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第11話 2度目の悲劇

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 目白家にて追加で鮭で1品作ることになりひとまず何を作るか考えていた。

 普通の焼き鮭では面白みがないし……。
 そんなことを考えていると、開封済みの料理酒が目に付いた。せっかくだしこれを使ってみるかと海斗は他に必要なものを集めてみた。
 一通り揃ったので着々調理を進め始める。
 調理と言っても鮭に軽く火を通してホイルに入れただけである。
 後はホイルに追加でトマト、レタス、スライスレモン、バター等を入れ、料理酒と醤油を適量入れてレンジで加熱するだけである。

 そう、鮭のホイル酒蒸し焼きである。

 普段から家で作ってる為手惑うことなく作ることが出来あっという間に出来上がった。


 あっという間に先に作っていた肉じゃが、塩昆布レタス、そして今さっき出来上がった鮭のホイル酒蒸し焼きが目白家の食卓に並んだ。
 最後に味噌汁、白米が用意されたので上で横になってる幸さんを起こしに朱さんが上の階へと登って行った。


「あらダーリン、私に会いに来てくれたのね」
「開口早々それなら元気になったようで良かったよ」
 一休みしたらすっかり元気になった様子の幸さんなのであった。

「幸さんが起きたことだし、遅くならないうちに夕飯にしましょ」
 いそいそと食卓につく朱さん。

「ねえ、ダーリン」
 小声で幸さんが話しかけてくる。
「あのホイル焼きってお酒使ってないわよね?」
 と何かに怯えるように聞いてきた。
 もちろん返答は
「風味が良くなるし、普段の調理法だから使ったけど」
 そう答えた。

 すると幸さんが震え始めた。
 怒ってるのかそれとも怯えてるのかのように。

「朱おねえさん、それ開けるの待って!」
 朱さんがホイルの包みを開ける直前に幸さんがストップをかけた…

 のだが


 ピリッ

「あ、ごめん開けちゃった…わ……」
 と開けてしばらくしてから朱さんの様子がおかしい。
 これは、と海斗は身構えた。


「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
 朱さんが壊れた。
「あー……またか……」
 幸さんと従姉妹って言ってたし血筋だろうなこれは。
 海斗がそう考えた刹那。

「何か物足りないのよねぇ……」
 これは、話が通じる系のパターンか!
「そう、あなたのウィンナーが!」

「やっぱり血筋じゃねぇかァァァァ!」
【悲報】  朱さんが下ネタ大好きお姉さんの可能性大

「幸さん!説明プリーズ!」
 状況が理解できないのでこればっかりは身内に聞くしかないと判断した。

「朱おねえさんはね、アルコールに極端に弱いのよ」
 と超簡潔に説明してくれた。
「つまりは俺のせいってことか」
「そういう事ね」
 とやり取りしてここである種の疑問。というか幸さんに付きまとわれてから気にするようになったこと。

「アルコールが弱いのはわかったけど、あの豹変っぷりは?」
「朱おねえさんは微量でもアルコールが入ると下ネタバンバン言い出すわよ」
 はい、確定。

「あのさ、もしかしてココ最近割と頻繁にこうなってた?」
 お願いだから違うと言ってくれ……

「違うと言ってくれと思ってるみたいだけど残念ながら頻繁にこうなってたわよ」
 ナチュラルに思考読み取られた。

「ねぇ、ウィンナー食べさせてよォ」
「どさくさに紛れてズボンのベルトに手をかけないでください!」
 この家やべぇ……
 ヤンデレストーカーの幸さんに色気たっぷり下ネタ大好きお姉さんの朱さん。


 癖強すぎだろ!今すぐ逃げなきゃ!作った夕飯とかそれどころじゃない!これはヤバい!

「ダーリン、どうして慌てるの?そのまま身を委ねればいいのに……」
 おや?幸さんの様子が………

「いや、もう分かってるんだけどね」

「ゾクゾクするじゃない!」
 ヤンデレモード開始。

「ウインナーだけじゃ物足りないからミートボールも貰っちゃおうかしらー
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
 もう片方には下ネタお姉さん。



「これどう収集つけるんだよ…………」
 海斗、絶体絶命を乗り越えられるのか


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