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デートに行きます

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 ザック様とお付き合いするようになってからもザック様は毎日宿舎まで送ってくれます。私を宿舎まで送り、また王宮へ戻られる時もあります。

 今日はお互い休みを申請し、何度目かのデートです。


 私は宿舎の前でザック様をお待ちしています。


「ガネット待たせた」

「待ってないわ」

「行こうか」


 私をエスコートし馬車へ乗り込みます。馬車は見晴らしのいい小高い丘に着きました。

 丘の上の芝生の上に座り、


「ねえザック」

「何だ?」

「私はいつ貴方の馬に乗せてくれるの?前に遠乗りに行かないかと誘ってくれたじゃない」

「前は何が何でもガネットの気をひきたかったからな。でも、俺の愛しいガネットにもし怪我でもさせたらと思うと馬に乗せる事が怖いんだ」

「ザックの気持ちは嬉しいわ。今じゃなくても良いからいつか必ず乗せてね?」

「ああ、馬で走ると気持ちいいんだ。ガネットにも体験してほしい」

「楽しみに待ってる」

「昼ご飯でも食べようか」

「用意してないわよ」

「持ってきた」


 ザック様は籠からサンドイッチを取り出しました。


「ありがとう。でも言ってくれれば作ってきたのに」

「本当は観劇を見に行こうかと思ってたんだ。だけどこんな天気の良い日に建物の中にいるより外の方が良いと思ってな。ただボーっとするだけでもガネットとすごすってだけで幸せな時間だ」

「私もよ。今度は私が作ったサンドイッチを持ってまた来たいわ」

「その時は馬で来よう。ガネットが作るサンドイッチ楽しみにしてる」

「美味しくなくても文句は言わないでね」

「ガネットが作る物が不味い訳がないだろ」

「ふふっ」

「今は泊まりとか出来ないけど、結婚したら、」

「結婚?」

「ガネットは俺と結婚したくないのか?」

「そうじゃないわ」

「なら俺と結婚してくれ」

「私で良いの?」

「ガネットが良いんだ。俺はガネットを一生愛す自信がある」

「ザック」

「愛してるガネット」

「私も愛してるわ」


 ザックの唇と私の唇が重なり、始めて口付けしました。


「照れた顔も可愛い。このまま俺の腕の中にしまい込みたい」

「恥ずかしいわ」


 それから二人で横になり、私はザック様の腕の中でとても幸せな気持ちになりました。

 ザック様は私の髪を愛おしそうに眺めながら優しく撫でてくださいました。


「ガネット」

「はい」

「子供は男の子二人が良いな」

「え?」

「俺も弟がいるんだが、父上の様になりたいと兄弟で切磋琢磨している」

「はい」

「俺も子供から尊敬される父親になりたい」

「ザックならなれるわ」

「でもガネットに似た女の子も良いな。俺は激愛しそうだ」

「私はザックに似た男の子が産みたいわ」

「男の子でも全員ガネットに似てほしい」

「何で?」

「俺は見目が良い方じゃない。それに大柄だ」

「私はザックの事格好いいと思ってるわよ?大柄だって私を丸ごと包み込んでくれてるみたいで安心するわ。それにとても幸せになるの」

「ガネット」


 私を丸ごと包み込むザック様の腕の中が私の安らぎの場所となりました。


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