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第3話 幸との日常
しおりを挟む町屋海斗が深沢幸に付きまとわれ始めた。
普通に可愛い子なら男子なら大歓迎であろう。
だが幸は「普通」ではない。出来れば関わりたくないレベルで。
例えば……
トイレにて
「キャーーーー!」
「もっと見せなさいよ、その姿を!」
悲鳴あげたのは男である海斗であり、見せろ見せろと言っているのは女である幸である。
更には
海斗の家にて
「ただいまー、って誰もいないんだけどね。
両親は海外だし」
「おかえりなさい、お風呂にする?ご飯にする?それともあ・た・「なぜいる!?」し?」
「合鍵作ったからに決まってるじゃない」
と思い出すだけで寒気が止まらない。
そして2ヶ月が過ぎようとしていた…
「おはよう、海斗くん」
「毎度毎度、家の前の電柱に隠れて待つのやめてくれない?分かってても心臓に悪い」
2ヶ月付きまとわれ続ければタメ口になってしまうもので、すっかり慣れてしまった。
「それで海斗くん、今日の朝ごはんのカレーは美味しかったかしら?」
「どこで見てるのか分からないけどほんと怖いな…」
「そんなことないわよ」
「あるわ!」
この謎の朝ごはん報告がもう毎日の定番なのがヤバい。
「あのさ、幸さん」
「何かしら?」
「毎日俺とばっかいるけど飽きないの?俺つまらないでしょ」
「反応がもう好き、分かっててもビクビクしてる所とかもうゾクゾクするわ!」
「あー、もうわかったわかった!」
どうやら普段の生活見てるだけで幸は満足なようだ。
「特に家帰った時に私がいないかキョロキョロ確認しながら部屋に向かう時とか、笑いこらえるのが大変だったわ」
「あの時物音したのは勘違いじゃなくてあんたの仕業かーーー!」
やっぱ、この子とは離れたい。
そんなこんなで学校に着いたのだが…
「あ、例の子達がきたよ」
「リア充滅びろ」
何故かわからんが学校では俺と幸さんが付き合ってることになってる。迷惑すぎる。
「ではまたね愛しのダーリン」
「普段じゃ全くその呼び名してないだろうが!」
「そんな欲しがりさんだったなんて…フフフ」
「駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・」
いや、無理だ俺には無理だ。
そんなこんなで今日も幸さんに振り回される日になりそうだ。
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