16 / 19
俺は何て事をしたんだ
しおりを挟む
朝、ガネットに「今日は何の日かご存知ですか」と、そして「今日は早く帰って来て下さいね」と言われた。始め言われた事が分からなかったが、隊員の一人に「結婚記念日ですけど何を贈るんですか?」と言われ、慌てて贈り物を探しに街へ来た。
ネックレスを購入し、引き出しに入れる。今日は早く帰ろう。昨日のように結婚式を思い出す。真っ白なウエディングドレスを着た姿は天使だと思った。こんな俺の妻になってくれてありがとうと神に何度感謝したか。
早く帰りたいが為に訓練を少し厳しくしたらしく、隊員に酒を奢れと言われた。仕方なく一杯だけ飲んで帰ろう。後はお金を置いておけば好きに飲むだろう。
隊員達と酒場へ行き、一杯酒を飲む。
明日からエミーと旅行だからな、早めに帰ろうとお金を置いて席を立った。その足でエミーの家に行き、朝早く旅行へ出掛けた。
俺は今日が結婚記念日だという事もネックレスも引き出しにしまったままだという事も忘れていた。
遠征と言う名の旅行から帰って来て、
「旦那様!」
執事の慌てた様子に、
「ガネットに何かあったのか」
「あったのかって旦那様知らないのですか?」
「何があった。ガネットはどこにいる、部屋か?」
「こちらをご覧下さい」
「それよりガネットが先だ」
「いえ!先ずはこちらをご覧下さい!」
執事に渡された紙を見る。
『離縁を受理する』
「何だ…これは………」
「奥様から離縁がなされました」
「ガネットから?」
「旦那様が遠征と言う名の愛人との旅行に行かれる前日、奥様は朝何と言われましたか?」
「朝……」
「奥様は、今日が何の日かご存知かと、早く帰って来てとおっしゃいました」
「…結婚…記念日…だ………。ネックレスも…用意した……」
「それも三年目の結婚記念日です」
「三年目……」
「そうです。三年間子供が出来ませんでした。女性側から離縁を申し立てる事ができるのです」
「異議の、異議の申し立てをする」
「出来ません」
「何故だ」
「旦那様は愛人が今迄に数人いました。そして今日愛人との旅行から帰って来たばかりです。奥様は証拠も提出なさっています。覆る事は絶対にありません」
「嘘だ……」
「旦那様と奥様は離縁しました」
「嫌だ……」
「もう覆りません」
「俺は…ガネットを愛してる……」
「奥様を愛してるのなら、何故愛人を囲ったのです。奥様だけを愛せば良かったのです」
「嫌だ、嫌だ…。ガネットと別れるなんて嫌だ」
「ご自分の行いです」
「嫌だ…」
俺はフラフラと歩いてガネットの部屋の中へ入る。
「ガネット、いるんだろ?」
静寂が主がいない事を物語っていた…。
「ガネット、ガネット、返事をしてくれ、お願いだ。俺が悪かった。愛してるのはガネットだけだ。なあガネット、返事をしてくれ」
いくら呼んでもガネットからの返事は無かった。
俺はクローゼットを開ける。綺麗に並べられてるドレス、宝石、髪留め…。
「ガネットのドレスが置いてある。ガネットは帰って来る」
その一枚一枚を見る。
「俺が贈ったドレス…。これは婚約してから贈ったドレスだ」
宝石も髪留めも見た。
「これは婚約したときに贈った指輪だ。これも俺が贈った宝石だ。髪留めも俺が贈った………」
机の上に、
「これは…結婚式で…お互いはめた…結婚……指輪………」
俺はフラフラになりながら夫婦の寝室へ入る。もしかしたらガネットがいるかもしれないと願って。
ベッドの上に手紙が置いてあった。俺は直ぐに手紙を読んだ。
ネックレスを購入し、引き出しに入れる。今日は早く帰ろう。昨日のように結婚式を思い出す。真っ白なウエディングドレスを着た姿は天使だと思った。こんな俺の妻になってくれてありがとうと神に何度感謝したか。
早く帰りたいが為に訓練を少し厳しくしたらしく、隊員に酒を奢れと言われた。仕方なく一杯だけ飲んで帰ろう。後はお金を置いておけば好きに飲むだろう。
隊員達と酒場へ行き、一杯酒を飲む。
明日からエミーと旅行だからな、早めに帰ろうとお金を置いて席を立った。その足でエミーの家に行き、朝早く旅行へ出掛けた。
俺は今日が結婚記念日だという事もネックレスも引き出しにしまったままだという事も忘れていた。
遠征と言う名の旅行から帰って来て、
「旦那様!」
執事の慌てた様子に、
「ガネットに何かあったのか」
「あったのかって旦那様知らないのですか?」
「何があった。ガネットはどこにいる、部屋か?」
「こちらをご覧下さい」
「それよりガネットが先だ」
「いえ!先ずはこちらをご覧下さい!」
執事に渡された紙を見る。
『離縁を受理する』
「何だ…これは………」
「奥様から離縁がなされました」
「ガネットから?」
「旦那様が遠征と言う名の愛人との旅行に行かれる前日、奥様は朝何と言われましたか?」
「朝……」
「奥様は、今日が何の日かご存知かと、早く帰って来てとおっしゃいました」
「…結婚…記念日…だ………。ネックレスも…用意した……」
「それも三年目の結婚記念日です」
「三年目……」
「そうです。三年間子供が出来ませんでした。女性側から離縁を申し立てる事ができるのです」
「異議の、異議の申し立てをする」
「出来ません」
「何故だ」
「旦那様は愛人が今迄に数人いました。そして今日愛人との旅行から帰って来たばかりです。奥様は証拠も提出なさっています。覆る事は絶対にありません」
「嘘だ……」
「旦那様と奥様は離縁しました」
「嫌だ……」
「もう覆りません」
「俺は…ガネットを愛してる……」
「奥様を愛してるのなら、何故愛人を囲ったのです。奥様だけを愛せば良かったのです」
「嫌だ、嫌だ…。ガネットと別れるなんて嫌だ」
「ご自分の行いです」
「嫌だ…」
俺はフラフラと歩いてガネットの部屋の中へ入る。
「ガネット、いるんだろ?」
静寂が主がいない事を物語っていた…。
「ガネット、ガネット、返事をしてくれ、お願いだ。俺が悪かった。愛してるのはガネットだけだ。なあガネット、返事をしてくれ」
いくら呼んでもガネットからの返事は無かった。
俺はクローゼットを開ける。綺麗に並べられてるドレス、宝石、髪留め…。
「ガネットのドレスが置いてある。ガネットは帰って来る」
その一枚一枚を見る。
「俺が贈ったドレス…。これは婚約してから贈ったドレスだ」
宝石も髪留めも見た。
「これは婚約したときに贈った指輪だ。これも俺が贈った宝石だ。髪留めも俺が贈った………」
机の上に、
「これは…結婚式で…お互いはめた…結婚……指輪………」
俺はフラフラになりながら夫婦の寝室へ入る。もしかしたらガネットがいるかもしれないと願って。
ベッドの上に手紙が置いてあった。俺は直ぐに手紙を読んだ。
478
お気に入りに追加
4,121
あなたにおすすめの小説
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
あの子を好きな旦那様
はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」
目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。
※小説家になろうサイト様に掲載してあります。
二度目の恋
豆狸
恋愛
私の子がいなくなって半年と少し。
王都へ行っていた夫が、久しぶりに伯爵領へと戻ってきました。
満面の笑みを浮かべた彼の後ろには、ヴィエイラ侯爵令息の未亡人が赤毛の子どもを抱いて立っています。彼女は、彼がずっと想ってきた女性です。
※上記でわかる通り子どもに関するセンシティブな内容があります。
どうやら婚約者が私と婚約したくなかったようなので婚約解消させて頂きます。後、うちを金蔓にしようとした事はゆるしません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者アルバン様が私の事を悪く言ってる場面に遭遇してしまい、ショックで落ち込んでしまう。
しかもアルバン様が悪口を言っている時に側にいたのは、美しき銀狼、又は冷酷な牙とあだ名が付けられ恐れられている、この国の第三王子ランドール・ウルフイット様だったのだ。
だから、問い詰めようにもきっと関わってくるであろう第三王子が怖くて、私は誰にも相談できずにいたのだがなぜか第三王子が……。
○○sideあり
全20話
貴方の運命になれなくて
豆狸
恋愛
運命の相手を見つめ続ける王太子ヨアニスの姿に、彼の婚約者であるスクリヴァ公爵令嬢リディアは身を引くことを決めた。
ところが婚約を解消した後で、ヨアニスの運命の相手プセマが毒に倒れ──
「……君がそんなに私を愛していたとは知らなかったよ」
「え?」
「プセマは毒で死んだよ。ああ、驚いたような顔をしなくてもいい。君は知っていたんだろう? プセマに毒を飲ませたのは君なんだから!」
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる