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Ep.8-2《愛欲の魔物》
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意識が遠のく。
サナの体から生えた触手が首や手足をギュウギュウと締め付けながら、余った他の触手たちはアーニャの素肌を優しく責め立てる。
窒息する感覚と共に快楽を与えられ、一切抵抗ができない状態で体が小刻みにビクビクと震える。
(まだ感覚遮断グミの効果は残っている、はず、なのに……)
与えられる快楽の大部分は遮断されているはずだが、それでも防ぎきれないほどの濃厚で抗うことのできない快楽を叩き込まれる。
「この程度の攻撃、アーニャさんならなんともないですよね?」
「アッ、あぐっ……かはっ!?」
首を締める触手の締め付けが強くなり、息ができなくなる。
その間も細い触手の全身責めは止まらず、アーニャは足をバタバタと意味なく動かし、指先の感覚は消えていく。
血の気が引いていく感と覚体が温まっていく感覚が同時にやってきて、頭がおかしくなりそうだった。
(だめ、だ……このままじゃ私、サナちゃんに……ッ!)
少女が操る巧みな触手に翻弄され、絶頂の寸前まで導かれたその瞬間。
「違う」
サナは冷たくそう言い放つと拘束していた触手を解放し、アーニャの体を放り投げた。
「あぐっ……かっ、はっ……!」
アーニャの体は地面に落下し、痛みと快楽でその場で悶える。
「こんなの黒ずきんのアーニャじゃない」
サナは冷めた瞳で、地面に這いつくばる黒衣の少女を見つめていた。
「どういうことかしら、サナちゃん?」
この反応にはミヨも予想外だったようで、首を傾げながらそう問いかける。
「私の好きなアーニャさんは、強くてカッコよくて、どんなに追い詰められても諦めずに戦い続けるんです。こんな何もできずにもがくことしかできない奴は黒ずきんのアーニャなんかじゃない」
そう断言するように言い放つ。
「なるほどねぇ…………ですってよアーニャちゃん。自分のファンに失望されているようだけど」
「うる、さい……」
そんなことを言われたって、生身一つであんな化け物の体に抵抗できるはずはない。
地面を這いつくばりながらそう思うアーニャの横に、カランと金属質の音を立てて何かが転がった。
そこには使い慣れたナイフとハンドガンが転がっていた。
「戦いなさいアーニャちゃん……いや、闘う理由をあなたにあげる。もしあなたがサナちゃんに勝てば彼女をあなたに返してあげる、ってのはどうかしら?」
「……ッ!」
「そっちの方がサナちゃんも燃えるでしょう? ね?」
「え、本気のアーニャさんと戦えるんですか? 嬉しい!」
アーニャの承諾を得ないまま、二人は話を進めていく。
それでもアーニャがその提案を断る理由は無かった。
(それで、サナちゃんを……救えるなら……ッ!)
アーニャはギュッと歯を噛み締め流。
そしてふらふらとした足取りでありながらも、ナイフとハンドガンを手に取り立ち上がる。
「ふふっ、やるのね」
「本気のアーニャさんと戦える……ふふっ、うふふっ」
不穏な笑い声をこぼす二人を前に、アーニャの意識は段々と鮮明になっていく。
勝利の条件が提示された今、彼女の中の迷いが消える。
「……サナちゃん、今助けてあげるからね」
そう小さく言葉を漏らし、アーニャはサナに向けて駆け出した。
「あははっ、対面するとすごく早くて怖いですッ!」
そんなことを言いながら、サナの表情はまるで恐怖を感じているようには見えない。
向かってくるアーニャに向けて、何本かの細い触手が伸びる。
(サナちゃん、痛かったらゴメンね……ッ!)
慣れた手つきでそれらを切断していくアーニャ。
最適化された動きで触手を切断していくその姿を見て、サナは大きく目を見開き、その瞳を輝かせていく。
「すごい、すごいですアーニャさん! ではこんなのはどうでしょうッ!?」
他の触手より一際太い触手が鞭のようにアーニャの体目掛けて振り払われる。
――バンッ!
ナイフでは対応できないと判断したアーニャは即時ハンドガンでその太い触手の先端を狙い発砲する。
するとブチンと鈍い音を立てて触手が引き千切れる。
「うッ……それはちょっとまずいかもです」
サナの表情にも焦りが見える。
アーニャは引き続きサナの体から生えた太めの触手を狙い発砲していく。
発砲音が響くたびに地面に転がっていく太い触手。
サナの背中から生えた太い触手は全て千切れて、残るは細い職種のみ。
(あとはナイフだけで行ける……ッ!)
そう判断したアーニャは姿勢を低くして一気にサナに距離を詰める。
「だったら、奥の手です!」
迫ってくるアーニャに向けて、サナは千切れた太い触手の断面を向ける。
すでに千切れたその触手は1メートル未満の長さしかなく、アーニャの体には届かない。
(何を……まさか……ッ!)
しかしサナが何をしようとしているのか気づいたその瞬間、アーニャはその場で真横に飛び退いた。
「くらえっ!」
まるでホースから水を飛ばすように、触手の断面から粘液を一気に吹きかけた。
咄嗟に回避行動をとったものの、その粘液の一部がアーニャの足を掠める。
「――ッ、うぁあああああッ!?」
響く絶叫。
まるで酸を浴びせられたかのように、足がじゅうっと燃え上がるよう熱さを感じる。
だがその熱さは決して苦痛を与えるためのものではないことを知っている。
快楽を与えるための強力な媚薬成分。
少し足に触れただけなのに、ドクンドクンと胸が鼓動し始める。
足に力が入らず、アーニャはその場に崩れ落ちる。
(だ、だい、じょうぶ……この、程度ならッ!)
滝のような汗を額から流しながらも、すぐさま立ちあがろうとする。
「させない!」
「しまっ――くぅううッ!?」
だが粘液が付着した足首に細い触手が絡みつき、締め上げる。
そしてそのままアーニャの体を持ち上げた。
反転する景色。
体が反転したままの状態で宙吊り状態にされたアーニャは、目の前にいるサナと目が合う。
「つかまえたっ!」
狂気的な瞳で目を見開かせ、クスリと笑うサナ。
完全に追い込まれた状況にも思えたが、今この状況は千載一遇のチャンスでもあった。
アーニャは右手に持っていたハンドガンをサナに向ける。
目の前にいる相手の額に銃弾を打ち込めば、その時点でアーニャの勝利が決まる。
今まで何度もやってきたように、目の前の敵に照準を合わせて引き金を引けばいい。
(撃て、撃つんだ……ッ!)
そのはずなのに、引き金を引く指が震える。
今までアーニャが戦ってきたのは敵対する対戦相手であり、自分を応援してくれるファンの一人に、銃口を向けるのはこれが初めてだった。
ここが仮想現実の世界だと分かっていても、彼女に痛みを与えてしまうかもしれないという躊躇い。
その一瞬の迷いがアーニャの勝機を逃すことになる。
「えい」
「……あっ」
腹部、背中、胸、臀部。
計4本の太い触手の断面がアーニャの体に密着する。
そしてその触手の断面から一気に粘性のある液体が吹きかけられた。
「あっ、あぁ……っ!」
ブシャ、ブシャァアアッ、と勢いよく吹きかけられた液体が、アーニャの全身を汚していく。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!」
鈍い絶叫が響く。
粘液の濁流に飲み込まれて、アーニャの体は燃え盛るように熱くなっていく。
サナの体から生えた触手が首や手足をギュウギュウと締め付けながら、余った他の触手たちはアーニャの素肌を優しく責め立てる。
窒息する感覚と共に快楽を与えられ、一切抵抗ができない状態で体が小刻みにビクビクと震える。
(まだ感覚遮断グミの効果は残っている、はず、なのに……)
与えられる快楽の大部分は遮断されているはずだが、それでも防ぎきれないほどの濃厚で抗うことのできない快楽を叩き込まれる。
「この程度の攻撃、アーニャさんならなんともないですよね?」
「アッ、あぐっ……かはっ!?」
首を締める触手の締め付けが強くなり、息ができなくなる。
その間も細い触手の全身責めは止まらず、アーニャは足をバタバタと意味なく動かし、指先の感覚は消えていく。
血の気が引いていく感と覚体が温まっていく感覚が同時にやってきて、頭がおかしくなりそうだった。
(だめ、だ……このままじゃ私、サナちゃんに……ッ!)
少女が操る巧みな触手に翻弄され、絶頂の寸前まで導かれたその瞬間。
「違う」
サナは冷たくそう言い放つと拘束していた触手を解放し、アーニャの体を放り投げた。
「あぐっ……かっ、はっ……!」
アーニャの体は地面に落下し、痛みと快楽でその場で悶える。
「こんなの黒ずきんのアーニャじゃない」
サナは冷めた瞳で、地面に這いつくばる黒衣の少女を見つめていた。
「どういうことかしら、サナちゃん?」
この反応にはミヨも予想外だったようで、首を傾げながらそう問いかける。
「私の好きなアーニャさんは、強くてカッコよくて、どんなに追い詰められても諦めずに戦い続けるんです。こんな何もできずにもがくことしかできない奴は黒ずきんのアーニャなんかじゃない」
そう断言するように言い放つ。
「なるほどねぇ…………ですってよアーニャちゃん。自分のファンに失望されているようだけど」
「うる、さい……」
そんなことを言われたって、生身一つであんな化け物の体に抵抗できるはずはない。
地面を這いつくばりながらそう思うアーニャの横に、カランと金属質の音を立てて何かが転がった。
そこには使い慣れたナイフとハンドガンが転がっていた。
「戦いなさいアーニャちゃん……いや、闘う理由をあなたにあげる。もしあなたがサナちゃんに勝てば彼女をあなたに返してあげる、ってのはどうかしら?」
「……ッ!」
「そっちの方がサナちゃんも燃えるでしょう? ね?」
「え、本気のアーニャさんと戦えるんですか? 嬉しい!」
アーニャの承諾を得ないまま、二人は話を進めていく。
それでもアーニャがその提案を断る理由は無かった。
(それで、サナちゃんを……救えるなら……ッ!)
アーニャはギュッと歯を噛み締め流。
そしてふらふらとした足取りでありながらも、ナイフとハンドガンを手に取り立ち上がる。
「ふふっ、やるのね」
「本気のアーニャさんと戦える……ふふっ、うふふっ」
不穏な笑い声をこぼす二人を前に、アーニャの意識は段々と鮮明になっていく。
勝利の条件が提示された今、彼女の中の迷いが消える。
「……サナちゃん、今助けてあげるからね」
そう小さく言葉を漏らし、アーニャはサナに向けて駆け出した。
「あははっ、対面するとすごく早くて怖いですッ!」
そんなことを言いながら、サナの表情はまるで恐怖を感じているようには見えない。
向かってくるアーニャに向けて、何本かの細い触手が伸びる。
(サナちゃん、痛かったらゴメンね……ッ!)
慣れた手つきでそれらを切断していくアーニャ。
最適化された動きで触手を切断していくその姿を見て、サナは大きく目を見開き、その瞳を輝かせていく。
「すごい、すごいですアーニャさん! ではこんなのはどうでしょうッ!?」
他の触手より一際太い触手が鞭のようにアーニャの体目掛けて振り払われる。
――バンッ!
ナイフでは対応できないと判断したアーニャは即時ハンドガンでその太い触手の先端を狙い発砲する。
するとブチンと鈍い音を立てて触手が引き千切れる。
「うッ……それはちょっとまずいかもです」
サナの表情にも焦りが見える。
アーニャは引き続きサナの体から生えた太めの触手を狙い発砲していく。
発砲音が響くたびに地面に転がっていく太い触手。
サナの背中から生えた太い触手は全て千切れて、残るは細い職種のみ。
(あとはナイフだけで行ける……ッ!)
そう判断したアーニャは姿勢を低くして一気にサナに距離を詰める。
「だったら、奥の手です!」
迫ってくるアーニャに向けて、サナは千切れた太い触手の断面を向ける。
すでに千切れたその触手は1メートル未満の長さしかなく、アーニャの体には届かない。
(何を……まさか……ッ!)
しかしサナが何をしようとしているのか気づいたその瞬間、アーニャはその場で真横に飛び退いた。
「くらえっ!」
まるでホースから水を飛ばすように、触手の断面から粘液を一気に吹きかけた。
咄嗟に回避行動をとったものの、その粘液の一部がアーニャの足を掠める。
「――ッ、うぁあああああッ!?」
響く絶叫。
まるで酸を浴びせられたかのように、足がじゅうっと燃え上がるよう熱さを感じる。
だがその熱さは決して苦痛を与えるためのものではないことを知っている。
快楽を与えるための強力な媚薬成分。
少し足に触れただけなのに、ドクンドクンと胸が鼓動し始める。
足に力が入らず、アーニャはその場に崩れ落ちる。
(だ、だい、じょうぶ……この、程度ならッ!)
滝のような汗を額から流しながらも、すぐさま立ちあがろうとする。
「させない!」
「しまっ――くぅううッ!?」
だが粘液が付着した足首に細い触手が絡みつき、締め上げる。
そしてそのままアーニャの体を持ち上げた。
反転する景色。
体が反転したままの状態で宙吊り状態にされたアーニャは、目の前にいるサナと目が合う。
「つかまえたっ!」
狂気的な瞳で目を見開かせ、クスリと笑うサナ。
完全に追い込まれた状況にも思えたが、今この状況は千載一遇のチャンスでもあった。
アーニャは右手に持っていたハンドガンをサナに向ける。
目の前にいる相手の額に銃弾を打ち込めば、その時点でアーニャの勝利が決まる。
今まで何度もやってきたように、目の前の敵に照準を合わせて引き金を引けばいい。
(撃て、撃つんだ……ッ!)
そのはずなのに、引き金を引く指が震える。
今までアーニャが戦ってきたのは敵対する対戦相手であり、自分を応援してくれるファンの一人に、銃口を向けるのはこれが初めてだった。
ここが仮想現実の世界だと分かっていても、彼女に痛みを与えてしまうかもしれないという躊躇い。
その一瞬の迷いがアーニャの勝機を逃すことになる。
「えい」
「……あっ」
腹部、背中、胸、臀部。
計4本の太い触手の断面がアーニャの体に密着する。
そしてその触手の断面から一気に粘性のある液体が吹きかけられた。
「あっ、あぁ……っ!」
ブシャ、ブシャァアアッ、と勢いよく吹きかけられた液体が、アーニャの全身を汚していく。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!」
鈍い絶叫が響く。
粘液の濁流に飲み込まれて、アーニャの体は燃え盛るように熱くなっていく。
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