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1章
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「ケイ、これどうぞ!」
「こっちも美味しいよ」
「これも美味しいですよ!」
「え、いや、あの、待って…」
片方が買ってくる間に片方が渡す。
それをずっと繰り返してケイは3人ほど座れるベンチを占領していた。
常にどちらかがいるので安全ではあるが止めることができない。
ケイの周りに置くとすぐに交代して行くのだからもうどうしたらいいかわからない。
彼らには適量という言葉を覚えてほしい。
こんなに食べれない。
でもたぶん食べなかった分は2人が食べるんだろうとも思う。
黙々と消費するように食べるが一向に減らない。
むしろ増えているような気さえする。
「…………………もうムリ……」
「えっ本当に足りてますか?せめてこれを…」
「まだ食べれるんならこれ食べて」
「もう無理です…」
「このままじゃ同点…せめてこれを!1口でいいから!お願いします!」
「んー…」
いやいや、と首を振る。
どうしてそんなに食べ物を進めてくるんだろう。
というか聞こえたぞ、同点ってなんだ。
「じゃあこっちを持ち帰りにして…シモンは自分で持って来た分食べろよ?」
「わかってますよ…ケイ、すぐ食べるんで待っててくださいね!」
言うが早いか口に詰め込むように豪快に食べる。
ガツガツ食べているのに口周りが汚れないのは不思議だ。
カイもカイでかなりの速度だが綺麗な食べ方をしていた。
それなのにまるで吸い込まれるようにしてどんどん消えていく。
魔法かな、うん。
大食いファイターでもこんなに早くは消費できないだろう。
実にいい食べっぷりであった。
そんな昼食が終われば今度は再び鍛冶屋へ。
ギルドカードは出来上がっているだろうか。
魔力を込めたらどんな色になるのだろう。
そんなわくわく感で胸をいっぱいにして向かった。
朝もそうだったが昼間であっても人はいない。
自分達を除けばただ1人。
赤い髪の男がいるだけで。
「これでどうじゃ?」
「ありがとな。まあいいんじゃね?俺のじゃねえからなあ」
あの後ろ姿…まさか。
いやいや、そうだったらちょっと。
ちょっと、ね。
「あれ…団長?今日非番でしたっけ?」
「こんなところにいるなんて珍しいですね」
「おー、シモンとカイ…か……」
「……………」
予想通りというか、そこにはシモンとカイの上司…騎士団長様がいた。
正直嫌いだ。
アレがあって好きになれる方がおかしいと思うけど。
まあ、とりあえずアレだ。
「1発殴ってもよろしいですか?」
金輪際ああいうことをしようと思わないように。
兄さんがいればこんなやつ滅多打ちにしてくれるのに…
「あ、あれ…ケイの笑顔なのに…めちゃめちゃ怖い…」
「ケイ、殴るんなら思いっきりやりなよ?」
「え。いや、そうか。そうだな。アレは俺に非がある。思いっきり殴ってくれ」
「じゃあシモンさん、やっちゃってください!」
「はい!」
待ってましたと言わんばかりの笑顔。
だって殴ったことないし。
この前のはただ手が当たっただけの偶然みたいなものだ。
「おい待て。シモンは駄目だろ!?」
「歯、食いしばってくださいねー団長!」
この後シモンは一切の躊躇いなく頰を殴った。
だって狙うなら顔面にしろって兄さんが言ってたから。
シモンにも顔でお願いしますと伝えておいた。
ちなみに男前になった団長の名前はアラン・ブレンドレルというそうだ。
「こっちも美味しいよ」
「これも美味しいですよ!」
「え、いや、あの、待って…」
片方が買ってくる間に片方が渡す。
それをずっと繰り返してケイは3人ほど座れるベンチを占領していた。
常にどちらかがいるので安全ではあるが止めることができない。
ケイの周りに置くとすぐに交代して行くのだからもうどうしたらいいかわからない。
彼らには適量という言葉を覚えてほしい。
こんなに食べれない。
でもたぶん食べなかった分は2人が食べるんだろうとも思う。
黙々と消費するように食べるが一向に減らない。
むしろ増えているような気さえする。
「…………………もうムリ……」
「えっ本当に足りてますか?せめてこれを…」
「まだ食べれるんならこれ食べて」
「もう無理です…」
「このままじゃ同点…せめてこれを!1口でいいから!お願いします!」
「んー…」
いやいや、と首を振る。
どうしてそんなに食べ物を進めてくるんだろう。
というか聞こえたぞ、同点ってなんだ。
「じゃあこっちを持ち帰りにして…シモンは自分で持って来た分食べろよ?」
「わかってますよ…ケイ、すぐ食べるんで待っててくださいね!」
言うが早いか口に詰め込むように豪快に食べる。
ガツガツ食べているのに口周りが汚れないのは不思議だ。
カイもカイでかなりの速度だが綺麗な食べ方をしていた。
それなのにまるで吸い込まれるようにしてどんどん消えていく。
魔法かな、うん。
大食いファイターでもこんなに早くは消費できないだろう。
実にいい食べっぷりであった。
そんな昼食が終われば今度は再び鍛冶屋へ。
ギルドカードは出来上がっているだろうか。
魔力を込めたらどんな色になるのだろう。
そんなわくわく感で胸をいっぱいにして向かった。
朝もそうだったが昼間であっても人はいない。
自分達を除けばただ1人。
赤い髪の男がいるだけで。
「これでどうじゃ?」
「ありがとな。まあいいんじゃね?俺のじゃねえからなあ」
あの後ろ姿…まさか。
いやいや、そうだったらちょっと。
ちょっと、ね。
「あれ…団長?今日非番でしたっけ?」
「こんなところにいるなんて珍しいですね」
「おー、シモンとカイ…か……」
「……………」
予想通りというか、そこにはシモンとカイの上司…騎士団長様がいた。
正直嫌いだ。
アレがあって好きになれる方がおかしいと思うけど。
まあ、とりあえずアレだ。
「1発殴ってもよろしいですか?」
金輪際ああいうことをしようと思わないように。
兄さんがいればこんなやつ滅多打ちにしてくれるのに…
「あ、あれ…ケイの笑顔なのに…めちゃめちゃ怖い…」
「ケイ、殴るんなら思いっきりやりなよ?」
「え。いや、そうか。そうだな。アレは俺に非がある。思いっきり殴ってくれ」
「じゃあシモンさん、やっちゃってください!」
「はい!」
待ってましたと言わんばかりの笑顔。
だって殴ったことないし。
この前のはただ手が当たっただけの偶然みたいなものだ。
「おい待て。シモンは駄目だろ!?」
「歯、食いしばってくださいねー団長!」
この後シモンは一切の躊躇いなく頰を殴った。
だって狙うなら顔面にしろって兄さんが言ってたから。
シモンにも顔でお願いしますと伝えておいた。
ちなみに男前になった団長の名前はアラン・ブレンドレルというそうだ。
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