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しおりを挟むマーガレットはあれから大人しくなり半年が過ぎた。
「お母様、私ジルトと結婚するわ」
「貴女またなの?ジルトを巻き込むのはやめなさい。お母様それだけは許さないわ」
ジルトはライラの息子。
ようやく本の世界と現実は違うって分かってくれたと思っていたのに…。
「え~、私はジルトと結婚するのが一番幸せになれるのよ」
「それは相思相愛ならでしょ。貴女はジルトを好きなの?」
「好き?それは分からないけどジルトといると楽しいわ。だってジルトって面白いのよ?この前もね、」
マーガレットはこの前一緒に遊んだ時の話を聞かせてくれた。
『ジルト、私ねやっぱり銀色の髪の騎士と結婚したいの。第一王子はやめたわ』
『やめたんだ。で、マーガレットは髪の毛の色と結婚するの?』
『違うわよ、失礼ね』
『なら騎士だけならこの国に大勢いるよ?俺だって今テオに剣を習ってるしね。なら俺は騎士見習いだ』
『馬鹿なの?』
『馬鹿はマーガレットだろ?本の中の男に惚れて何がしたいの?本の中の男と結婚できるの?』
『だからよく似た人を探しているんでしょ』
『ずっと前にも魔法が使える人と結婚するって言ってたけど、俺達が生きてる世界に魔法は存在しない。あれは本の創作品だ』
『そんな事分かってるわよ!』
『マーガレットが本の中の世界を楽しむのは悪い事じゃない。でもね、髪の毛の色なんて飾り物と同じ。銀色の髪の毛でもブラウンの髪の毛でも騎士は騎士、違うか?』
『そう、だけど…』
『なら騎士と結婚すれば良いだろ?でもさ、騎士とか肩書きと結婚しても幸せになれるとは思えないけどね』
『騎士なら守ってくれるわ』
『俺も剣の稽古を積めば守れるよ』
『私は白馬に乗った王子様が良いの』
『茶色の馬だけど俺だって愛する女性の王子にはなれる』
『王子は花が似合うの。それに花束をいつも持ってるのよ』
『花が似合うか似合わないかはその人を見る気持ち次第だろ?それに花束は持ってないけど花のキャンディーはいつも持ってるよ。はい、あげる』
『ジルトって私が好きなの?』
『まさか。マーガレットといると疲れるから嫌だ』
『失礼ね』
『だってそうだろ?マーガレットは本の中の世界で生きてる人間だ。マーガレットはこれからも本の中の世界で生きてく人間だろ?いっその事本でも書いてみたら?
それに俺、振り回されるのは好きじゃない。どちらかと言えば振り回したい方なんだよ。だからごめんね』
マーガレットは少し怒りながら話してくれた。
「ジルトにこうやって言われたの。失礼だと思わない?でもそれが面白いって思えたの」
「ハハハッ、流石ライラの息子ね」
「お母様笑い事じゃないわ」
「それで?貴女はどうしてジルトが良いの?」
「だって私の言う事を覆してくるんだもの。それに癇に障る事を言うけど、言ってる事は本当の事だもの…。だからね?ジルトだけは私を見捨てないって思ったの」
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