28 / 124
第28話 断魔装備ガチャ百連
しおりを挟む
「ディーノさん。ブラッドレックスの魔石が売れましたよ」
俺が冒険者ギルドに顔を出すとセリアさんから声をかけられた。
「あれ? 思ったよりも早かったですね」
「はい。例のゴブリン討伐の件で必要なのだそうで、領主様の軍にかなりの値段で買い取って頂けました」
それから俺は前回フリオに見られたせいで報酬を受け取れなかった事を考慮され、奥の個室で報酬を受け取った。
「はい、こちらが魔石の売却代金 52,000 マレ、前回の護衛依頼の成功報酬 1,000 マレ、それからゴブリンの掃討作戦の時の報酬 100 マレの合計 53,100 マレとなります」
「ありがとうございます」
よし。これでまたガチャが引ける。今度こそ神引きして、断魔装備フルセットと『MP 強化』を手に入れたい。それから『HP強化』と『STR強化』も欲しいところだ。
俺はとりあえず今日引く百連分のチケットに交換すると大量の大金を懐にしまい、そして家路を急ぐ。
この世界には銀行預金などと言うものは存在していないしクレジットカードなどと言うものも存在しない。だからこうして金貨を運ぶしかないのは不便極まりないうえに物騒でもある。
そろそろ、冒険者ギルドの近くに引っ越したほうが良いかもしれない。
そんな事考えているうちに俺は無事家に到着した。
「おかえりー!」
「ただいま! って、フラウも一緒に帰ってきたじゃないか」
「そうだけどねー。気分?」
フラウはそう言ってニッコリと笑う。
「それよりも! ガチャだよね!」
「そうだな。ガチャだな!」
「今日は何連引くの?」
「まずは百連だな。ピックアップがあるなら俺の神引き力で聖剣を引けるはずだ」
「おー。さすがディーノだねー。神引き、期待しちゃってもいいんですか?」
「いいんです!」
何故か前世のとあるタレントが頭に浮かんだがまあ良しとしよう。
俺は早速ガチャのスクリーンを操作して断魔装備ガチャの画面を開く。
「さて、まずは最初の十連! 行っきまーす!」
俺はしっかりと集中をして、それから気合い入れ、更に願いを込めてガチャを引くボタンをタップする。
するといつも通り妖精たちが箱を一生懸命運んで来た。木箱が六つ、そして銅箱が三つ、そして銀箱が一つだ。
「よし!最初から調子いいぞ! 変われ! 金箱!」
しかし残念ながら銀箱は金箱には変化しなかった。変化はしなかったがそこから出てきたのは『DEX強化』だった。
「よーし! いきなりステータス強化はアツい! よし! 当たり!」
「やったね。最初からこんなに神引きしちゃっていいんですか?」
「いいんです!」
俺もフラウも絶好調だ。
そしてさらに銅箱が一つ銀箱へと変化する。
「よし! いいぞ! もう一回ステータス強化! 来い!」
だがその銀箱から出てきたのは『鉄の盾』だった。
「あらら。ま、まあいい。予備ゲットだ。良しとしよう」
「んー、ドンマイ。でも☆4だし良かったじゃない」
「それもそうだな。流れは悪くない。よし、気を取り直して次を引いて行こう」
俺は再びスクリーンを操作して次のガチャを引いていく。今度はいきなり銀箱が二つに銅箱が二つだ。やはり前回銀箱があまりでなかった分今回は取り戻しているかの様ようだ。
そう、ガチャというのは悪い流れが去れば必ず良い流れが来るようにできているのだ。
「よし! 金箱!行けっ! 来いーっ!!!」
しかし俺の叫びも空しく箱は変化しない。だが最初の銀箱から『AGI強化』が出てきた。
「よーし! ステータス強化! よし!」
「すごーい! 流石神引き男だねっ!」
「おうっ!」
俺はフラウとハイタッチを交わす。
そして次の銀箱は『治癒のポーション(低)』だった。これも何かあった時のためにはあって困る物ではない。ポーションはかなりの高級品なのであたりといっても過言ではないだろう。
「よし。悪くない。よしよし」
この流れを引き継いで断魔の聖剣を是非とも神引きしたい。俺は間髪入れずに次のガチャを引いていく。
そう、この良い流れを途切れさせるわけにはいかないのだ。
次も最初から銀箱が一つある。残りは銅箱が一つで全部木箱だが、これが金箱に変われば良いのだ。
銀箱が開かれる前に銅箱が回ってきた。そして銅箱は銀箱に変化する。
「よし! いいぞ!」
箱の中から出てきたのは『鉄の剣』だった。ありがたいと言えばありがたいが、俺は既に鋼の剣を自前で購入してしまったので微妙な気分ではあるが、スペアが銅の剣から鉄の剣になったと思えば悪くは無いかもしれない。
そして次は銀箱の番だ。
「変われっ!」
「行け―」
フラウも俺と一緒に応援してくれている。これなら!
そう思ったがガチャの神様はそう甘くはなく、銀箱のままだった。
そして箱が開き中身が飛び出してきた。
『☆4 鉄の盾』
「おいっ! 二個目ッ!」
驚いてつい大声を上げてしまったがさすがにこれはない。
どうしてこんなに鉄の盾ばっかり出るんだ!
いや、まあ、これがガチャと言われればそうなのだが、やはりどうしても納得いかない。
「ディーノ、仕方ないよ。でもきっと次は良いのが出るよっ!」
「そ、それはそうだけど」
「ほらっ! 次のガチャが待ってるよ!」
「そうだな。よし。よし。引いてやる!」
俺は気を取り直して次のガチャを引く。しかし☆5はおろか☆4すらも出ない完全な爆死だった。
「ああっ! くそっ! もう一回!」
俺は焦って次のガチャを引く。
だが、しかしよく考えればここで冷静になっておけばよかったのかもしれない。一呼吸置くなどして悪くなった流れを変えることはできたはずだった。
だが俺はそのままずるずると悪い流れのまま爆死を続け、気付けばチケットが無くなっていた。
「はぁっ? もう無いの?」
あまりの事態に俺は間抜けな声を上げてしまったのだった。
────
今回のガチャの結果:
☆4:
AGI強化
DEX強化
治癒のポーション(低)
鉄の剣
鉄の盾×2
☆3:
火打石
干し肉×2
堅パン×4
鉄のスコップ
鉄の小鍋×3
皮のブーツ×2
皮の鎧(下)×4
皮の盾×2
皮の袋
片刃のナイフ
薬草×4
旅人のマント×2
☆2:
ただの石ころ×4
枯れ葉×6
糸×12
小さな布切れ×3
薪×9
動物の骨×6
馬の糞×6
皮の紐×12
腐った肉×7
藁しべ×2
================
断魔の聖剣を神引きするはずがまさかの爆死でした(汗)
神(乱数)は言っている、ここで引く運命ではないと。
俺が冒険者ギルドに顔を出すとセリアさんから声をかけられた。
「あれ? 思ったよりも早かったですね」
「はい。例のゴブリン討伐の件で必要なのだそうで、領主様の軍にかなりの値段で買い取って頂けました」
それから俺は前回フリオに見られたせいで報酬を受け取れなかった事を考慮され、奥の個室で報酬を受け取った。
「はい、こちらが魔石の売却代金 52,000 マレ、前回の護衛依頼の成功報酬 1,000 マレ、それからゴブリンの掃討作戦の時の報酬 100 マレの合計 53,100 マレとなります」
「ありがとうございます」
よし。これでまたガチャが引ける。今度こそ神引きして、断魔装備フルセットと『MP 強化』を手に入れたい。それから『HP強化』と『STR強化』も欲しいところだ。
俺はとりあえず今日引く百連分のチケットに交換すると大量の大金を懐にしまい、そして家路を急ぐ。
この世界には銀行預金などと言うものは存在していないしクレジットカードなどと言うものも存在しない。だからこうして金貨を運ぶしかないのは不便極まりないうえに物騒でもある。
そろそろ、冒険者ギルドの近くに引っ越したほうが良いかもしれない。
そんな事考えているうちに俺は無事家に到着した。
「おかえりー!」
「ただいま! って、フラウも一緒に帰ってきたじゃないか」
「そうだけどねー。気分?」
フラウはそう言ってニッコリと笑う。
「それよりも! ガチャだよね!」
「そうだな。ガチャだな!」
「今日は何連引くの?」
「まずは百連だな。ピックアップがあるなら俺の神引き力で聖剣を引けるはずだ」
「おー。さすがディーノだねー。神引き、期待しちゃってもいいんですか?」
「いいんです!」
何故か前世のとあるタレントが頭に浮かんだがまあ良しとしよう。
俺は早速ガチャのスクリーンを操作して断魔装備ガチャの画面を開く。
「さて、まずは最初の十連! 行っきまーす!」
俺はしっかりと集中をして、それから気合い入れ、更に願いを込めてガチャを引くボタンをタップする。
するといつも通り妖精たちが箱を一生懸命運んで来た。木箱が六つ、そして銅箱が三つ、そして銀箱が一つだ。
「よし!最初から調子いいぞ! 変われ! 金箱!」
しかし残念ながら銀箱は金箱には変化しなかった。変化はしなかったがそこから出てきたのは『DEX強化』だった。
「よーし! いきなりステータス強化はアツい! よし! 当たり!」
「やったね。最初からこんなに神引きしちゃっていいんですか?」
「いいんです!」
俺もフラウも絶好調だ。
そしてさらに銅箱が一つ銀箱へと変化する。
「よし! いいぞ! もう一回ステータス強化! 来い!」
だがその銀箱から出てきたのは『鉄の盾』だった。
「あらら。ま、まあいい。予備ゲットだ。良しとしよう」
「んー、ドンマイ。でも☆4だし良かったじゃない」
「それもそうだな。流れは悪くない。よし、気を取り直して次を引いて行こう」
俺は再びスクリーンを操作して次のガチャを引いていく。今度はいきなり銀箱が二つに銅箱が二つだ。やはり前回銀箱があまりでなかった分今回は取り戻しているかの様ようだ。
そう、ガチャというのは悪い流れが去れば必ず良い流れが来るようにできているのだ。
「よし! 金箱!行けっ! 来いーっ!!!」
しかし俺の叫びも空しく箱は変化しない。だが最初の銀箱から『AGI強化』が出てきた。
「よーし! ステータス強化! よし!」
「すごーい! 流石神引き男だねっ!」
「おうっ!」
俺はフラウとハイタッチを交わす。
そして次の銀箱は『治癒のポーション(低)』だった。これも何かあった時のためにはあって困る物ではない。ポーションはかなりの高級品なのであたりといっても過言ではないだろう。
「よし。悪くない。よしよし」
この流れを引き継いで断魔の聖剣を是非とも神引きしたい。俺は間髪入れずに次のガチャを引いていく。
そう、この良い流れを途切れさせるわけにはいかないのだ。
次も最初から銀箱が一つある。残りは銅箱が一つで全部木箱だが、これが金箱に変われば良いのだ。
銀箱が開かれる前に銅箱が回ってきた。そして銅箱は銀箱に変化する。
「よし! いいぞ!」
箱の中から出てきたのは『鉄の剣』だった。ありがたいと言えばありがたいが、俺は既に鋼の剣を自前で購入してしまったので微妙な気分ではあるが、スペアが銅の剣から鉄の剣になったと思えば悪くは無いかもしれない。
そして次は銀箱の番だ。
「変われっ!」
「行け―」
フラウも俺と一緒に応援してくれている。これなら!
そう思ったがガチャの神様はそう甘くはなく、銀箱のままだった。
そして箱が開き中身が飛び出してきた。
『☆4 鉄の盾』
「おいっ! 二個目ッ!」
驚いてつい大声を上げてしまったがさすがにこれはない。
どうしてこんなに鉄の盾ばっかり出るんだ!
いや、まあ、これがガチャと言われればそうなのだが、やはりどうしても納得いかない。
「ディーノ、仕方ないよ。でもきっと次は良いのが出るよっ!」
「そ、それはそうだけど」
「ほらっ! 次のガチャが待ってるよ!」
「そうだな。よし。よし。引いてやる!」
俺は気を取り直して次のガチャを引く。しかし☆5はおろか☆4すらも出ない完全な爆死だった。
「ああっ! くそっ! もう一回!」
俺は焦って次のガチャを引く。
だが、しかしよく考えればここで冷静になっておけばよかったのかもしれない。一呼吸置くなどして悪くなった流れを変えることはできたはずだった。
だが俺はそのままずるずると悪い流れのまま爆死を続け、気付けばチケットが無くなっていた。
「はぁっ? もう無いの?」
あまりの事態に俺は間抜けな声を上げてしまったのだった。
────
今回のガチャの結果:
☆4:
AGI強化
DEX強化
治癒のポーション(低)
鉄の剣
鉄の盾×2
☆3:
火打石
干し肉×2
堅パン×4
鉄のスコップ
鉄の小鍋×3
皮のブーツ×2
皮の鎧(下)×4
皮の盾×2
皮の袋
片刃のナイフ
薬草×4
旅人のマント×2
☆2:
ただの石ころ×4
枯れ葉×6
糸×12
小さな布切れ×3
薪×9
動物の骨×6
馬の糞×6
皮の紐×12
腐った肉×7
藁しべ×2
================
断魔の聖剣を神引きするはずがまさかの爆死でした(汗)
神(乱数)は言っている、ここで引く運命ではないと。
10
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説
元勇者パーティの最強賢者、勇者学園に就職する。
歩く、歩く。
ファンタジー
魔王を倒した勇者パーティだったが、最後の悪あがきで魔界の門を開かれてしまう。
このままでは第二、第三の魔王が襲ってくる。パーティ最強の賢者ハワードは仲間を守るため、一人魔界に渡ってゲートの封印に成功する。
魔界に残った賢者はひたすら戦い続けた。
襲い来る魔王を殺し、魔物を駆逐する日々。途中右腕を失うも、魔王の腕を義手にする事で魔力を奪う技術を得た彼は、数多の魔王から力を取り込み、魔界最強の男に君臨した。
だがある日、彼はひょんな事から人間界へ戻ってしまう。
人間界は勇者が職業として成立している世界になり、更には勇者を育てるための専門学校、勇者学園が設立されていた。
「残りの人生は、後進育成に努めるか」
勇者学園に教師として就職したハワード。だが大賢者は自重する気がなく、自由気ままに俺TUEEEな教師生活をエンジョイする事に。
魔王の腕を義手に持つ、最強賢者のチートで愉快な学園無双物語。
※小説になろうでも掲載しています。
ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!
桜井正宗
ファンタジー
辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。
そんな努力もついに報われる日が。
ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。
日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。
仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。
※HOTランキング1位ありがとうございます!
※ファンタジー7位ありがとうございます!
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
強さがすべての魔法学園の最下位クズ貴族に転生した俺、死にたくないからゲーム知識でランキング1位を目指したら、なぜか最強ハーレムの主となった!
こはるんるん
ファンタジー
気づいたら大好きなゲームで俺の大嫌いだったキャラ、ヴァイスに転生してしまっていた。
ヴァイスは伯爵家の跡取り息子だったが、太りやすくなる外れスキル【超重量】を授かったせいで腐り果て、全ヒロインから嫌われるセクハラ野郎と化した。
最終的には魔族に闇堕ちして、勇者に成敗されるのだ。
だが、俺は知っていた。
魔族と化したヴァイスが、作中最強クラスのキャラだったことを。
外れスキル【超重量】の真の力を。
俺は思う。
【超重量】を使って勇者の王女救出イベントを奪えば、殺されなくて済むんじゃないか?
俺は悪行をやめてゲーム知識を駆使して、強さがすべての魔法学園で1位を目指す。
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる