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第二章
第61話 従魔の授業を受けました
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どうもおはようございます。ローザです。今日も張り切って勉強をしたいと思います。
さて、今日の最初の授業は従魔学です。従魔を従えるための基礎的な内容を教えてくれるのだそうです。
「ハーイ! 皆サン! オハヨウ! 従魔学を担当する、ラレス・シリパシュといいマース。ヨロシクー!」
何だか妙なテンションの先生が入ってきました。この妙な喋り方は一体何なんでしょうか?
「ハーイ。それデハー、これから魔術を勉強していく皆サンに従魔とは何なのかを説明しマース」
いよいよ従魔の育て方を勉強できるわけですね。あたしがこの学園に入った目的のようなものですから、この授業はちゃんと聞いて覚えなきゃいけません。
「従魔というのデースね、主に隷属している魔物のことデース。隷属しているということはデースね、主の命令に絶対服従という事になりマース」
えっ? そうなんですか? でも、言われてみればみんなあたしのお願いを聞いてくれる気がしますね。
でも絶対服従って感じじゃない気がするんですけど……。
「従魔を従えるにハー、魔物に主の力を示す必要がありマース。一人で戦ッテー、徹底的に魔物の心をへし折ってデスネー。そうして完全な力の差を見せつけたうえで魔術を使って制約をー、かけるのデース」
え? あれ? えっと? あたしそんなことしてませんよ?
「これがー、その術式デース」
そう言うとラレス先生は黒板に魔法陣を描きました。
えっと、なんだかすごく複雑です。
そんな複雑な魔法陣を従魔科の制服を着ている同級生は必死にメモしています。
「それとー、従えた従魔を育てるにはデースね。適切なエサを与えてやる他にー、主の魔力を与えてやる必要があるのデース。エサだけではー、強くはならないのデース」
えっ!? そうだったんですか!?
それは知りませんでした。だからユキ達はあんなにたくさん食べているのに全然大きくならなかったんですね。
これは悪いことをしてしまいました。
「そうすることでー、従魔は成長しマースし、主の適性属性の魔力をー、扱えるようになるのデース」
すごい! じゃあ、みんなも狩りで炎弾を撃てるようになるってことですね!
これなら獲物を狩り放題です。お部屋に戻ったら、早速ユキたちに魔力を食べさせてあげなきゃいけませんね。
「次にー、従魔の世話の仕方デース。従魔科の皆サンはー、来年になればやってもらうことになりマースが――」
それからも先生の授業は続きます。お世話の仕方や一緒に行動するときの心得などを教えて貰い、今日の授業は終わったのでした。
あくまで今日は入門編らしいので、これから色々なことを教えてくれるそうなので楽しみです!
****
あたしは授業が終わると大急ぎで寮へと戻りました。ヴィーシャさんは剣術部があるでしょうから夕飯までは帰ってこないはずです。
それでは、さっそく魔力をあげて見ましょう。
「ユキ、ピーちゃん。今までちゃんとご飯をあげられなくてごめんなさい。今日の授業で魔力をご飯としてあげるといいって習ったので、これからはちゃんとあげますね」
「ミャー」
「ピピー」
よかった。気にしていないようです。あ、ホーちゃんは今の時間は寝ているのでそっとしておいてあげます。
「じゃあ、さっそく、ユキに」
あたしはユキにご飯をあげたいとイメージをして、体内の魔力を循環して右手の人差し指に集めます。そして指先をユキの口元に差し出します。
「ミャー」
ユキはあたしの指をペロペロと舐め始めました。舐められるたびに魔力が吸い取られてくのはなんだかとても不思議な気分です。
「ピピー」
「あっと。はい。ピーちゃんの分もあげますよ」
そうして今度は指をピーちゃんに差し出します。するとピーちゃんがぴょんととんであたしの右手に纏わりついてきました。
まるでピーちゃんに食べられるかのように魔力がぐんぐんと吸い取られていきます。
「あ、ちょっと、これ以上は……」
そう言うとピーちゃんは名残惜しそうに離れていきましたが、あたしはそのまま自分のベッドにへたり込んでしまいました。
────
MP:7/132
────
危ないところでした。あと少しで全ての MP を使い果たしてしまうところでした。
「ミャー」
ユキが心配そうにすり寄ってきたので頭を撫でてやります。
「大丈夫です。これくらいなら普通に動けますから」
そう言ってあたしは立ち上がるとユキをだっこして、そしてピーちゃんを頭の上に乗せて部屋を出ました。
これからリリアちゃんと一緒に料理研究会の見学に行くんです。
昨日あの激しいテニス部の人にお勧めしてもらったっていうのもあるんですけど、どうせなら夢のために行動してみたらいいんじゃないかって思ったんです。
一つはもちろんお腹いっぱい食べることなんですけど、この学校を頑張って卒業したらそれは叶いそうですからね。
それならその次の夢である優しくて誠実で頼りがいのある素敵な男性と結婚をするためにも、素敵なお嫁さんになる努力をしておこうかなって思ったんです。
やっぱり、素敵なお嫁さんといったら美味しい料理を作れるような気がしませんか?
そもそもよく考えたらあたしは孤児院仕込みの薄味料理かサバイバル仕込みの味なし焼肉しかできません。
なので、未来の旦那様のためにもちゃんと美味しいお料理と作れるようになっておこうと思ったんです。
それに料理研究会だったら美味しいごはんがあるはずですからね。ユキたちの食事も分けてもらえると思うんです。
これぞ一石二鳥ってやつです。
えへへ。あたし、こう見えてしたたかな女なんですよ?
================
次回更新は、2021/03/27 (土) 20:00 を予定しております。
さて、今日の最初の授業は従魔学です。従魔を従えるための基礎的な内容を教えてくれるのだそうです。
「ハーイ! 皆サン! オハヨウ! 従魔学を担当する、ラレス・シリパシュといいマース。ヨロシクー!」
何だか妙なテンションの先生が入ってきました。この妙な喋り方は一体何なんでしょうか?
「ハーイ。それデハー、これから魔術を勉強していく皆サンに従魔とは何なのかを説明しマース」
いよいよ従魔の育て方を勉強できるわけですね。あたしがこの学園に入った目的のようなものですから、この授業はちゃんと聞いて覚えなきゃいけません。
「従魔というのデースね、主に隷属している魔物のことデース。隷属しているということはデースね、主の命令に絶対服従という事になりマース」
えっ? そうなんですか? でも、言われてみればみんなあたしのお願いを聞いてくれる気がしますね。
でも絶対服従って感じじゃない気がするんですけど……。
「従魔を従えるにハー、魔物に主の力を示す必要がありマース。一人で戦ッテー、徹底的に魔物の心をへし折ってデスネー。そうして完全な力の差を見せつけたうえで魔術を使って制約をー、かけるのデース」
え? あれ? えっと? あたしそんなことしてませんよ?
「これがー、その術式デース」
そう言うとラレス先生は黒板に魔法陣を描きました。
えっと、なんだかすごく複雑です。
そんな複雑な魔法陣を従魔科の制服を着ている同級生は必死にメモしています。
「それとー、従えた従魔を育てるにはデースね。適切なエサを与えてやる他にー、主の魔力を与えてやる必要があるのデース。エサだけではー、強くはならないのデース」
えっ!? そうだったんですか!?
それは知りませんでした。だからユキ達はあんなにたくさん食べているのに全然大きくならなかったんですね。
これは悪いことをしてしまいました。
「そうすることでー、従魔は成長しマースし、主の適性属性の魔力をー、扱えるようになるのデース」
すごい! じゃあ、みんなも狩りで炎弾を撃てるようになるってことですね!
これなら獲物を狩り放題です。お部屋に戻ったら、早速ユキたちに魔力を食べさせてあげなきゃいけませんね。
「次にー、従魔の世話の仕方デース。従魔科の皆サンはー、来年になればやってもらうことになりマースが――」
それからも先生の授業は続きます。お世話の仕方や一緒に行動するときの心得などを教えて貰い、今日の授業は終わったのでした。
あくまで今日は入門編らしいので、これから色々なことを教えてくれるそうなので楽しみです!
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あたしは授業が終わると大急ぎで寮へと戻りました。ヴィーシャさんは剣術部があるでしょうから夕飯までは帰ってこないはずです。
それでは、さっそく魔力をあげて見ましょう。
「ユキ、ピーちゃん。今までちゃんとご飯をあげられなくてごめんなさい。今日の授業で魔力をご飯としてあげるといいって習ったので、これからはちゃんとあげますね」
「ミャー」
「ピピー」
よかった。気にしていないようです。あ、ホーちゃんは今の時間は寝ているのでそっとしておいてあげます。
「じゃあ、さっそく、ユキに」
あたしはユキにご飯をあげたいとイメージをして、体内の魔力を循環して右手の人差し指に集めます。そして指先をユキの口元に差し出します。
「ミャー」
ユキはあたしの指をペロペロと舐め始めました。舐められるたびに魔力が吸い取られてくのはなんだかとても不思議な気分です。
「ピピー」
「あっと。はい。ピーちゃんの分もあげますよ」
そうして今度は指をピーちゃんに差し出します。するとピーちゃんがぴょんととんであたしの右手に纏わりついてきました。
まるでピーちゃんに食べられるかのように魔力がぐんぐんと吸い取られていきます。
「あ、ちょっと、これ以上は……」
そう言うとピーちゃんは名残惜しそうに離れていきましたが、あたしはそのまま自分のベッドにへたり込んでしまいました。
────
MP:7/132
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危ないところでした。あと少しで全ての MP を使い果たしてしまうところでした。
「ミャー」
ユキが心配そうにすり寄ってきたので頭を撫でてやります。
「大丈夫です。これくらいなら普通に動けますから」
そう言ってあたしは立ち上がるとユキをだっこして、そしてピーちゃんを頭の上に乗せて部屋を出ました。
これからリリアちゃんと一緒に料理研究会の見学に行くんです。
昨日あの激しいテニス部の人にお勧めしてもらったっていうのもあるんですけど、どうせなら夢のために行動してみたらいいんじゃないかって思ったんです。
一つはもちろんお腹いっぱい食べることなんですけど、この学校を頑張って卒業したらそれは叶いそうですからね。
それならその次の夢である優しくて誠実で頼りがいのある素敵な男性と結婚をするためにも、素敵なお嫁さんになる努力をしておこうかなって思ったんです。
やっぱり、素敵なお嫁さんといったら美味しい料理を作れるような気がしませんか?
そもそもよく考えたらあたしは孤児院仕込みの薄味料理かサバイバル仕込みの味なし焼肉しかできません。
なので、未来の旦那様のためにもちゃんと美味しいお料理と作れるようになっておこうと思ったんです。
それに料理研究会だったら美味しいごはんがあるはずですからね。ユキたちの食事も分けてもらえると思うんです。
これぞ一石二鳥ってやつです。
えへへ。あたし、こう見えてしたたかな女なんですよ?
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