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2.れっつごーー

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西城学園…どこかで聞いた事あるような、ないような?

「そう。あそこなら私立だし寮もしっかりしてるわ」

ふむふむなるほど

ん?

「そんなんじゃ僕の求めてる不良生活出来ないんだけど!いくら僕がちょっとお馬鹿さんだからってそんなのには引っかからないよ」


「あら聞いた事ない?あそこは弱肉強食で弱いものから退学処分になるって有名なところよ?」


「そんな物騒な学校あるわけ…あった」


そう西城学園とは日本で一位二位を争う程有名な私立不良高校。
場所は山奥にあり弱いものから次々に退学処分になり年に何人もの退学者が出ているのだ。


「そうでしょ?透ちゃんがそこまでやる気があるなら行ってきたらどう?」


「お、お母さん。僕行くよ!こんなに僕の背中を押してくれたんだもん」

お母さんは絶対ダメって言うと思ったのにこんなに前向きに考えてくれるとは
僕は感動と念願の不良高校に行ける喜びで気分は最高である


こんなに喜んでいる透だか母の企みは__


ふぅ…とりあえずは言いくるめられたわね。透ちゃんが天然で良かったわ。

全くもう、透ちゃんが不良なんて出来るわけないのに
あんな有名な西城学園に入ったら一日で怖くて帰ってくるわね。それにあそこは喧嘩や何かしら強くないとすぐに退学処分になる。
今のうちに次の私立の安全な高校を探しておきましょ。
可愛い可愛い透ちゃんには一生幸せでいてほしいわ、これは母親として当然の気持ちでしょ?




「ふふふーん僕も不良の仲間入りだぁ」


頭がお花畑な透は完全に自分の世界に入っているので、母が何を企んでいるのか知る余地もないのであった…



数日後__



「行ってくるねお母さん!」


とうとう今日は待ちに待った西城学園の転校日だ。


「行ってらっしゃい。嫌になったらすぐに帰ってくるのよ?いつでも次の学校は準備してるから」


お母さん何故だか次の学校をもう手配済みらしい
僕は西城学園に行くのになんでだろ?



タクシーで揺られて2時間後_


すっかり僕が見慣れた街並みは消えて辺りは緑だらけである。
あの漫画の様な世界が待ち侘びていると思うとウキウキが止まらない
準備運動がてらに、パンチの練習をタクシーの中でしている僕をさっきからお髭の生えたおじさんがチラチラと見ている。

っふ、僕のパンチに身惚れたか


実際は子猫のパンチでしかなかった透を見て、おじさんは心配しているのであった。


こいつ本当にあの西城学園に行くつもりか!?
見た目はひょろっちぃし、やけに可愛い顔してやがる。何故かドヤってるし…
不安すぎるだろこいつ

はぁこいつは何日持つか…私立の有名校とはいえ、わざわざこんな山奥のおっかねぇ学校に俺は死んでも行きたくねぇけどな。
こんな時期に転校なんて変わった奴もいるもんだ。


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