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第四章
第四章第6話 出産の現場は戦場でした
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まずリリアちゃんが光の玉を作ったので、あたしもリリアちゃんと同じ大きさの光の玉を作って空中に飛ばします。
ふわふわと飛んでいく光の玉をマルセルさんとアデリナさんは興味津々な様子で見ていましたが、すぐにあたしたちのほうに視線を向けてきました。
あれ? なんだか、こう、すごく期待されていそうな?
えっと……じゃあ、光の玉をこう、動かして……。
空中を漂う光の玉をくるくると回します。
「えっ? ローザちゃん? 何それ?」
「え?」
えっと……こんなのじゃ地味だったでしょうか?
えっと、えっと、じゃあ……あれ? リリアちゃんがびっくりしていますね。
それにマルセルさんとアデリナさんが、なんだかポカンとしているような……?
あ、レジーナさんは頭を抱えていますね。えっと……。
どうしたらいいかわからずに困っていると、レジーナさんが呆れたような表情であたしを見てきした。
「ローザ、それを誰かに見せたことは?」
「え? あ、えっと、さっき思いついたのでやったのは今日が初めてですけど……」
レジーナさんは大きくため息をつきました。
「あ、あの? あたし何か悪いことを……」
「いいえ、ちがいますわ。ローザ、あなたも魔法学園で学んでいるのだからわかると思うのだけれど、一度放った魔術に干渉してあとから制御するなんて普通は出来ないのですわ」
「え? そうだったんですか?」
知りませんでした。授業ではそんなこと一度も言っていませんでしたし……。
「魔法とはここまでのことができるんだね。いやはや、驚いたよ。その光の玉は自由に動かせるのかい?」
「あ、えっと、はい。多分」
あたしが適当にくるくると飛び回らせると、マルセルさんたちは光の玉を目で追いかけています。
あ、いつの間にかリリアちゃんも光の玉を消してあたしの光の玉を目で追っています。
「えっと、こんな感じですけど……」
「そう。すごいのね。魔法使いだとは聞いていたけれど、光属性の魔法使いだなんてわたくし、ローザちゃんを聖女様って呼びたくなってしまうわ」
「え? そ、そんな……」
アデリナさんに褒められ、なんだかこそばゆい気分になります。
「それにリリアちゃんもすごいわね。さっきの光の玉を出した魔術、属性は違うけれどしっかり基礎が出来ている人の魔術の展開の仕方だったわ」
「……ありがとうございます」
リリアちゃんも褒めてもらいましたけど、でもその表情は複雑そうです。
「リリア、気にすることはありませんわ。魔術と魔法は別ですもの。二人とも、マレスティカ公爵家の大事な光属性の使い手ですわ」
「はい」
リリアちゃんは浮かない表情でそう答えました。
えっと……あ! そういうことでしたか。
そう、ですよね。魔法と比べると魔術はできることが決まっていますもんね。でもイメージがうまくいかないと魔術でできることも出来ないですし、一長一短なんじゃないかって思うんですけど……。
「さあ、そろそろ夕飯の時間でしょう? この会はお開きにしましょうね」
アデリナさんが軽く手をたたき、明るくそう提案してお茶会は終わりとなったのでした。
◆◇◆
その夜、あたしは扉が何度も強くノックされた音で目を覚ましました。
「え? なんですか?」
「お休みのところ申し訳ございません。若奥様が急に産気づかれたのですが、大変な難産となっておりまして、できればローザお嬢様のお力をお借りしたいのです。リリアお嬢様はもう向かわれました」
「えっ!? 赤ちゃんが!? すぐに行きます!」
あたしは寝巻のまま飛び起きると、靴を履いて扉を出ます。
「ローザお嬢様、お着替えになってください。お手伝いいたします」
「え? あ……はい」
そうでした。男のお医者さんがいるかもしれないですもんね。
あたしは急いで着替え、アデリナさんの寝室へと向かいました。
「遅くなりました! えっと、アデリナ様は……」
するとそこには分娩椅子に座ってぐったりしているアデリナさんとその横で手を握るマルセルさんの姿がありました。アデリナさんの顔は真っ青で、分娩椅子の下には大きな血だまりが出来ています。
お腹が平らになっているということは、赤ちゃんは産んだあとということでしょうか?
部屋の中を見回すと、リリアちゃんが必死の形相で白い布の塊に治癒の魔術を掛けています。
きっとあそこに赤ちゃんがいるんでしょう。
えっと、じゃあ、あたしはアデリナさんを……。
アデリナさんの周囲を確認すると、アデリナさんの隣には白衣のおじいさんが立っています。
あのおじいさんがお医者さんでしょうか?
「これは、もはやもう一度瀉血をするしかありません。若奥様の命はもはや風前の灯火です。瀉血をして、体内に巣食う悪しき気血液と共に排出してみましょう。難しい賭けですが、もはや他に手だてはありません」
えっ!?
お医者さんらしきおじいさんがとんでもない提案をしたではありませんか!
「そうか。それしかないか。ならば仕方な――」
「待ってください! あたしが治療します! 瀉血なんかしたら死んじゃいます!」
あたしは大声で叫び、アデリナさんのところへと駆け寄ります。
「む! なんだ貴様! 小娘は黙っていろ!」
「あたしは光属性の魔法使いです! ツェツィーリエ先生の弟子です! あなたこそ余計なことをしないでください! アデリナ様を殺す気ですか!」
「何!? このっ!」
おじいさんはアデリナ様の血と羊水でべたべたに汚れた手を振り上げました。
「え?」
あたしの頬からジンジンと痛みが伝わってきます。
「治療の邪魔をしてきたこの愚か小娘を摘まみ出せ! マルセル様、一刻も早く瀉血をしなければ手をくれになるかもしれませ――」
おじいさんが早口でまくしたてたのですが、おじいさんの頬にマルセルさんの拳がめり込みました。
「おい! この痴れ者を牢屋にぶち込め! マレスティカ公爵家に逆らった意味を理解させてやる!」
「え? マルセル様!?」
マルセルさんの発言におじいさんだけでなく、部屋にいた助産師さんたちもポカンとしています。
部屋の中はシンと静まり返っていましたが、すぐに兵士の人が入ってきて、おじいさんを連れて行きました。
あ、えっと……。
呆気に取られてその様子を見送ったのですが、あたしの視界に真っ青なアデリナさんの姿が目に入りました。
そうだ! 早く治療しないと!
あたしはまず瀉血をされた傷口を治療します。これはもう慣れているのですぐにできました。
それから次は出産で傷ついてしまったところです。不思議な人体展で見た内臓が、血管がきれいに治るのをイメージして、それから体内に入った汚れや毒がきれいになるのをイメージして……えい!
するとみるみるうちにアデリナさんの出血が止まりました。
血を流し過ぎてしまったせいか、顔は青白いままです。でもこれでできる限りのことはしました。
「ローザ、アデリナは……」
マルセルさんの心配そうな声にあたしはハッとして振り向きます。
「あ、えっと……ちょっと血を流しすぎちゃったせいで大変かもしれないです。ただ、これ以上は悪くならないと思いますから、あとはアデリナ様が頑張ってくれるようにお祈りするしかないです」
「……悪い血を出すというのは間違っているのかい?」
「えっと……はい。血がないと人は死んじゃいますから」
「……そうか。僕は危うくアデリナを殺してしまうところだったのか……」
「あ……えっと……」
そのとき、赤ちゃんの元気な泣き声が部屋に響き渡ります。
あたしたちがそちらに視線を向けると、リリアちゃんが疲れていつつも満足そうな表情で床にへたり込んでいたのでした。
================
本年の更新はこれで最後となります。一年間お付き合いいただきありがとうございました。来年も引き続きお付き合いいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回の更新は 2023/01/07 (土) 20:00 を予定しております。
皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
ふわふわと飛んでいく光の玉をマルセルさんとアデリナさんは興味津々な様子で見ていましたが、すぐにあたしたちのほうに視線を向けてきました。
あれ? なんだか、こう、すごく期待されていそうな?
えっと……じゃあ、光の玉をこう、動かして……。
空中を漂う光の玉をくるくると回します。
「えっ? ローザちゃん? 何それ?」
「え?」
えっと……こんなのじゃ地味だったでしょうか?
えっと、えっと、じゃあ……あれ? リリアちゃんがびっくりしていますね。
それにマルセルさんとアデリナさんが、なんだかポカンとしているような……?
あ、レジーナさんは頭を抱えていますね。えっと……。
どうしたらいいかわからずに困っていると、レジーナさんが呆れたような表情であたしを見てきした。
「ローザ、それを誰かに見せたことは?」
「え? あ、えっと、さっき思いついたのでやったのは今日が初めてですけど……」
レジーナさんは大きくため息をつきました。
「あ、あの? あたし何か悪いことを……」
「いいえ、ちがいますわ。ローザ、あなたも魔法学園で学んでいるのだからわかると思うのだけれど、一度放った魔術に干渉してあとから制御するなんて普通は出来ないのですわ」
「え? そうだったんですか?」
知りませんでした。授業ではそんなこと一度も言っていませんでしたし……。
「魔法とはここまでのことができるんだね。いやはや、驚いたよ。その光の玉は自由に動かせるのかい?」
「あ、えっと、はい。多分」
あたしが適当にくるくると飛び回らせると、マルセルさんたちは光の玉を目で追いかけています。
あ、いつの間にかリリアちゃんも光の玉を消してあたしの光の玉を目で追っています。
「えっと、こんな感じですけど……」
「そう。すごいのね。魔法使いだとは聞いていたけれど、光属性の魔法使いだなんてわたくし、ローザちゃんを聖女様って呼びたくなってしまうわ」
「え? そ、そんな……」
アデリナさんに褒められ、なんだかこそばゆい気分になります。
「それにリリアちゃんもすごいわね。さっきの光の玉を出した魔術、属性は違うけれどしっかり基礎が出来ている人の魔術の展開の仕方だったわ」
「……ありがとうございます」
リリアちゃんも褒めてもらいましたけど、でもその表情は複雑そうです。
「リリア、気にすることはありませんわ。魔術と魔法は別ですもの。二人とも、マレスティカ公爵家の大事な光属性の使い手ですわ」
「はい」
リリアちゃんは浮かない表情でそう答えました。
えっと……あ! そういうことでしたか。
そう、ですよね。魔法と比べると魔術はできることが決まっていますもんね。でもイメージがうまくいかないと魔術でできることも出来ないですし、一長一短なんじゃないかって思うんですけど……。
「さあ、そろそろ夕飯の時間でしょう? この会はお開きにしましょうね」
アデリナさんが軽く手をたたき、明るくそう提案してお茶会は終わりとなったのでした。
◆◇◆
その夜、あたしは扉が何度も強くノックされた音で目を覚ましました。
「え? なんですか?」
「お休みのところ申し訳ございません。若奥様が急に産気づかれたのですが、大変な難産となっておりまして、できればローザお嬢様のお力をお借りしたいのです。リリアお嬢様はもう向かわれました」
「えっ!? 赤ちゃんが!? すぐに行きます!」
あたしは寝巻のまま飛び起きると、靴を履いて扉を出ます。
「ローザお嬢様、お着替えになってください。お手伝いいたします」
「え? あ……はい」
そうでした。男のお医者さんがいるかもしれないですもんね。
あたしは急いで着替え、アデリナさんの寝室へと向かいました。
「遅くなりました! えっと、アデリナ様は……」
するとそこには分娩椅子に座ってぐったりしているアデリナさんとその横で手を握るマルセルさんの姿がありました。アデリナさんの顔は真っ青で、分娩椅子の下には大きな血だまりが出来ています。
お腹が平らになっているということは、赤ちゃんは産んだあとということでしょうか?
部屋の中を見回すと、リリアちゃんが必死の形相で白い布の塊に治癒の魔術を掛けています。
きっとあそこに赤ちゃんがいるんでしょう。
えっと、じゃあ、あたしはアデリナさんを……。
アデリナさんの周囲を確認すると、アデリナさんの隣には白衣のおじいさんが立っています。
あのおじいさんがお医者さんでしょうか?
「これは、もはやもう一度瀉血をするしかありません。若奥様の命はもはや風前の灯火です。瀉血をして、体内に巣食う悪しき気血液と共に排出してみましょう。難しい賭けですが、もはや他に手だてはありません」
えっ!?
お医者さんらしきおじいさんがとんでもない提案をしたではありませんか!
「そうか。それしかないか。ならば仕方な――」
「待ってください! あたしが治療します! 瀉血なんかしたら死んじゃいます!」
あたしは大声で叫び、アデリナさんのところへと駆け寄ります。
「む! なんだ貴様! 小娘は黙っていろ!」
「あたしは光属性の魔法使いです! ツェツィーリエ先生の弟子です! あなたこそ余計なことをしないでください! アデリナ様を殺す気ですか!」
「何!? このっ!」
おじいさんはアデリナ様の血と羊水でべたべたに汚れた手を振り上げました。
「え?」
あたしの頬からジンジンと痛みが伝わってきます。
「治療の邪魔をしてきたこの愚か小娘を摘まみ出せ! マルセル様、一刻も早く瀉血をしなければ手をくれになるかもしれませ――」
おじいさんが早口でまくしたてたのですが、おじいさんの頬にマルセルさんの拳がめり込みました。
「おい! この痴れ者を牢屋にぶち込め! マレスティカ公爵家に逆らった意味を理解させてやる!」
「え? マルセル様!?」
マルセルさんの発言におじいさんだけでなく、部屋にいた助産師さんたちもポカンとしています。
部屋の中はシンと静まり返っていましたが、すぐに兵士の人が入ってきて、おじいさんを連れて行きました。
あ、えっと……。
呆気に取られてその様子を見送ったのですが、あたしの視界に真っ青なアデリナさんの姿が目に入りました。
そうだ! 早く治療しないと!
あたしはまず瀉血をされた傷口を治療します。これはもう慣れているのですぐにできました。
それから次は出産で傷ついてしまったところです。不思議な人体展で見た内臓が、血管がきれいに治るのをイメージして、それから体内に入った汚れや毒がきれいになるのをイメージして……えい!
するとみるみるうちにアデリナさんの出血が止まりました。
血を流し過ぎてしまったせいか、顔は青白いままです。でもこれでできる限りのことはしました。
「ローザ、アデリナは……」
マルセルさんの心配そうな声にあたしはハッとして振り向きます。
「あ、えっと……ちょっと血を流しすぎちゃったせいで大変かもしれないです。ただ、これ以上は悪くならないと思いますから、あとはアデリナ様が頑張ってくれるようにお祈りするしかないです」
「……悪い血を出すというのは間違っているのかい?」
「えっと……はい。血がないと人は死んじゃいますから」
「……そうか。僕は危うくアデリナを殺してしまうところだったのか……」
「あ……えっと……」
そのとき、赤ちゃんの元気な泣き声が部屋に響き渡ります。
あたしたちがそちらに視線を向けると、リリアちゃんが疲れていつつも満足そうな表情で床にへたり込んでいたのでした。
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