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第四章

第四章第20話 従魔科の授業の相談をしました

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 翌日の放課後、あたしは従魔科のラレス先生のところへとやってきました。

「ハーイ、ローザさん、聞きマーシタよ。従魔科の授業を受けたいそうデースね」
「はい。ただ、ゲラシム先生はあんまり意味がないんじゃないかって……」
「ハーイ、ワタシもそう思いマース。昨年、皆サンニーハ、従魔についての基礎を教えマーシタが、従魔を従エールところまでハー、教えませんデーシタ。何故だか分かりマースカ?」
「えっと……」
「従魔を従エールためニーハ、マズは戦闘力が必要デース。せっかく強い魔物と出会えテーモ、勝てなケーレバ魔物は認めマーセン。強い魔物を従エルニーハ、まずは自分ジーシンの、魔力と戦闘力を鍛える必要がありマース。上下関係、コレが大事デース」

 えっと、ユキたちはそんなことしなくても一緒にいてくれているんですけど……。

「それに、従魔に与える魔力が少ナイと、従魔を強く育てラれまセーン。デスからー、マズは魔力と戦闘力を鍛エルが大事デースね」
「……」
「でも、ローザさんはもう三匹も従魔を従えてマース。その制約を維持するノーハ、並大抵ではありまセーン。去年の授業で教えマーシタが、覚えてマースか?」
「え? えっと……たしか、従魔が強くなりすぎると反攻されて、制約が解けて従魔じゃなくなっちゃう……」
「そのとおりデース。デースから、これ以上従魔を増やすのはやめたほうがいいデース。そして、二年次の従魔科のゴールは、従魔を一匹、従えることデース。ローザさんはもう三匹も従魔を持っているデースから、三年次ノー、従魔を弱らせる方法の授業ヲー、受けるべきデース」
「え? 弱らせる?」
「そうデース。強くなりすぎた従魔ハー、キチンと弱らせないトー、大変なことになりマース」
「そんな……」
「制約を振り切って暴れタラ、どうなると思いマースか? それがもし、町の中だったらどうデースか? その責任は、テイマーが取ることになりマース」
「で、でも、あたし……それにユキたちはそんなこと……」

 するとラレス先生は小さくため息をつきました。

「ローザさんは、タマタマ弱っていた個体を従えたダケではないデースか?」
「え?」
「ソノ場合、魔物は生きるために従属を選ぶこともあるデース」

 えっと、言われてみればユキたちとお友達になったときはたしかに極限状態でしたけど……。

「そうデースね。ローザさん、一度現場を見てみるといいデース。今から制約を掛けるために頑張っている生徒を見に行くデース」

 ラレス先生はそう言うと立ち上がり、職員室を出ていったのであたしもその後を追います。

 そしてそのまま建物を出て、あたしが来たことのないエリアにやってきました。学園の敷地の中なのに高い壁で囲われていて、入口の門にも厳重に鍵が掛けられています。

「ここは?」
「コの門から先が、従魔科専用のエリアデース」

 そう言うとラレス先生が鍵を開けたので、あたしも一緒に中へ入ります。そこからさらに奥に進むと石造りの建物がありました。

「コの建物は、捕まえてきた魔物の隔離場所デース。中には、まだ従魔にナっていない魔物がいマース」

 ラレス先生はそう言って重たそうな鉄の扉の鍵を開け、扉を開きます。

 ゴゴゴという鈍い音とともに扉が開くと、さらに内側にも扉がありました。

 外の扉を閉めてから鍵を掛け、中の扉を開けるとその先にはずらりと鉄格子が並んでいます。

 えっと、見たことないですけど、牢屋ってきっとこんな感じなんじゃないかなって思いました。

「サア、ついて来なサーイ」
「はい」

 ラレス先生に連れられて奥へと歩いていくと、一部の檻の中には鎖で繋がれた魔物が閉じ込められています。

 ……可哀想です。

「いくらなんでも鎖で繋ぐなんて……」
「何を言ってイルのデースか?」
「え?」
「まだ従魔契約をしていないのデースから当然デース」
「……でも、お友達になってもらえばそんなことしなくても」
「ハア? ローザさんは何を言ってイルデースか? 魔物は、人間を見タラ襲ってくるから魔物なんデースよ?」
「えっと……」

 ラレス先生が呆れた様子でため息をつきました。

「ここに残ってイルのは、三年次に進級できなかった生徒のものデース。ローザさん、勝手に従魔にしてはイケマセーンよ。従魔を増やすノハ、弱らせ方を学んだあとデース」
「は、はい」

 そんなことはしません。誰かの従魔になるはずの子なんですから。

 もちろんこんな状況ですからちょっと、いえ、かなり可哀想だなって思いました。でも、大事なお友達のユキたちを弱らせてまで助けたいとは思いません。

 そのまま無言で歩いていくと、一番奥の檻の前にやってきました。その檻の中には一人の男子生徒がいて、檻の隅で屈んでいます。

 そんな男子生徒にラレス先生が声を掛けます。

「ジョエル君、調子はどうデースか?」
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