私もルトの側に居たい。けどこのままこの部屋に居る事は出来ないでしょ?」
「分かってる」
「ルト、私は婚約して堂々と会いたい」
「俺もリーと誰にも何も言われず側に居たい」
「だからね、早く家に帰ってお父様に報告しないと。恋慕う人が出来てその人と婚約したいって。それからルトへ公爵家へ打診してルトが受けてくれたら婚約出来るわ」
「俺は直ぐに受ける」
「うん」
「医師の診察は?」
「もう家に帰っても大丈夫って。後は散歩して体力を付けて下さいって言われた」
「そうか。明日、俺、非番なんだ。明日一緒に俺もついて行く。だから帰るのは明日でも良いか?」
「うん。レイに今日荷物を持って一度帰って貰うから明日帰る事をお父様に伝えて貰うわ」
「いや、お父上には俺から連絡を入れる」
「分かった」
「また夜に戻って来る」
「行ってらっしゃい」
「行ってくる」
ルトは私の額に口付けして部屋を出て行った。
部屋を見渡し、今日で最後かと思うとやっぱり寂しい。私が寝るまで髪を撫でてくれた優しい手、愛しいと語る瞳、心休まる心地良い空間、目覚めて横にいる愛しい人、綺麗な黒髪を撫でる一時、毎日交わす会話、側に居るのが当たり前になって、愛しさが毎日毎日積もる。
寂しい。ルトの温もりも、ルトの声も、もう毎日感じる事も、聞く事も出来なくなる。
夜、いつもの様に後ろからルトに抱きしめられ布団に入る。 私はルトの方に向き直しルトを抱きしめる。
「リー?どうした?」
私は首を左右に振る。
「俺のお姫様はご機嫌斜めかな?」
私は首を左右に振る。
「リー?」
「…………寂しい」
「うん、俺も」
「明日からルトが側に居ないの。ルトの温もりも声も聞けない。それが寂しい。ものすごく寂しい」
「俺も明日からリーが側に居ない事が辛い。毎日リーを抱きしめてリーの温もりを感じて側に俺の腕の中に居る事を実感できて安心できた。側を離れたらまた忘れられたら、記憶を封じたらと思うと不安でまた眠れなくなる」
「ルト、離れたくない」
「俺も離したくない。ようやく、ようやくなんだ。ようやく俺を思い出してくれて、ようやくリーに触れられる様になったんだ。離したくない」
「12年だもんね」
「ああ、長く辛く苦しい12年だった」
「うん」
「離れても俺を忘れないでくれ。朝目覚めても俺を覚えていてくれ」
「もう忘れない。覚えてる。ルトは私の愛しい旦那様でしょ?」
「ああ。愛してる」
「私も、ルトを愛してる」
「毎日会いたい」
「会いに来て?」
「毎日声を聞きたい」
「私もルトの声聞きたい」
「毎日抱きしめて眠りたい」
「私も一緒に眠りたい」
「リーが眠るまで髪を撫でて、リーの寝顔を見たい」
「ルトの優しい手で撫でられるの好き。私もルトの綺麗な黒髪を撫でたい。寝てるルトを眺めていたい」
「リーは早起きだからな」
「だって朝しかルトを独り占め出来ないじゃない」
「リー」
ルトは私を力強く抱きしめた。私はルトの胸で泣いた。
「リー、俺の愛しいお姫様。もう離さない」
優しい手が私の髪を撫でる。
「リー、愛してる」
額に口付けを、
「リー、直ぐに迎えに行くから待っててほしい」
ルトは私を抱きしめた。
「ルト、待ってる。早く迎えに来て」
たまに雑務をする為に帰ってくるルトと話しをしたり、レイが伯爵家から持ってきてくれた本を読んだり、刺繍をしたり…。
寝室のベッドの端に腰掛け、空を眺める。私がルト、ジークルト様の私室に居る事を知られる訳にはいかない。だからカーテンは開けれても窓を開ける事も窓から顔を出す事も出来ない。
コンコン
続き部屋の扉から顔を出してるルト、
「俺のお姫様は何をしてるのかな?」
「空を見てるの。ルトと同じ色だな~って」
「退屈だよな。ごめん」
「もうそろそろ家に帰らないと。体調も良くなったし。いつまでもルトの部屋に居る訳にはいかないわ」
「そうだけど、俺はこの部屋にずっと居てほしい」
「私もルトの側に居たい。けどこのままこの部屋に居る事は出来ないでしょ?」
「分かってる」
「ルト、私は婚約して堂々と会いたい」
「俺もリーと誰にも何も言われず側に居たい」
「だからね、早く家に帰ってお父様に報告しないと。恋慕う人が出来てその人と婚約したいって。それからルトへ公爵家へ打診してルトが受けてくれたら婚約出来るわ」
「俺は直ぐに受ける」
「うん」
「医師の診察は?」
「もう家に帰っても大丈夫って。後は散歩して体力を付けて下さいって言われた」
「そうか。明日、俺、非番なんだ。明日一緒に俺もついて行く。だから帰るのは明日でも良いか?」
「うん。レイに今日荷物を持って一度帰って貰うから明日帰る事をお父様に伝えて貰うわ」
「いや、お父上には俺から連絡を入れる」
「分かった」
「また夜に戻って来る」
「行ってらっしゃい」
「行ってくる」
ルトは私の額に口付けして部屋を出て行った。
部屋を見渡し、今日で最後かと思うとやっぱり寂しい。私が寝るまで髪を撫でてくれた優しい手、愛しいと語る瞳、心休まる心地良い空間、目覚めて横にいる愛しい人、綺麗な黒髪を撫でる一時、毎日交わす会話、側に居るのが当たり前になって、愛しさが毎日毎日積もる。
寂しい。ルトの温もりも、ルトの声も、もう毎日感じる事も、聞く事も出来なくなる。
夜、いつもの様に後ろからルトに抱きしめられ布団に入る。 私はルトの方に向き直しルトを抱きしめる。
「リー?どうした?」
私は首を左右に振る。
「俺のお姫様はご機嫌斜めかな?」
私は首を左右に振る。
「リー?」
「…………寂しい」
「うん、俺も」
「明日からルトが側に居ないの。ルトの温もりも声も聞けない。それが寂しい。ものすごく寂しい」
「俺も明日からリーが側に居ない事が辛い。毎日リーを抱きしめてリーの温もりを感じて側に俺の腕の中に居る事を実感できて安心できた。側を離れたらまた忘れられたら、記憶を封じたらと思うと不安でまた眠れなくなる」
「ルト、離れたくない」
「俺も離したくない。ようやく、ようやくなんだ。ようやく俺を思い出してくれて、ようやくリーに触れられる様になったんだ。離したくない」
「12年だもんね」
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「うん」
「離れても俺を忘れないでくれ。朝目覚めても俺を覚えていてくれ」
「もう忘れない。覚えてる。ルトは私の愛しい旦那様でしょ?」
「ああ。愛してる」
「私も、ルトを愛してる」
「毎日会いたい」
「会いに来て?」
「毎日声を聞きたい」
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「リーが眠るまで髪を撫でて、リーの寝顔を見たい」
「ルトの優しい手で撫でられるの好き。私もルトの綺麗な黒髪を撫でたい。寝てるルトを眺めていたい」
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「リー」
ルトは私を力強く抱きしめた。私はルトの胸で泣いた。
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優しい手が私の髪を撫でる。
「リー、愛してる」
額に口付けを、
「リー、直ぐに迎えに行くから待っててほしい」
ルトは私を抱きしめた。
「ルト、待ってる。早く迎えに来て」
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