ヤンデレストーカーに突然告白された件

第8話 幸さんの変化

　ヤンデレストーカーの深沢 幸みゆきが俺の家に迎えにこなくなって(別に頼んでなかったけど)早3日がたった。

　1日目は休んでたようだがその後ちゃんときており遅刻早退もないようだ。
　だが、明らかにあの日から態度が一変した。


　一番の話の内容の変化である。前までは
｢おはようダーリン、愛してる｣
｢あらダーリン、今日の朝ごはんのブルーベリーヨーグルト美味しそうに食べてたわね｣
｢昨日寝るの随分早かったわね｣
　などであったのだが……

　ところが今では
｢ダーリン、おはよう、大好きよ｣
｢おはよう、幸さん｣
　と、他愛のないいつもの挨拶を交わすのだが
｢ところで今日の占いラッキーアイテム赤の下着らしいわよ｣
　このようにやや踏み込んだ話をぶち込むことが多くなった。特にこの手のセクハラのギリギリライン。
｢へぇ、そうなんだ｣
　流石にこう返されてはなかなか続けられないだろう!



　と油断するのが悪い癖。
｢実は今赤いパンツ穿いてるんだけど、どうする？｣
｢どうもしないよ!?てかそんなカミングアウトするな！｣
　赤い紐パンを穿いてるセクシー姿の幸さんを想像してしまったとか絶対言えない。
｢冗談よ、ちゃんと予備の赤いパンツ持ってきてるからそっちを穿いて｣
｢そういう問題じゃないよ………｣
　とこっちの意思が伝わってないのに愕然がくぜんとしてると

｢あー、そういう事ね｣
　突然納得したように幸さんが頷いた。
　やった！やっと通じた！

｢わたしが穿いてたパンツをじっくり見たいなんて、あなたも変態だったのね！｣
　何一つ通じちゃいねぇーーーー！
｢もう困ったダーリンね…ふふふっ…あぁっ…ゾクゾクしてきちゃった…｣
　いきなりヤンデレモードに入りかける幸さん。

｢ちょっと待て、ここ学校の教室だよ！？｣
｢そんなに焦らさないでよ…あ、まさかそういう趣味なのね…いいわね…｣
　ダメだ聞く耳持たねぇ！
　正直こんな手は使いたくなかったがヤンデレモード止める方法は少ないのだから仕方ない。

｢あら？急に近づいてきてどうしたのかしら？｣
　意を介さずにずんずんとさっきとは違って幸さんに近づいていく。

　覚悟を決めろ！


｢そんなに言うんだったら後で美味しく食べてやろうか？？｣


｢優しく………お願いします………｣ﾕｻｯ
　どうにかして精一杯のドSイケボで収めたがとてつもなく恥ずかしいから絶対やりたくなかった。だが、流石に今回はやらざるを得なかった。
　幸さんはと言うとすぐさま気を失い、保健室に連れて寝かせにいくところである。


　保健の先生にからかわれつつも無事に幸さんを寝かせられて保健室から出た所で少し考え事をした。

　この3日での幸さんの変化である。以前までも日常生活での謎報告は確かにあったが、さっきみたいに露骨に下ネタみたいなことは無かった。

　この前みゆきさんと一緒にいた時に会った"朱"おねえさんという人が関係してるのだろう。

　帰りに出会った場所で待ってみよう。あの日だけ使う道ではないだろう。

　と、何故か俺は幸さんが変わってしまった真相を知りがっていた。

　その理由はまだ知るよしもなかった。