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第72話 ライブ配信してみた
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日本時間の午前六時、突如GodTubeからライブ配信が開始されたという通知がリリスのGodTubeチャンネル登録者に対して行われた。
その時間にたまたま起きていた視聴者たちは突然の通知に戸惑うと共に、大慌ててスマホの画面を開く。
すると画面には窓のある室内に置かれた椅子が映っているものの、リリスの姿はない。
「あれ? こう、かな? あれれ?」
スマホからはリリスの困ったような声が聞こえてくる。
「あ! もしかしてもう配信されるの? いっけない!」
慌てたリリスの声が聞こえてくる。
「あっ!」
リリスの短い悲鳴が聞こえ、すぐに静かになった。
それから五秒ほどすると恥ずかしそうな表情をしたリリスが画面の右側から登場し、置かれていた椅子に座ると上気したまま遠慮がちに語り掛けてくる。
「えっと、異世界からこんにちは。リリス・サキュアです。視聴者さんは……」
リリスは自分の配信画面を確認しているのか、左のほうへと視線を逸らした。
「えっ!? もう百人も来てくれてるんですか? あれれ? コメントはどうやって確認すればいいんでしょう……」
タッチパネルの操作だろうか? リリスは左手を画面のほうへと伸ばす。
「あ! 見えました。慣れてなくてごめんなさい」
リリスは申し訳なさそうにそう言うと、すぐに笑顔でコメントの読み上げを始める。
「えっと、にっしーさんこんにちは。なつりんさんこんにちは、はるとまんよんじゅうはち? さんこんにちは、えっと……この満ちるに光はみつみつさんでいいんですかね? こんにちは」
リリスはコメントをくれた人の名前を次々と読み上げていく。
「あかりんさんこんにちは。え? 今は朝早い? そうなんですね! イストレアは今ちょうどお昼どきなんです。でも、そういうことならおはようございます、ですね。れんれんさんおはようございます。ぽーていとぉさんおはようございます」
リリスはその後も名前を読み上げ、挨拶をしていく。
「はい。それで、今日は何をするかなんですけどね。実は特に決めていません」
リリスはいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「今日はライブ配信の練習なので、皆さんとちょっとおしゃべりしたら終わろうと思ってます。そういえばそっちはまだ朝って言っていましたけど、何時なんですか?」
するとコメントに次々と時間が書き込まれる。
「えっ? 朝の六時なんですか? ごめんなさい。もしかしたら通知で起こしちゃいました?」
リリスは口に手を当て、可愛らしい仕草で驚いた。その動作でリリスの豊かな胸がたゆんと揺れる。
「あ、そうですよね。やっぱり起こしちゃいましたよね。ごめんなさい」
申し訳なさそうなリリスを気遣うかのように「むしろ早起きできて嬉しい」「朝からリリちゃんに会えるなんて最高」などといったコメントが一気に投稿され、あっという間に流れている。
「皆さんありがとうございます」
リリスはニッコリと微笑んだ。しかしコメントを確認しているのかすぐに真顔になり、視線が左に向いた。
「え? スパチャができない? あれ? そうなんですか?」
驚いたリリスは慌てて左手を画面外に向かって伸ばした。それからリリスはしばらく真剣な目つきで左を見ながら、画面外に伸びた腕を動かしているが、その動作によってリリスの豊満な胸がふるふると小刻みに揺れている。
「……あ! 本当ですね。それにこの設定、ライブ配信中は変えられないみたいです。せっかくスパチャを送ってくれようとしたのにごめんなさい。今日は練習なので許してくださいね。次回はちゃんとできるようにしておきます」
リリスは申し訳なさそうな表情でそう言った。
するとコメント欄には「いいよ!」「気にしないで」などといったリリスを気遣う内容が投稿される。だが中には、「危機なのにスパチャの設定し忘れるとかスタッフクソ無能」などというものが含まれていた。
しかしそれを読んだリリスはキョトンとした表情になった。
「え? 危機ってなんの話ですか? あと配信は私一人でやっているので、スタッフさんはいませんよ?」
それからリリスはすぐに申し訳なさそうな表情になる。
「でも、次回はちゃんと設定しておきます。スパチャを送れなかった皆さん、本当にごめんなさい」
リリスの謝罪に対し、リリスを慰めるような内容のコメントが大量に寄せられ、さらに先ほどの発言を非難するようなコメントもちらほらと寄せられる。
「皆さんありがとうございます。でも、チャットで喧嘩はやめてくださいね。みんなで仲良くおしゃべりしましょう」
リリスがそう呼びかけると、すぐに「優しい」「天使や……」「エルフだろw」などといったコメントが寄せられる。
すると「この時間に同接千人行くとかwww」というコメントが投稿された。
「え? 同接ってなんですか?」
リリスがこてんと首を傾げると、すぐにその意味が書かれたコメントが大量に送られてくる。
「あ! 遊びに来てくれている人数のことなんですね! ありがとうございます♪ 遊びに来てくれた皆さん、朝早くから本当にありがとうございます♪」
リリスはそう言うと、ニッコリ微笑んだ。
それからリリスは不慣れな様子ながらも視聴者のコメントを読み上げ、質問に答えていく。
「え? アーカイブは残るのか、ですか?」
リリスは再び左の画面外に手を伸ばした。
「えっと……はい。残らない設定になっていたみたいですね。残ったほうがいいですかね?」
リリスは一瞬考えるそぶりをする。
「あ、でもやっぱりライブは残さないようにします。ただ、もしかしたらライブの切り抜きとかは残すかもしれません」
それからもリリスはコメント返しをしていくが、リリスは唐突に申し訳なさそうな表情になった。
「あ! ごめんなさい。実はですね。今日はこの後お出かけの予定があるんです。準備もあるのでそろそろ配信を終わろうと思います」
すると視聴者たちからは別れを惜しむ内容とリリスの予定を励ます内容のコメントが次々と送られてくる。
「皆さんありがとうございます。またライブしますので、そのときはぜひ、また遊びに来てくださいね」
リリスの言葉に反応し、次回配信の予定を聞くコメントが大量に送られてくる。
「あ、ごめんなさい。まだ予定は決まっていないんですけど、こっちの夜に配信すればちょうど夕方くらいですよね? なのでそのくらいの時間に配信しようと思いますので、チャンネル登録がまだの方はぜひ、チャンネル登録をして待っていてくださいね。それじゃあ皆さんも学校やお仕事、頑張ってくださいね。バイバーイ」
リリスは笑顔で右手を振ると、左手を画面外に伸ばした。すると配信がプツリと途切れ、黒い画面となったのだった。
================
次回のライブ配信でリリスに名前を読み上げて欲しいという方がいらっしゃいましたら 2023/03/27 (月) 15:00 までに感想にて挙手をお願いします。読み上げるお名前は特に指定がない場合、感想欄でのユーザー名といたします。
その時間にたまたま起きていた視聴者たちは突然の通知に戸惑うと共に、大慌ててスマホの画面を開く。
すると画面には窓のある室内に置かれた椅子が映っているものの、リリスの姿はない。
「あれ? こう、かな? あれれ?」
スマホからはリリスの困ったような声が聞こえてくる。
「あ! もしかしてもう配信されるの? いっけない!」
慌てたリリスの声が聞こえてくる。
「あっ!」
リリスの短い悲鳴が聞こえ、すぐに静かになった。
それから五秒ほどすると恥ずかしそうな表情をしたリリスが画面の右側から登場し、置かれていた椅子に座ると上気したまま遠慮がちに語り掛けてくる。
「えっと、異世界からこんにちは。リリス・サキュアです。視聴者さんは……」
リリスは自分の配信画面を確認しているのか、左のほうへと視線を逸らした。
「えっ!? もう百人も来てくれてるんですか? あれれ? コメントはどうやって確認すればいいんでしょう……」
タッチパネルの操作だろうか? リリスは左手を画面のほうへと伸ばす。
「あ! 見えました。慣れてなくてごめんなさい」
リリスは申し訳なさそうにそう言うと、すぐに笑顔でコメントの読み上げを始める。
「えっと、にっしーさんこんにちは。なつりんさんこんにちは、はるとまんよんじゅうはち? さんこんにちは、えっと……この満ちるに光はみつみつさんでいいんですかね? こんにちは」
リリスはコメントをくれた人の名前を次々と読み上げていく。
「あかりんさんこんにちは。え? 今は朝早い? そうなんですね! イストレアは今ちょうどお昼どきなんです。でも、そういうことならおはようございます、ですね。れんれんさんおはようございます。ぽーていとぉさんおはようございます」
リリスはその後も名前を読み上げ、挨拶をしていく。
「はい。それで、今日は何をするかなんですけどね。実は特に決めていません」
リリスはいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「今日はライブ配信の練習なので、皆さんとちょっとおしゃべりしたら終わろうと思ってます。そういえばそっちはまだ朝って言っていましたけど、何時なんですか?」
するとコメントに次々と時間が書き込まれる。
「えっ? 朝の六時なんですか? ごめんなさい。もしかしたら通知で起こしちゃいました?」
リリスは口に手を当て、可愛らしい仕草で驚いた。その動作でリリスの豊かな胸がたゆんと揺れる。
「あ、そうですよね。やっぱり起こしちゃいましたよね。ごめんなさい」
申し訳なさそうなリリスを気遣うかのように「むしろ早起きできて嬉しい」「朝からリリちゃんに会えるなんて最高」などといったコメントが一気に投稿され、あっという間に流れている。
「皆さんありがとうございます」
リリスはニッコリと微笑んだ。しかしコメントを確認しているのかすぐに真顔になり、視線が左に向いた。
「え? スパチャができない? あれ? そうなんですか?」
驚いたリリスは慌てて左手を画面外に向かって伸ばした。それからリリスはしばらく真剣な目つきで左を見ながら、画面外に伸びた腕を動かしているが、その動作によってリリスの豊満な胸がふるふると小刻みに揺れている。
「……あ! 本当ですね。それにこの設定、ライブ配信中は変えられないみたいです。せっかくスパチャを送ってくれようとしたのにごめんなさい。今日は練習なので許してくださいね。次回はちゃんとできるようにしておきます」
リリスは申し訳なさそうな表情でそう言った。
するとコメント欄には「いいよ!」「気にしないで」などといったリリスを気遣う内容が投稿される。だが中には、「危機なのにスパチャの設定し忘れるとかスタッフクソ無能」などというものが含まれていた。
しかしそれを読んだリリスはキョトンとした表情になった。
「え? 危機ってなんの話ですか? あと配信は私一人でやっているので、スタッフさんはいませんよ?」
それからリリスはすぐに申し訳なさそうな表情になる。
「でも、次回はちゃんと設定しておきます。スパチャを送れなかった皆さん、本当にごめんなさい」
リリスの謝罪に対し、リリスを慰めるような内容のコメントが大量に寄せられ、さらに先ほどの発言を非難するようなコメントもちらほらと寄せられる。
「皆さんありがとうございます。でも、チャットで喧嘩はやめてくださいね。みんなで仲良くおしゃべりしましょう」
リリスがそう呼びかけると、すぐに「優しい」「天使や……」「エルフだろw」などといったコメントが寄せられる。
すると「この時間に同接千人行くとかwww」というコメントが投稿された。
「え? 同接ってなんですか?」
リリスがこてんと首を傾げると、すぐにその意味が書かれたコメントが大量に送られてくる。
「あ! 遊びに来てくれている人数のことなんですね! ありがとうございます♪ 遊びに来てくれた皆さん、朝早くから本当にありがとうございます♪」
リリスはそう言うと、ニッコリ微笑んだ。
それからリリスは不慣れな様子ながらも視聴者のコメントを読み上げ、質問に答えていく。
「え? アーカイブは残るのか、ですか?」
リリスは再び左の画面外に手を伸ばした。
「えっと……はい。残らない設定になっていたみたいですね。残ったほうがいいですかね?」
リリスは一瞬考えるそぶりをする。
「あ、でもやっぱりライブは残さないようにします。ただ、もしかしたらライブの切り抜きとかは残すかもしれません」
それからもリリスはコメント返しをしていくが、リリスは唐突に申し訳なさそうな表情になった。
「あ! ごめんなさい。実はですね。今日はこの後お出かけの予定があるんです。準備もあるのでそろそろ配信を終わろうと思います」
すると視聴者たちからは別れを惜しむ内容とリリスの予定を励ます内容のコメントが次々と送られてくる。
「皆さんありがとうございます。またライブしますので、そのときはぜひ、また遊びに来てくださいね」
リリスの言葉に反応し、次回配信の予定を聞くコメントが大量に送られてくる。
「あ、ごめんなさい。まだ予定は決まっていないんですけど、こっちの夜に配信すればちょうど夕方くらいですよね? なのでそのくらいの時間に配信しようと思いますので、チャンネル登録がまだの方はぜひ、チャンネル登録をして待っていてくださいね。それじゃあ皆さんも学校やお仕事、頑張ってくださいね。バイバーイ」
リリスは笑顔で右手を振ると、左手を画面外に伸ばした。すると配信がプツリと途切れ、黒い画面となったのだった。
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次回のライブ配信でリリスに名前を読み上げて欲しいという方がいらっしゃいましたら 2023/03/27 (月) 15:00 までに感想にて挙手をお願いします。読み上げるお名前は特に指定がない場合、感想欄でのユーザー名といたします。
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