2 / 8
梅酒
後編
しおりを挟む
約束をした時はなんだかおかしくて、笑っていたが、僕達は本当に約束を果たそうとしていた。
だけど、ある日、僕達は大喧嘩をした。喧嘩した理由なんて全く覚えていない。大人ですら止めるのが大変なほどの喧嘩だった。
以来、僕達は口を聞かなくなった。
顔も合わせることも無くなり、次第に僕達は離れていった。
だけど、約束のことだけはずっと覚えていた。
中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、新しい親友が出来ても、何があっても、一瞬でさえ忘れることは無かった。
別に意識してるわけじゃない、むしろ忘れたい記憶だった。
僕とあいつはもう、友達では無いのだから。
~~~
未だ雨音が聞こえる中で、買い物袋に手を伸ばし、そこから梅酒の入った紙パックを取り出した。
キャップをひねって開けて、ロックアイスの入ったコップに注いだ。
爽やかな匂いがした。
酒を飲むと何かを忘れられるとよく聞く。
この酒を飲んで、忘れたいのに忘れられない約束を忘れてしまおう。
そして、約束を忘れるために約束を破った。
初めて飲んだ酒の味は、とてもしょっぱかった。
だけど、ある日、僕達は大喧嘩をした。喧嘩した理由なんて全く覚えていない。大人ですら止めるのが大変なほどの喧嘩だった。
以来、僕達は口を聞かなくなった。
顔も合わせることも無くなり、次第に僕達は離れていった。
だけど、約束のことだけはずっと覚えていた。
中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、新しい親友が出来ても、何があっても、一瞬でさえ忘れることは無かった。
別に意識してるわけじゃない、むしろ忘れたい記憶だった。
僕とあいつはもう、友達では無いのだから。
~~~
未だ雨音が聞こえる中で、買い物袋に手を伸ばし、そこから梅酒の入った紙パックを取り出した。
キャップをひねって開けて、ロックアイスの入ったコップに注いだ。
爽やかな匂いがした。
酒を飲むと何かを忘れられるとよく聞く。
この酒を飲んで、忘れたいのに忘れられない約束を忘れてしまおう。
そして、約束を忘れるために約束を破った。
初めて飲んだ酒の味は、とてもしょっぱかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる