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第一章
第30話 母娘
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「おかあさぁん……!!! ずっと、ずっと逢いたかった!!」
わんわんと泣きじゃくるエレナの頭を、女性は優しく撫でた。
「あら、エレナ。貴族がそんな話し方をしては駄目でしょう?」
「だって……だって……!!」
「ふふ、冗談よ。エレナ……母さんも逢いたかったわ」
エレナの母も涙ぐみ、娘を両の腕で抱きしめた。
「おかあさん、わたし、ずっと辛かったんだよ? どうしてわたしを置いて死んじゃったの? わたしを置いて死んじゃったおかあさんなんて大嫌いなんだから!」
「ごめんねエレナ。母さん本当に駄目で、ごめんね……。母親らしいこともしてあげられなかったよね」
「ううん、そんなことない! わたしにとっておかあさんは世界で一番だよ! 本当だよ!?」
『あはは。エレナさん、言ってることがめちゃくちゃですね』
顔をぐしゃぐしゃにして泣いているのに、エレナの表情からは輝きさえ感じられる。
泣きながら笑っている、そんな感じだ。
「ねぇ、エレナ。母さん聞いたわよ。父さんに復讐しようとしてたみたいじゃない? 随分物騒じゃないの」
「……ぐす。だって、おかあさんがあんなに苦しんでたのに、お父様は何もしてくれなかったじゃない! 許せるわけないでしょう!?」
「そうね……確かに、父さんは酷い人かもしれないわね。でもね、エレナ。母さんはあなたには復讐のことなんて考えて欲しくないわ」
「え?」
エレナの母は、ある種の厳しさを湛えた強い瞳を娘に向けた。
「覚えてる? 母さんはあなたに、それこそしつこいくらいに言ったわよね。母さんのようにはならないでねって。貴族らしい教養と、芯の強さを身につけた女性になるのよ……って」
「うん……覚えてるよ。だからわたし、頑張ったんだよ。言葉もおかあさんに教わったようにちゃんと使ってるし、頑張って勉強して回復魔法だって使えるようになったんだよ?」
「そうね、エレナは凄いわ。だけどね……エレナの頑張りは復讐なんかに使ってほしくないの。エレナには一人の女性として幸せになって欲しい。人に好かれる優しくて強い子になって欲しくて、母さんはあなたに色んなお話をしたのよ」
「……もうわたし、復讐はやめにするつもりだよ。あの人の汚職を公表して、それで終わりにするって決めたから」
「いいえ。あなたはまだ決心できていないでしょ? 心のどこかでまだ復讐のことを考えてる。母さんにはお見通しなのよ」
心を見透かされ、エレナはハッとしたように目を見開いた。
「母さんはあなたにそんな心の靄を抱えたまま生きて欲しくないの。エレナは賢い子だから、きっと証拠を公表して、それっきりで復讐はやめると思う。けれど、それじゃ駄目なの。あなたの心の靄は晴れないのよ」
「それは仕方ないよ。わたしはおかあさんが亡くなってからずっとあの男を酷い目に遭わせてやることだけを考えて生きてきたんだよ? その為に魔術学校に入って冒険者にまでなったのに、その気持ちを消し去ることなんて……」
「いいえ。今のあなたならできるはずよ」
「え?」
エレナの母は横に立っている俺の方へ視線を向けた。
「あなたには、素敵なお友達がいるじゃない」
「お友達……」
言葉の意味を確かめるように、エレナは呟いた。
「ここにはいないけれどゼフィちゃんっていう魔術師の女の子も、そこにいるクラウスさんと赤い髪の女の子も、あなたの復讐とは何の関係もない、素晴らしい宝物でしょう?」
「赤い髪の女の子?」
『エレナさんのお母さん、わたしのことが見えるみたいですね』
「あ……それはこっちの話ね。忘れてちょうだい」
そう言って、エレナの母はこちらへウィンクした。
今のは俺にではなく、リリスに向けてのものだろう。
「あなたには危険をかえりみず助けてくれるお友達がいる。親友と呼んでくれる子がいる。それはあなたの立派な財産であり宝物なのよ」
「宝物……」
「そう。母さんは、それがとても嬉しいの。復讐なんかどうでもいい。エレナには素晴らしいお友達に囲まれて、楽しく生きて欲しいの。母さんの願いはもう叶ったのよ」
霊魂がこの世に留まる最も大きな理由は、そこに悔いがあるからだ。
きっとエレナの母は、復讐に憑りつかれた娘が気がかりでずっとこの小屋に霊魂として留まっていたのだろう。
「そうだ……わたしにはゼフィがいるし、ギルドの皆や、クラウス様もいる……」
娘の言葉を聞き、エレナの母は穏やかに笑った。
「母さんはそれに気がついて欲しかったの。復讐することなんかよりもずっと大事なものを、あなたは既に手に入れていたのよ」
「そうだったんだ……。そんなことにも気づかないで、わたしは何て愚かだったんだろう……」
「ふふ。でも、形はどうあれ、エレナが母さんを想ってくれていたことはとても嬉しいのよ。だって、母さんはもう死んだのに、こんなにも心が温かいんですもの」
「おかあさん……」
エレナの瞳から涙が一筋零れる。
「……もう大丈夫みたいね! エレナったら、とてもすっきりした顔してるもの」
再び柔らかい目を娘に向けて、エレナの母は娘の涙を指で拭った。
すっきりした顔をしているのはエレナだけではなく、その母親も同じだった。
「おかあさん、もう嫌だよ。わたしを置いていかないで」
「母さんはね、エレナに大事なことに気付いてほしくてここに留まっていたの。残念だけど、もうお別れよ」
「そんな、嫌だよ。小さな家を借りて、また二人で前みたいに暮らそうよ。わたし、まだわからないこといっぱいあるよ。おかあさんに教えて欲しいこと、まだ沢山あるんだよ?」
「駄目よ。母さんはエレナとは違う存在なの。もう役目は終えたのよ。こればっかりはどうしようもないの」
そう言って娘の髪を撫でながら、彼女は俺の方へ向いた。
返事をするように俺はゆっくり頷いた。
彼女は悔いのなくなった霊魂がどうなるのかわかっているのだろう。
「クラウスさん、ありがとう。あなたのお陰で最期に娘と話をすることができました。あなたには感謝してもしたりません」
「いえ。俺はただ機会を作っただけですよ。今のエレナにはあなたの言葉がどうしても必要だと思ったんです」
「ふふ。ありがとう、クラウスさん。それから赤い髪の……」
「リリスです。彼女がいなければ俺はあなたを実体化させることはできませんでした」
元々の俺の魔力では、ハエやネズミの霊魂くらいしか実体化することはできなかったからな。
すべてリリスのお陰だ。
「そうなのね。リリスさん、あなたにもお礼を言うわ」
『い、いえ、わたしは何もしていませんから!』
「うふふ。二人とも謙虚なのね?」
エレナは俺たちのやりとりを不思議そうに見つめている。
「クラウスさん、リリスさん。これからも娘のことをよろしくお願いしますね」
「はい。エレナは俺たちの大切な友人ですから」
『もちろんです!』
俺たちの返事に、彼女は優しく微笑んで応えた。
「クラウス様も……わたくしを友人と想ってくださるのですね」
エレナはそう言って涙ぐむと、母親の胸に顔をうずめてしまった。
「あらあら。エレナは昔から泣き虫なんだから」
すべてを包みこむような笑みを湛えて、彼女は娘の髪を優しく撫でた。
しばらくそうしていたが、彼女はやがて娘の肩に手を置いて、自分の身体から離した。
「おかあさん……?」
怯えたようなエレナの目線をよそに、エレナの母はこちらへ向いた。
「クラウスさん。そろそろ、ですよね?」
「そうですね……。時間、だと思います」
俺の言葉に、彼女は哀しげに微笑む。
「おかあさん?」
彼女は再び娘の方へ向き直った。
「エレナ、お別れの時間がきたみたい」
「そんな……どうして?」
「わかってるでしょう? 母さんはもう死んだ人なの。生きている人と同じ世界にはいられないのよ」
「おかあさん……うん、わかった」
泣きはらした目でエレナは頷く。
「でもね、エレナのことはお空でちゃんと見ているわ。大切な娘ですもの、幸せになって欲しいからね」
「ちゃんと……見ていてね?」
懇願するような娘の言葉に、彼女はとても温かな笑みを浮かべて頷いた。
「じゃあ、母さんそろそろ行くわね。夜は暖かくして寝るのよ。風邪引かないでね」
「うん……! おかあさんもね!」
エレナがそう言ったか否かというとき、温かい色の光がぱっと瞬いて、エレナの母の姿は消えた。
「……おかあさん……」
その場で頽れるようにしてエレナは膝をついた。
「うっ、うっ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
そして、そのまま大きな声で泣き出してしまった。
『ぐすっ……クラウスさん。女の子を一人で泣かせちゃダメですよ?』
「そ、そうだな……」
俺はエレナの脇に屈んで、そっと肩に腕を回した。
するとエレナは俺の胸に飛び込んできて、わんわん泣いた。
そんな彼女を、俺は慣れない手つきで抱きしめた。
エレナのお母さん、良い女性だったな。
俺の母さんはどんな人だったんだろう。
俺の母さんもどこかで俺のことを見てくれているのだろうか――。
そんな取り留めもないことを考えながら、リリスもこの世への未練がなくなったら同じように消えてしまうのかな、なんてふと思い、少し切ない気分になった。
わんわんと泣きじゃくるエレナの頭を、女性は優しく撫でた。
「あら、エレナ。貴族がそんな話し方をしては駄目でしょう?」
「だって……だって……!!」
「ふふ、冗談よ。エレナ……母さんも逢いたかったわ」
エレナの母も涙ぐみ、娘を両の腕で抱きしめた。
「おかあさん、わたし、ずっと辛かったんだよ? どうしてわたしを置いて死んじゃったの? わたしを置いて死んじゃったおかあさんなんて大嫌いなんだから!」
「ごめんねエレナ。母さん本当に駄目で、ごめんね……。母親らしいこともしてあげられなかったよね」
「ううん、そんなことない! わたしにとっておかあさんは世界で一番だよ! 本当だよ!?」
『あはは。エレナさん、言ってることがめちゃくちゃですね』
顔をぐしゃぐしゃにして泣いているのに、エレナの表情からは輝きさえ感じられる。
泣きながら笑っている、そんな感じだ。
「ねぇ、エレナ。母さん聞いたわよ。父さんに復讐しようとしてたみたいじゃない? 随分物騒じゃないの」
「……ぐす。だって、おかあさんがあんなに苦しんでたのに、お父様は何もしてくれなかったじゃない! 許せるわけないでしょう!?」
「そうね……確かに、父さんは酷い人かもしれないわね。でもね、エレナ。母さんはあなたには復讐のことなんて考えて欲しくないわ」
「え?」
エレナの母は、ある種の厳しさを湛えた強い瞳を娘に向けた。
「覚えてる? 母さんはあなたに、それこそしつこいくらいに言ったわよね。母さんのようにはならないでねって。貴族らしい教養と、芯の強さを身につけた女性になるのよ……って」
「うん……覚えてるよ。だからわたし、頑張ったんだよ。言葉もおかあさんに教わったようにちゃんと使ってるし、頑張って勉強して回復魔法だって使えるようになったんだよ?」
「そうね、エレナは凄いわ。だけどね……エレナの頑張りは復讐なんかに使ってほしくないの。エレナには一人の女性として幸せになって欲しい。人に好かれる優しくて強い子になって欲しくて、母さんはあなたに色んなお話をしたのよ」
「……もうわたし、復讐はやめにするつもりだよ。あの人の汚職を公表して、それで終わりにするって決めたから」
「いいえ。あなたはまだ決心できていないでしょ? 心のどこかでまだ復讐のことを考えてる。母さんにはお見通しなのよ」
心を見透かされ、エレナはハッとしたように目を見開いた。
「母さんはあなたにそんな心の靄を抱えたまま生きて欲しくないの。エレナは賢い子だから、きっと証拠を公表して、それっきりで復讐はやめると思う。けれど、それじゃ駄目なの。あなたの心の靄は晴れないのよ」
「それは仕方ないよ。わたしはおかあさんが亡くなってからずっとあの男を酷い目に遭わせてやることだけを考えて生きてきたんだよ? その為に魔術学校に入って冒険者にまでなったのに、その気持ちを消し去ることなんて……」
「いいえ。今のあなたならできるはずよ」
「え?」
エレナの母は横に立っている俺の方へ視線を向けた。
「あなたには、素敵なお友達がいるじゃない」
「お友達……」
言葉の意味を確かめるように、エレナは呟いた。
「ここにはいないけれどゼフィちゃんっていう魔術師の女の子も、そこにいるクラウスさんと赤い髪の女の子も、あなたの復讐とは何の関係もない、素晴らしい宝物でしょう?」
「赤い髪の女の子?」
『エレナさんのお母さん、わたしのことが見えるみたいですね』
「あ……それはこっちの話ね。忘れてちょうだい」
そう言って、エレナの母はこちらへウィンクした。
今のは俺にではなく、リリスに向けてのものだろう。
「あなたには危険をかえりみず助けてくれるお友達がいる。親友と呼んでくれる子がいる。それはあなたの立派な財産であり宝物なのよ」
「宝物……」
「そう。母さんは、それがとても嬉しいの。復讐なんかどうでもいい。エレナには素晴らしいお友達に囲まれて、楽しく生きて欲しいの。母さんの願いはもう叶ったのよ」
霊魂がこの世に留まる最も大きな理由は、そこに悔いがあるからだ。
きっとエレナの母は、復讐に憑りつかれた娘が気がかりでずっとこの小屋に霊魂として留まっていたのだろう。
「そうだ……わたしにはゼフィがいるし、ギルドの皆や、クラウス様もいる……」
娘の言葉を聞き、エレナの母は穏やかに笑った。
「母さんはそれに気がついて欲しかったの。復讐することなんかよりもずっと大事なものを、あなたは既に手に入れていたのよ」
「そうだったんだ……。そんなことにも気づかないで、わたしは何て愚かだったんだろう……」
「ふふ。でも、形はどうあれ、エレナが母さんを想ってくれていたことはとても嬉しいのよ。だって、母さんはもう死んだのに、こんなにも心が温かいんですもの」
「おかあさん……」
エレナの瞳から涙が一筋零れる。
「……もう大丈夫みたいね! エレナったら、とてもすっきりした顔してるもの」
再び柔らかい目を娘に向けて、エレナの母は娘の涙を指で拭った。
すっきりした顔をしているのはエレナだけではなく、その母親も同じだった。
「おかあさん、もう嫌だよ。わたしを置いていかないで」
「母さんはね、エレナに大事なことに気付いてほしくてここに留まっていたの。残念だけど、もうお別れよ」
「そんな、嫌だよ。小さな家を借りて、また二人で前みたいに暮らそうよ。わたし、まだわからないこといっぱいあるよ。おかあさんに教えて欲しいこと、まだ沢山あるんだよ?」
「駄目よ。母さんはエレナとは違う存在なの。もう役目は終えたのよ。こればっかりはどうしようもないの」
そう言って娘の髪を撫でながら、彼女は俺の方へ向いた。
返事をするように俺はゆっくり頷いた。
彼女は悔いのなくなった霊魂がどうなるのかわかっているのだろう。
「クラウスさん、ありがとう。あなたのお陰で最期に娘と話をすることができました。あなたには感謝してもしたりません」
「いえ。俺はただ機会を作っただけですよ。今のエレナにはあなたの言葉がどうしても必要だと思ったんです」
「ふふ。ありがとう、クラウスさん。それから赤い髪の……」
「リリスです。彼女がいなければ俺はあなたを実体化させることはできませんでした」
元々の俺の魔力では、ハエやネズミの霊魂くらいしか実体化することはできなかったからな。
すべてリリスのお陰だ。
「そうなのね。リリスさん、あなたにもお礼を言うわ」
『い、いえ、わたしは何もしていませんから!』
「うふふ。二人とも謙虚なのね?」
エレナは俺たちのやりとりを不思議そうに見つめている。
「クラウスさん、リリスさん。これからも娘のことをよろしくお願いしますね」
「はい。エレナは俺たちの大切な友人ですから」
『もちろんです!』
俺たちの返事に、彼女は優しく微笑んで応えた。
「クラウス様も……わたくしを友人と想ってくださるのですね」
エレナはそう言って涙ぐむと、母親の胸に顔をうずめてしまった。
「あらあら。エレナは昔から泣き虫なんだから」
すべてを包みこむような笑みを湛えて、彼女は娘の髪を優しく撫でた。
しばらくそうしていたが、彼女はやがて娘の肩に手を置いて、自分の身体から離した。
「おかあさん……?」
怯えたようなエレナの目線をよそに、エレナの母はこちらへ向いた。
「クラウスさん。そろそろ、ですよね?」
「そうですね……。時間、だと思います」
俺の言葉に、彼女は哀しげに微笑む。
「おかあさん?」
彼女は再び娘の方へ向き直った。
「エレナ、お別れの時間がきたみたい」
「そんな……どうして?」
「わかってるでしょう? 母さんはもう死んだ人なの。生きている人と同じ世界にはいられないのよ」
「おかあさん……うん、わかった」
泣きはらした目でエレナは頷く。
「でもね、エレナのことはお空でちゃんと見ているわ。大切な娘ですもの、幸せになって欲しいからね」
「ちゃんと……見ていてね?」
懇願するような娘の言葉に、彼女はとても温かな笑みを浮かべて頷いた。
「じゃあ、母さんそろそろ行くわね。夜は暖かくして寝るのよ。風邪引かないでね」
「うん……! おかあさんもね!」
エレナがそう言ったか否かというとき、温かい色の光がぱっと瞬いて、エレナの母の姿は消えた。
「……おかあさん……」
その場で頽れるようにしてエレナは膝をついた。
「うっ、うっ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
そして、そのまま大きな声で泣き出してしまった。
『ぐすっ……クラウスさん。女の子を一人で泣かせちゃダメですよ?』
「そ、そうだな……」
俺はエレナの脇に屈んで、そっと肩に腕を回した。
するとエレナは俺の胸に飛び込んできて、わんわん泣いた。
そんな彼女を、俺は慣れない手つきで抱きしめた。
エレナのお母さん、良い女性だったな。
俺の母さんはどんな人だったんだろう。
俺の母さんもどこかで俺のことを見てくれているのだろうか――。
そんな取り留めもないことを考えながら、リリスもこの世への未練がなくなったら同じように消えてしまうのかな、なんてふと思い、少し切ない気分になった。
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