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第二章
第49話 死霊術士、女子寮に侵入する
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翌朝、足の冷えで目が覚めた俺はベッドを出て一階に降りた。
少し早いが、二度寝してしまうにも微妙な時間帯だ。
もう春が近いというのに、今日は一段と冷える。
ギルドの一階は気の早い冒険者や酔いどれ冒険者がぽつぽつといるくらいで、新しいクエスト募集書はまだ貼り出されていない。ということは今は午前五時くらいか。お決まりの喧噪はもう少し先のようだ。
空いているうちに朝飯でも食うかな――。
酒場スペースに入り、いつもの隅のカウンター席に座る。
ここの酒場は基本的に丸一日ずっと営業している。不規則な生活をしがちな冒険者にはありがたい。
俺は酔っ払いの相手で気怠そうな若い女給を呼び止め、朝食を注文した。
料理を待つ間、俺は壁を見ながら、ぼうっと昨日のことを思い出していた。
結局、俺は何かができたのだろうか。
依然としてナディアさんはお尋ね者のままだ。
俺がしたことといえば、彼女の秘め事を一つ暴いたことくらい。
だがそれで何かが変わったのかはわからない。
ナディアさんは今頃どうしているのだろう。
この町を出て平原を歩いているのだろうか。どこかに当てはあるのだろうか。
いや、俺なんかよりずっと長く生きている彼女のことだ。心配は要らないかもしれないが――。
そんなとりとめのないことを考え、何ともやりきれない気持ちでいると、料理が運ばれてきた。
思えば昨日の夜から何も食べていない。
たいそう腹が減っていることに初めて気がついた俺は、パンと肉にぱくついた。
詰め込みすぎたパンをスープで流し込んでいると、隣に気配を感じた。
「おはようございます、クラウスさん」
左隣に座ったリリスが笑いかけてくる。ふわりと揺らめく鮮やかな赤い髪が、半分寝ぼけていた俺の脳に焼きついた。
「おはおお、ひひす」
口元を手で隠し、俺は返事をした。
「あはは。飲み込んでからで良いですよ」
ごくり。
「おはよう、リリス」
「はい。おはようございます、クラウスさん」
「二回言う必要はなかったな」
呆けた俺の発言にリリスは顔をほころばせると、女給を呼んで料理を注文した。
俺が半分ほど食べ終えたところでリリスの頼んだ料理が配膳された。
最初の挨拶以外、俺たちは会話らしい会話をしないまま、ひたすら目の前の料理を味わうことに傾注していた。
「クラウスさん。今日はどうしますか?」
食事を終えた俺が水を飲んでいると、料理を平らげたリリスが言った。
「そうだなぁ……」
ナディアさんの忠告通り、今受けているクエストはやめて他のクエストを受けようか――。
――と、素直に考えられたら人生どんなに楽だろうな。
「ふふ。クラウスさんの考えてることわかりますよー。ナディアさんのことが心配なんでしょ?」
水の入ったグラスを両手でもてあそびながら、リリスが言う。
俺の考えていることなどお見通し、というしたり顔が無邪気な少女のようで、その可憐さに俺は思わずどきっとした。
心中を言い当てられて狼狽する俺の顔を見て、リリスは破顔した。
「クラウスさんは優しいですからね。わかりますよ」
「まったく、リリスには敵わないな」
剣や魔法や追跡の腕前だけでなく、リリスは人の心の機微にも聡いのだ。
「わたしもずっと昨日のことを考えてました。やっぱりナディアさんとオデットさんのことが心配です」
確か、オデットはナディアさんが夜明け前にはギルドに帰すと言っていたよな。
「そう言えばオデットはギルドに帰ってきたのかな?」
「わかりません。少なくとも、昨夜から朝までにはオデットさんの足音は聞こえませんでした」
「あ、足音……?」
「はい。オデットさんの足音が聞こえれば、寝ているときでも気がつきますから。クラウスさんやゼフィさん、エレナさんの足音でもわかりますよ」
驚いたな。足音で人を判別できるのか。
普通であれば一笑に付されるような発言だが、リリスなら可能なのだろう。
しかし、睡眠中にもそこまで気を張っていて、リリスは寝た気がするのだろうか……。
「そうなるとオデットはまだここにいないってことになるのか」
「いえ、そうとは限りません」
「え?」
「窓から入られれば、わたしもさすがに気づきませんから。そこまで耳は良くないですし」
「ま、窓からって……オデットの部屋って確かこの建物の六階じゃなかったか?」
さすがにそれは――と言いかけて、俺は昨日のナディアさんの身のこなしを思い出した。
ナディアさんならオデットを抱えて外壁をよじ登ったり、ともすれば跳躍して六階の窓まで辿り着けそうだ。
昨夜のオデットは体調が悪そうだったからな。ナディアさんがオデットをギルドに運ぶしかなかったのなら、窓からこっそり入ったとしてもおかしくはない。ナディアさんはお尋ね者だから当然ギルドの正面玄関から入るわけにはいかないだろうしな。
「ああ、ナディアさんが抱えて直接オデットの部屋に行ったのかもしれないのか」
「……え?」
妙な間の後、リリスはきょとんと俺の目を見た。
「ん?」
俺は何か変なことを言っただろうか。
「あ、ああ! そ、そうですね、確かに!」
どこかわざとらしい調子で頷き、手に持っていたグラスに口をつけるリリス。
リリスはそのまま水をぐいっと呷り、音を立ててグラスを置いた。
その大げさな挙動は、まるで何かを誤魔化そうとしているかのようで――。
――いや、リリスも疲れているはずだ。食事の後に特有の身体の重さゆえ、ぼうっとしていて俺の言葉が聞き取れなかっただけかもしれない。
「と、とにかく……オデットさんは部屋にいるかもしれません。ご飯も食べ終わりましたし。部屋を訪ねてみませんか?」
玄関脇の窓を見やると、ちょうど外が白んできているのがわかった。
明るくなれば外を出歩くのは難しくなるし、ナディアさんがオデットを運んでいたとしたらすでに部屋にいるはずだ。
「そうだな。行ってみよう」
寝ているところを起こすのは気が引けるが、今は緊急事態だ。ただ寝ているだけなら謝ってすぐに寝かせてあげれば良いし、部屋にオデットが居ないようなら、一刻も早く捜さなければならない。
ナディアさんには関わるなとは言われたが、オデットは別だ。オデットを行方のわからないまま放っておく訳にはいかない。
俺たちは代金を払って酒場を出た。
◇◇◇◇◇
階段を上り、俺たちは六階へと足を踏み入れた。
このフロアに来るのは初めてだ。
この建物は三階と四階が冒険者向けの宿屋となっていて、五階と六階にはギルド職員用の寮があるのだ。七階には倉庫があるらしいが、途中の踊り場には木箱がうずたかく積まれており、半ば封鎖状態となっている。
「六階は女子寮につき男子禁制と書いてあるな」
「あはは。クラウスさん、もし見つかったら破廉恥になっちゃいますね」
「はれんち? 何だそれは」
「んー、わたしもよくわからないんですけど。ダメな人のことです。父がよく言ってました。破廉恥な男とは懇ろになるなよって。あはは」
俺は聞いたことがないが、五百年前にはそういう言葉があったのだろう。
「笑い事じゃないぞ。このご時世、そういうのにやたらうるさいんだからな……」
まぁ、女性であるリリスが居れば万が一のことがあっても大丈夫だろう……。
リリスと並んで廊下を歩き、ドア横の名札を一枚一枚見て歩く。
鉤型の廊下の角を左に曲がり、奥に進む。
女性の名前が手書きで記された名札を見るたび、俺は何だかいけないことをしているような気分になる。
いや、実際いけないことをしているのだが……。
目当ての部屋は一番奥にあった。
「オデット・ギルバイン……ここだな」
名札の字は部屋の主のカラッとしたイメージとは対照的に、とても美しく几帳面な筆致で書かれている。
「では、わたしがノックしますね」
「ああ。頼む」
こほん、と小さく咳払いをして、リリスがドアをノックした。
少し早いが、二度寝してしまうにも微妙な時間帯だ。
もう春が近いというのに、今日は一段と冷える。
ギルドの一階は気の早い冒険者や酔いどれ冒険者がぽつぽつといるくらいで、新しいクエスト募集書はまだ貼り出されていない。ということは今は午前五時くらいか。お決まりの喧噪はもう少し先のようだ。
空いているうちに朝飯でも食うかな――。
酒場スペースに入り、いつもの隅のカウンター席に座る。
ここの酒場は基本的に丸一日ずっと営業している。不規則な生活をしがちな冒険者にはありがたい。
俺は酔っ払いの相手で気怠そうな若い女給を呼び止め、朝食を注文した。
料理を待つ間、俺は壁を見ながら、ぼうっと昨日のことを思い出していた。
結局、俺は何かができたのだろうか。
依然としてナディアさんはお尋ね者のままだ。
俺がしたことといえば、彼女の秘め事を一つ暴いたことくらい。
だがそれで何かが変わったのかはわからない。
ナディアさんは今頃どうしているのだろう。
この町を出て平原を歩いているのだろうか。どこかに当てはあるのだろうか。
いや、俺なんかよりずっと長く生きている彼女のことだ。心配は要らないかもしれないが――。
そんなとりとめのないことを考え、何ともやりきれない気持ちでいると、料理が運ばれてきた。
思えば昨日の夜から何も食べていない。
たいそう腹が減っていることに初めて気がついた俺は、パンと肉にぱくついた。
詰め込みすぎたパンをスープで流し込んでいると、隣に気配を感じた。
「おはようございます、クラウスさん」
左隣に座ったリリスが笑いかけてくる。ふわりと揺らめく鮮やかな赤い髪が、半分寝ぼけていた俺の脳に焼きついた。
「おはおお、ひひす」
口元を手で隠し、俺は返事をした。
「あはは。飲み込んでからで良いですよ」
ごくり。
「おはよう、リリス」
「はい。おはようございます、クラウスさん」
「二回言う必要はなかったな」
呆けた俺の発言にリリスは顔をほころばせると、女給を呼んで料理を注文した。
俺が半分ほど食べ終えたところでリリスの頼んだ料理が配膳された。
最初の挨拶以外、俺たちは会話らしい会話をしないまま、ひたすら目の前の料理を味わうことに傾注していた。
「クラウスさん。今日はどうしますか?」
食事を終えた俺が水を飲んでいると、料理を平らげたリリスが言った。
「そうだなぁ……」
ナディアさんの忠告通り、今受けているクエストはやめて他のクエストを受けようか――。
――と、素直に考えられたら人生どんなに楽だろうな。
「ふふ。クラウスさんの考えてることわかりますよー。ナディアさんのことが心配なんでしょ?」
水の入ったグラスを両手でもてあそびながら、リリスが言う。
俺の考えていることなどお見通し、というしたり顔が無邪気な少女のようで、その可憐さに俺は思わずどきっとした。
心中を言い当てられて狼狽する俺の顔を見て、リリスは破顔した。
「クラウスさんは優しいですからね。わかりますよ」
「まったく、リリスには敵わないな」
剣や魔法や追跡の腕前だけでなく、リリスは人の心の機微にも聡いのだ。
「わたしもずっと昨日のことを考えてました。やっぱりナディアさんとオデットさんのことが心配です」
確か、オデットはナディアさんが夜明け前にはギルドに帰すと言っていたよな。
「そう言えばオデットはギルドに帰ってきたのかな?」
「わかりません。少なくとも、昨夜から朝までにはオデットさんの足音は聞こえませんでした」
「あ、足音……?」
「はい。オデットさんの足音が聞こえれば、寝ているときでも気がつきますから。クラウスさんやゼフィさん、エレナさんの足音でもわかりますよ」
驚いたな。足音で人を判別できるのか。
普通であれば一笑に付されるような発言だが、リリスなら可能なのだろう。
しかし、睡眠中にもそこまで気を張っていて、リリスは寝た気がするのだろうか……。
「そうなるとオデットはまだここにいないってことになるのか」
「いえ、そうとは限りません」
「え?」
「窓から入られれば、わたしもさすがに気づきませんから。そこまで耳は良くないですし」
「ま、窓からって……オデットの部屋って確かこの建物の六階じゃなかったか?」
さすがにそれは――と言いかけて、俺は昨日のナディアさんの身のこなしを思い出した。
ナディアさんならオデットを抱えて外壁をよじ登ったり、ともすれば跳躍して六階の窓まで辿り着けそうだ。
昨夜のオデットは体調が悪そうだったからな。ナディアさんがオデットをギルドに運ぶしかなかったのなら、窓からこっそり入ったとしてもおかしくはない。ナディアさんはお尋ね者だから当然ギルドの正面玄関から入るわけにはいかないだろうしな。
「ああ、ナディアさんが抱えて直接オデットの部屋に行ったのかもしれないのか」
「……え?」
妙な間の後、リリスはきょとんと俺の目を見た。
「ん?」
俺は何か変なことを言っただろうか。
「あ、ああ! そ、そうですね、確かに!」
どこかわざとらしい調子で頷き、手に持っていたグラスに口をつけるリリス。
リリスはそのまま水をぐいっと呷り、音を立ててグラスを置いた。
その大げさな挙動は、まるで何かを誤魔化そうとしているかのようで――。
――いや、リリスも疲れているはずだ。食事の後に特有の身体の重さゆえ、ぼうっとしていて俺の言葉が聞き取れなかっただけかもしれない。
「と、とにかく……オデットさんは部屋にいるかもしれません。ご飯も食べ終わりましたし。部屋を訪ねてみませんか?」
玄関脇の窓を見やると、ちょうど外が白んできているのがわかった。
明るくなれば外を出歩くのは難しくなるし、ナディアさんがオデットを運んでいたとしたらすでに部屋にいるはずだ。
「そうだな。行ってみよう」
寝ているところを起こすのは気が引けるが、今は緊急事態だ。ただ寝ているだけなら謝ってすぐに寝かせてあげれば良いし、部屋にオデットが居ないようなら、一刻も早く捜さなければならない。
ナディアさんには関わるなとは言われたが、オデットは別だ。オデットを行方のわからないまま放っておく訳にはいかない。
俺たちは代金を払って酒場を出た。
◇◇◇◇◇
階段を上り、俺たちは六階へと足を踏み入れた。
このフロアに来るのは初めてだ。
この建物は三階と四階が冒険者向けの宿屋となっていて、五階と六階にはギルド職員用の寮があるのだ。七階には倉庫があるらしいが、途中の踊り場には木箱がうずたかく積まれており、半ば封鎖状態となっている。
「六階は女子寮につき男子禁制と書いてあるな」
「あはは。クラウスさん、もし見つかったら破廉恥になっちゃいますね」
「はれんち? 何だそれは」
「んー、わたしもよくわからないんですけど。ダメな人のことです。父がよく言ってました。破廉恥な男とは懇ろになるなよって。あはは」
俺は聞いたことがないが、五百年前にはそういう言葉があったのだろう。
「笑い事じゃないぞ。このご時世、そういうのにやたらうるさいんだからな……」
まぁ、女性であるリリスが居れば万が一のことがあっても大丈夫だろう……。
リリスと並んで廊下を歩き、ドア横の名札を一枚一枚見て歩く。
鉤型の廊下の角を左に曲がり、奥に進む。
女性の名前が手書きで記された名札を見るたび、俺は何だかいけないことをしているような気分になる。
いや、実際いけないことをしているのだが……。
目当ての部屋は一番奥にあった。
「オデット・ギルバイン……ここだな」
名札の字は部屋の主のカラッとしたイメージとは対照的に、とても美しく几帳面な筆致で書かれている。
「では、わたしがノックしますね」
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